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スタッフルーム – ステレオマイク・セットで何でも録音してみよう! LCT040 MATCH STEREO

2021.04.20

記事で紹介した製品がお得に手に入るプロモーションを実施中!

スタッフUKです。
 
ライブハウスでの演奏や、スタジオでのレコーディングが難しくなった昨今、自宅での作曲を始めた人も多いかと思います。コンピュータで完結するDAWからさらに一歩、マイクを使って生音をレコーディングしたい、という方も多いのではないでしょうか。
 
前回紹介した歌ってみたを始めた友達も、自分で曲を作り始めたらしくマイクでの録音にハマっているそうです。楽器を演奏したり、環境音を録ってみたりと意欲的に取り組んでいるのですが、その中で雨の音を自然な感じで録りたい…という相談を受けました。
 
音を確認させてもらったところ、彼はマイク1本でモノラルでレコーディングされているため、よくも悪くも「まとまった」質感に聞こえます。もちろんプラグインで広がり感を足したり、ということもできるのですが、何か方法はないかな…ということでした。
 

レコーディングは「モノラル録音」だけではない

 
自宅での録音というと、マイクを1本立ててボーカルを録る、というようなモノラルでの録音をイメージする方が多いと思います。ところが自宅環境であっても、マイク2本とインターフェイスの入力2つがあればステレオ録音は簡単にできてしまいます。
 
モノラル録音とステレオ録音。どちらが優れている、ということはありません。
 
ソフトウェア音源でも、左右のパンが音作りに活きるようなシンセサイザーなどはステレオトラックで使われる場合が多いですし、生楽器なら左右の定位を活かす楽器(ドラムやピアノなど)であれば、通常ステレオで録音が行われます。
 
逆に低域を支える楽器(ベース、バスドラムなど)はモノラルで扱うケースが多く、ボーカルなんかも通常センターにモノラルで配置している場合がほとんどだと思います。
 
ですが、冒頭お話したような「雨の音」などはステレオ、モノラルどちらでも問題はなさそうです。アコースティックギターも曲によって変わってくると思います。実はどんな楽器でも、その音が「どのようなイメージ」で、「どういう目的」で曲の中で使われるかで、自由にモノラル/ステレオを決めていくことができます。
 
今回は実際にステレオペアマイクLCT 040 MATCH STEREOを使って、いろいろな素材をモノラルとステレオで録り比べてみました。レコーディングのイメージ作りや音のバリエーションとして、ぜひ参考にしてみてください!
 

マイクを2本使う場合の基本的なセッティング

 
サンプルを聞いて頂く前に、マイクを2本置く場合の一般的なセッティング例を解説します。
 

XYステレオ

xy01
 
マイクの集音部分が90度から120度に交差するように配置します。
 
左右の広がり感は強くはありませんが、音源から2本のマイクが等距離に置かれるため位相ずれなどが起きにくく、
自然なサウンドでレコーディングできます。
 xy02
 
 

ABステレオ

 
ab01
 
2本のマイクを離して配置します。
左右の広がり感が強く感じられるサウンドになります。セッティング位置によって位相ずれが発生する場合があるので、セッティングにはちょっとコツが必要です。
 
ab02
 
 
 

デュアル・モノ

dm
 
2本のマイクで全く別々のターゲットを狙い、モノラル2トラックとして録音します。
同じ楽器の中でニュアンスの違う箇所を狙ってミックスしたり、パート別に録音したりアイデア次第でいろいろな録音が可能です。
 

 

アコースティックギター

まずはアコースティックギターです。モノラルで録るとこんな感じです。今回は指板とホールのちょうど間を狙ってみました。
 
 
もう少し厳密に弦の音、ホール側の響きを調節したい場合には、デュアル・モノでセッティングすることも可能です。
 
1本は指板、もう1本はホール近辺を狙ってみます。
 
指板 モノラル
ホール近辺 モノラル
 
このふたつを自由にミックスして、自分の好みのサウンドが作れます。
 
 
 
一般的には以上の2つの方法がよく選択されますが、個人的におすすめなのがXYステレオでの録音です。
 
自然な左右の広がり感と音のバランスが得られるので、アコギがメインになるような場面などで使えると思います。
 

 

タンバリン

 
次にタンバリンの音をABステレオで録ってみます。
 
左右を移動するようなサウンドを、パンを使用せず実際に動かして録音してみました。
 
またタンバリンは距離によって録音される音が大きく異なり、ベストポジションをみつけるのが難しい楽器のひとつです。
解決策の一例として、タンバリンをデュアル・モノで録ってみます。
 
近距離にセッティング モノラル
 
遠距離にセッティング モノラル
 
距離によって高音の響きやアタック音の質感が大きく変わっています。これを程よいバランスでブレンドして自分の好みの音を作り込むことが可能です。
 
 
 
 

HAPI Drum

ちょっと変わった楽器で、HAPI Drumというものがあります。丸い金属製のボディにスリットが空いており手やマレットで叩いて音を出す楽器ですが、アタック音とその響きの両方が特徴的で、イメージ通りレコーディングするのは少し骨の折れる楽器でもあります。
 
今回はそのHAPI Drumに、LCT040 MATCH STEREOを試してみます。
 
まずは近距離、遠距離の2ヶ所にデュアルモノとしてセッティングしてみます。
 
近距離 モノラル
 
遠距離 モノラル
 
イメージに近いニュアンスを採用してもいいですし、タンバリンと同じようにミックスしてバランスを取ることも可能です。
 
次にXYで録ってみます。位置は50cmくらいです。
 
誇張しすぎない、自然な広がり感が出ていると思います。
 

ボーカル&ピアノ 

最後にボーカルとピアノのセッションを録音してみましょう。今回ボーカル役には、MIスタッフ カントクを召喚しました。
 
まず、ボーカルとピアノそれぞれにマイクを立てて録音してみます。
 
 
それぞれ分離感もよく、ミックスでバランスも調整できるので通常はこちらの方法になるかと思います。
 
もうひとつの方法として、例えば部屋でセッションしている感を出したい、という場合。思い切って部屋全体をXYで録音してみましょう。
 
 
敢えて一発取りの自然な雰囲気を出したい場合などには、こちらのほうが合うかもしれません。
 

 
いかがでしたでしょうか。モノラル録音だけでは得られない、ステレオならではの効果を確認いただけたかと思います。
 
今回使用した LCT 040 MATCH PAIR は小さい筐体で設置場所を選ばず、その場で思いついたアイデアをすぐに試してみることが可能です。ぜひ新たな音のバリエーションの選択肢として、ステレオ録音を取り入れてみてください。
 
 

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