使う人によって無限の遊び方がある製品をご紹介
2012.05.21
スタッフHです。
本日は、使う人によって無限の遊び方がある製品をひとつ。
ミックスを行っていく過程で、みなさま様々なプラグインやアウトボードを使われていることと思います。コンプやリミッター、EQ、リバーブ、ディレイ、歪み系、モジュレーション系、ときには「通すだけでいい感じになる系」とか「自動的にイイ事をしてくれる系」なんてものもあるかもしれません。
でもね、たまには「壊してみる系」はいかがですか?
EQやディストーション、あるいはビットクラッシャー系のエフェクトを使うことで格好いいラジオボイスや無機質な効果を出す事はできます。が、どうせ壊すならすんごい技術が(ひっそり)使われているもので壊すのはいかがでしょう。そんな製品を一つご紹介します。今はまだあまりポピュラーな製品ではありませんが、私・スタッフHは大好きな製品で、これこそが「The Plugin」だと思うMcDSPのFutzBox(ファッツボックス)です。
文字の説明よりも、ビデオの説明の方が面白いのではないかと思いましたので、ひとつビデオを作りました。5分と少々長めですが、「変わったもの好き」の方にはお楽しみ頂けると思います。
ビデオの前半は解説。後半はボーカルトラックにFutzboxをかけてみたものを並べています。
McDSPのスタッフってね、(いい意味で)音楽狂が多く、私は心から大好き。インパルス・レスポンスを用いるといえば多くの場合がリバーブなのに、彼らは全力をかけて変わったものを集めてこんなものを作り上げました。ボーカルだけではなく、ありとあらゆるソースに使って楽しいプラグインです。
通常のインパルス・レスポンスだと少々自由度が低い(どうしてもIRデータに左右される)のですが、Futzboxで用いられているSIMならば、通常のエフェクトプラグインと同様のサクサク感で使う事ができます。ちなみに負荷もかなりひくめ。
それぞれの「変わったもの」インパルスを読み込んだ後も、さらにディストーションやフィルター、ノイズ発生機やビットクラッシャーを用いる事もできます。ビデオでも使用している「有名すぎるおもちゃ」Speak & Spellのキャラクターを用いつつ、さらにノイズを混ぜたり、フィルター掛かったサウンドに仕上げる事もできるのです。
壊し系のエフェクトが大好きな方には同意していただけると思いますが、「ローファイ」という単語を1つ取っても、そこには数限りのないバリエーションがあります。ただ単にラジオから流れてくるような音がいいのか、そのラジオは新品のように比較的きれいな音がいいのか、それとも壊れ寸前のような音がいいのか。Speak & Spellのような有名なおもちゃから聞こえるような音を「自分の声で」作ったり、ブラウン管のテレビから聞こえるような音を曲の中のスパイスとして使ったり。使う人によって無限の「遊び方」がある製品です。