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Pro Tools 11 オフラインバウンスでラウドネス計測を試す

2013.07.10

こんにちは。スタッフSです。

Pro Tools 11より、待望のオフラインバウンスが可能になりました。
これまで実時間かかっていたバウンスが、オフラインプロセスによって非常に高速に行えるようになっています。
特に映像関連では1時間単位のセッションもザラだと思いますが、バウンスのトライアンドエラーだけで、実作業以上の時間がかかったりしますよね。

ラウドネス規定値に準拠したミックスを行う場合も同様でしょう。
これまでミックスを行う際、マスタートラックにVisLMをアサインし、メーターで確認しながらミックスを行われていたかと思います。

ミックスを仕上げた際、これまでは実時間をかけてバウンスし、再度メーターでラウドネスのチェックを行うのが一般的でしょうか。
バウンス後のファイルであれば、AudioSuiteからVisLMまたはLM-Correctをアサインして実時間以下のオフラインで計測は可能ではありますが、もし規定値を外れると再度ミックスのし直し、実時間の再バウンスとなっていました。
長尺のプロジェクトとなると、ほぼバウンスのために時間を消費してしまうワークフローとなり、非常に非効率的な作業でした。

今回のPro Tools 11で搭載されたオフラインバウンスは、これらの不満をも解消します。バウンス時間が数倍~数十倍の早さで行えるようになり、時間を効率的に使えるようになりました。

このオフラインバウンスを実現したのが、Pro Tools 11および、これまでのTDM、RTASに代わる新たなフォーマットであるAAXです。
AAXは32bit/64bitがそれぞれあり、Pro Tools 10では32bit、Pro Tools 11では64bit AAX対応である必要があります。

Nugen Audioのラウドネス関連プラグインであるVisLMLM-CorrectISLはいち早く64bit AAXに対応しました。

ここでは簡単にPro Tools 11上でのバウンス過程を紹介しましょう。サンプルは26トラック程度の音楽プロジェクトです。

20150224_3586_vis01-425x323

 

マスタートラックにISL、VisLMの順でアサインします。
ISLはTruePeakリミッターで、ラウドネス計測でエラーとなってしまうTPクリップを防止するため、事前にアサインしています。
ミックス時にTruePeakを超えた場合、このリミッターで抑える事でエラーを防止します。

20150224_3586_vis02-425x396

続いて最終段でVisLMをアサインし、このメーターを確認しながらミックスを行います。

ラウドネスの特性上、最初から最後までを再生しないといけないのですが、ミックスした状態が適正な値かを確認するために、通常は実時間かけて最初から再生する必要がありますよね?

20150224_3586_vis03

この確認プロセスで、オフラインバウンスを使用します。
Pro Toolsのバウンスメニューより”オフライン”にチェックを入れてバウンスすることで、バウンスした結果のラウドネス値がVisLMで計測できます。

バウンス前にVisLMの画面を前面に表示させるのをお忘れなく。

20150224_3586_vis043-425x343

 

バウンスが終了すると、VisLMの画面に計測した結果の数値が表示されます。
もし計測結果に問題があれば、またミックスを修正して、再度バウンスしながら計測を行います。
VisLMにはヒストリー・グラフがあり、修正が必要な部分を推測するのも簡単です。

20150224_3586_vis05-425x280

 

いかがでしょう。
これまでのワークフローから比べると、相当な時間の短縮になるのではないでしょうか?
これまでステレオや5.1chにミックスされたデータであればLMBやLM-Correctなどで修正することが出来ましたが、マルチトラックをミックスしながら合わせる方法だと、実時間をかけてのプロセスが発生していたと思います。

バウンス時にまとめて計測することで、より短時間に作業が行えるようになると思います。
すでにVisLM-Hをお持ちのユーザー様は、無償でこの64bit AAX対応のバージョンにアップデート可能です。是非お試し下さい。

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