2021.04.07
ステレオフィールドを効果的に使いミックスができていますか?空間を作り、ステレオの幅をコントロールし、トラックからより多くのエモーショナルなインパクトを得るために、ステレオイメージングのヒントを学びましょう。 "ミキシングの伝説的存在であるChris Lord-Algeは、「2つのスピーカーがあるんだから、ステレオイメージをもっと広げよう!私の作品は最大にパンされていて、ボーカル、キック、スネア以外は真ん中に何もないような状態だよ。」と言っています。
あなたも自分のミックスのステレオイメージをもっと広くミックスできればと思っているはず。ミキシングエンジニアの誰もが憧れる目標です。この記事では、ステレオの広がりを改善するための12のヒントを見ていきましょう。 今回も記事にボリュームがあるので、前編・後編と2部に分けてお送りいたします。
ビートルズもやっていましたね。ステレオバージョンに取り組む前にモノラルミックスを行う。EQ、コンプレッション、リバーブ、ディレイなどの伝統的なトリックを使って、それぞれの音を独立させ、ブレンドがちょうど良くなったところで、パンニングを開始しましょう。各要素を横に移動させると、それぞれの音がさらにクリアになることに驚くことでしょう。
確かにパンポットを使えば、ステレオ音場のどこにでもピンポイントで信号を配置することができます。しかし、考えてみてください。どれだけのリスナーが、あなたが慎重に作り上げたステレオイメージの微妙な部分を聞き分け、評価することができるでしょうか?3時方向のアコースティック12弦と、4時方向に配置されたハープシコードのサンプルを、果たして聴き分けることができるでしょうか?
特に、質の悪いイヤホンや、最悪の場合、スマートフォンやタブレットのモノラルスピーカーで聴いている場合は認知されないでしょう。だから、大胆に。パンニングしているサウンドを思い切ってパンニングしてみましょう。例えば、片側にリズムギター、もう片側にホーンのスタブというように、リズム的に相反する楽器をハードパンするのは、特に効果的です。2つの楽器が異なる周波数帯で演奏されている場合、結果はさらに劇的なものとなります。
特定の要素を分離するために音を少しだけ中心からずらすことは、多くの場合、意味がありません。実際、ステレオ音場の中点(センター付近)がすっきりしていると、左右の端がよりドラマチックに聞こえます。センターから少しずれた音を試してみるのは構いません。しかし、それがステレオセパレーションの問題を解決するわけではありません。
ディレイを使って信号をパンすることができます。実際に試してみてください。トラックを複製し、オリジナルを左に、複製を右に割り当てます。そして、片方を1ミリ秒単位でナッジしてみましょう。8ミリ秒くらいになると、音が遅れていない方に移動し始めるのがわかると思います。これは、30ミリ秒くらいまでしか効果がありません。それ以上になると、バラバラのエコーのように聞こえてしまいます。このようにして、音が動いたように脳が錯覚するような擬似的な反射を作り出すのです。その結果、単にパンをいじるよりもはるかに効果的なことがあるのです!(ちなみに、これはハース効果として知られています。
S1 Stereo Imagerのようなステレオイメージャーは、ステレオ信号を狭くしたり広くしたりすることができます。狭めるのは非常に簡単で、信号はエッジへの「広がり」が少なくなり、中央に寄ります。(これについては、#8で詳しく説明します)。
ワイド化では、信号がラウドスピーカーの向こう側にあるように見せることができます。慎重に使えば、これは素晴らしい効果になります。しかし、他のタイプの処理と同様に、やりすぎてしまうことが多々。信号を拡げすぎると、モノラルの互換性が失われたり(#11を参照)、音が不自然に空洞化したり、不鮮明になったりします。そのため、全体的なミックスではなく、個々のステレオ信号やステレオバスを中心に、控えめに適用することをお勧めします。(ただし、最後の手段として、下記の#12で説明するように、マスタリングにも使用することができます)。
多くのミキシングエンジニアは、ステレオイメージングプラグインを、ドラムのオーバーヘッドトラック、ギター、シンセ、ストリングスのバス、リバーブのリターンなどに使用しています(ミックス全体のサウンドを大きくするための素晴らしい方法です)。パンされたエレメント(つまり、センターに配置されていない信号)をすべて、ステレオイメージャーが挿入されたバスに送って、ワイド化してみてください。その結果は驚くべきものとなるでしょう。
S1 Stereo Imagerのユニークな機能として、「シャッフル」機能があります。これは、選択した低音域のみのステレオ幅を広げる機能です。この機能は、独立したBass Trimコントロールとともに、S1をドラムバスに適用した場合に特に効果的です。これにより、キットの他の部分に影響を与えることなく、低域部分の幅だけを調整することができます。 非常に便利な機能ですね。
いかがだったでしょうか。 ステレオイメージを広げ、あなたの作品をより表情豊かにするためのヒントが満載だったと思います。 ミックスの際はステレオイメージを意識して、学んだことをアウトプットしてみましょう。 さあ、早速デスクに向かって制作を始めましょう。
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