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牧野忠義のハイエンドプロセッサ攻略術 vol.4 : Elixir V3

2019.03.25

Introduction

FLUX::製品の紹介・実践の連載第4弾として「Elixir v3」を取り上げたいと思います。
同社製品の中でも知名度は高いこのリミッター・マキシマイザーですが他とは何が異なるのでしょうか?早速みていきます。


Over view

Flux::製品としては非常にシンプルなインターフェースになっていますね。
Alchemistの様な複雑さは無いトゥルーピークリミッターですが、そのシンプルな操作で得られる音質的なメリットが何なのか?興味深いところです。

Output、Inputのレベル調整によって、スレッショルドと合わせて全体の音量感やコンプ感を調整出来ます。

左側に「Diff」というスイッチがありますが、これはONにすると「スレッショルドを超えた音だけが聴こえる」という機能です。どの音がコンプかかっているのかというのが確認出来るので、問題があればそこに手を入れる事で回避出来ます。

例えば、2mixのドラム素材に対して使う時、突出したスネアが全体のコンプ感を出してしまっているのであればその音を調整すればポンピングを回避出来ます。


しかしそもそも、このElixirはどれだけスレッショルドを上げてもなぜかポンピングが起きない。
そして歪まない。

その秘密の一つは中央にある「Stage」というパラメーターにあります。

皆さん、「多段コンプ」はご存知かと思います。
複数のコンプレッサーをいくつも使うことでスレッショルドの掛りを分散させ、コンプ感(ポンピング)を感じさせない、という使い方です。

Elixirは「多段=Stage」として実装しており、1段から最大4段を設定する事が出来ます。

簡単にいうと、「スレッショルドを超えた信号を、多段コンプで分散させて音量感は損なわずにコンプ感を排除する」ということが出来ます。
これが先述の「どれだけスレッショルドを上げてもコンプ感が出ない」という事に繋がります。

他のメーカーでいうとMcDSP「SPC2000」などが挙げられますが段数ごとに細かく設定をしてあげないといけないのに対して、ElixirはStageを決めるだけ。あとは自動で分散してくれます。

この機能を踏まえて、音を聴いてみましょう。


BODY 実践編

今回はデモでよく使用しているオーケストラ曲を素材として使ってみます。
マキシマイザーは単体でマスターアウトに用いる事が多いので、ちゃんとした2mixの楽曲に対しての効きが最も重要と考えています。

プリセットは6種類ですが、ダイナミクス系はほとんど曲に合わせて設定するのでプリセット自体の少なさはデメリットにはなりません。

まずはstage=1の状態の動画をご覧ください。

通常のマキシマイザーと同様、入力された音に対して1つのコンプでダイナミクスを制御している状態になります。
注目して頂きたいのは3つのレベルメーターの中央、Comp.dbFSです。

stage=1だと頭のクレッシェンド部分で-3dbのコンプがかかっている事が分かります。
特に変なポンピング感もなく、綺麗に収まっている様に聴こえますね。
ゲーム音楽でここまで2mixをフルスケールで作る機会はほぼ無いのですが、一般のCDなどでは音圧を稼ぐ際に色々なプラグインを駆使する部分かと思います。
次に、stage=4に設定した状態で同じ楽曲を鳴らしてみましょう。

Stage=1の時と結果は同じなのに対し、クレッシェンド部分のコンプが-1db程度に収まっています。これがこのElixirの最大の特徴である、「極めて自然なコンプ感で音量を稼ぐ」事ができる要素だと感じました。

2dbの余裕が生まれるなら、更に音量を突っ込むこともできますし、現状で十分な音量であるならば、最高の仕上がりになっているという根拠になりますね。

Elixir

こちらの製品紹介にある通り、Elixlir3はITU-R.BS.1770 / EBU R128準拠のトゥルーピークリミッターとして位置づけられています。

「トゥルーピーク」とは、一般のサンプルピークメーターでフルスケール内に収まっている様に見えても実際に書き出したり変換圧縮をする過程でクリップしてしまう原因として、実はトゥルーピークが0dbを超えていた、という意味合いで使われます。

デジタル信号の場合は一瞬0.1db超えただけでも赤いランプが付きますがこのElixir3はトゥルーピークリミッターとして先ほどご紹介した「Stage」にいてオーバーサンプリング処理を行っているようです。オーバーサンプリング処理によって音割れを事前に予測し、より自然なリミッティングを行うことが出来ます。かなり突っ込んだ設定にしても不自然なポンピングや歪みが起きない理由はこういう部分にあるんですね。


Summary

いかがでしたでしょうか?
他社製品のマキシマイザーとは異なるアプローチのElixirですが手軽に音量をガンガン稼ぎたい人には良き相棒になると思います。

Flux::製品の中で最もシンプルで最高の結果を叩き出す事が出来るので、必要に応じてマスターの最終段に常にこれを使いたくなりました。

ちなみに、処理負荷は非常に軽いです。
オーケストラ楽曲など膨大なサンプルを扱う場合でも手軽に使えることは魅力の一つですね。

ぜひお試しください。
またお会いしましょう。


株式会社スピンソルファ 代表取締役・作曲家・プロデューサー 牧野 忠義

Profile

牧野忠義

株式会社スピンソルファ 代表取締役・作曲家・プロデューサー

株式会社カプコンにて「モンスターハンター」「ドラゴンズドグマ」等の作曲家・ミュージックディレクター・エンジニアを務める傍ら、 モンスターハンターオーケストラコンサート「狩猟音楽祭」等にギタリストとして出演。2016 年 にサウンド制作会社「スピンソルファ」を設立・代表取締役就任。
壮大なシネマティックサウンドを得意とし、モンスターハンター:ワールド メインテーマ「星に駆られて」やFINAL FANTASY XVのDLC「オンライン拡張パック:戦友」や「エピソード イグニス」などハイエンドゲームタイトルの楽曲制作、マルチチャンネルミキシングを担当している。
ゲーム音楽制作では仕様考案やミドルウェア実装も行なうなどトータルプランニングを可能とするスキルを持つ一方、2018年8月(株)エイリム「ブレフロ音楽祭」ではオペラシティーにてオーケストラとブズーキ演奏共演。TV番組やアニメ劇伴への楽曲提供など活動の舞台を広げている。
ホームページ:https://www.spinsolfa.com/
Twitter:https://twitter.com/TadayoshiMakino

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