2019.12.13
ミネアポリスのUSバンク・スタジアムで行われた今年のスーパーボウル・イベントでは、ATK Audiotekによって拡張型RedNetネットワークが配備され、ライブ音楽パフォーマンスが執り行われた。Pinkの『Star-Spangled Banner』やJustin Timberlakeのハーフタイムセットなどのために、フィールド型PAスピーカー、モニタースピーカー、ワイヤレスマイク、インイヤーモニターがリンクされた。
2018年3月16日、カリフォルニア州ロサンゼルスで行われたスーパーボウルのハーフタイムイベントは、毎年行われる文化的なベンチマーク的存在であり、2018年2月4日、ミネアポリスのUSバンク・スタジアムで行われたPepsi Super Bowl LII Halftime Showでは、グラミー賞に輝いたJustin Timberlakeが、大勢のシンガー、ダンサー、さらにミネソタ大学のマーチング・バンドと共に11曲から成るメドレーを歌い上げた。大規模なこのショーでは、Dante™ネットワークオーディオによるインフラストラクチャーを介してサウンドが構築され、FocusriteのDanteネットワークオーディオコンバーター/インターフェースのRedNetシリーズが使用された。Pinkによる『Star-Spangled Banner』のパフォーマンスをはじめ、午後の部を通して使用されたこのシステムは、スーパーボウルのライブサウンド・プロダクションの長年のプロバイダーであるATK Audiotekによって配備されることとなった。
ATK Audiotekによって今回で二年連続使用されることとなったこのシステムは、合計48台のRedNet製品から構成されており、前回のRedNetシステムよりも大規模なものとなった。というのも、今年のスーパーボウルでは、パフォーマンス現場でカートマウントされたフィールド型PAスピーカーやワイヤレスマイク、試合前の国歌斉唱などに使用されるウェッジ・モニタースピーカー、Timberlakeらステージ上のパフォーマーによって使用されるIEMモニターを含むライブサウンドシステム全体がネットワーク化されたからである。実に巨大なシステムであったが、RedNetのおかげでいともたやすく実現した。
「RedNetシステムの柔軟性は信じられないほどだったよ」と、ATKの担当エンジニアKirk Powellは言う。「実際にケーブルが張り巡らされている場所によって制限されることがなかったから、あらゆる信号を会場内のあらゆる場所に送ることができた。会場にネットワークのインフラを敷いたら、例えばどこかにマイクが必要になった場合にも、それをネットワークに接続するだけで、あとは全部RedNetがやってくれるからね」
Powellによれば、複雑なライブイベントでも、RedNetのおかげで他にも様々な恩恵を受けられたという。例えば、オーディオ信号全体を終始ほとんど完全に分離できることがその一つだ。「数多くのA-D/D-Aコンバーターをシステム内で使用する必要もなかったから、プロセス全体が非常にスムーズに運んだよ」。そして、より小さめの会場となった今回、ケーブル配線を最小限にすることができるRedNetが活躍した。「RedNetのおかげで必要な最低限のスペースを減らすことができた。小さめのスタジアムだっただけでなく、ワイヤレスマイクやモニターのように前回よりも多くの機材をシステムに追加する必要があったから、本当にこの点には助けられたよ」と加えた。「RedNetは複雑なプロジェクトをよりシンプルなものにしてくれる。スーパーボウルのように大きなイベントでのその価値は、莫大なものだよ」
ATK Audiotekによって第52回スーパーボウルで使用されたFocusrite製品: