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何やらスゴいと噂のDiGiGrid、何ができるようになる?(その1)

2015.04.15

続々とリリースされているDiGiGrid製品。コンピュータとの接続に従来のPCIやUSB、FireWireやThunderboltではなく、イーサネット端子を使用する製品として高い注目を集めており、私たちのカスタマーサポート部へのお問い合わせも日々増え続けています。

これまでやりたくてもできなかったことや、商用スタジオクラスの設備がなければできなかったことを一挙にかなえる事も可能になりますが、それゆえ「どういう仕組みなのかよくわからない」「自分の環境でどういう生かし方ができるのか、イメージできない」というお話を頂くこともあります。

そこで、弊社カスタマーサポート部のセクション・リーダーであるスタッフSに、私スタッフHがユーザーやディーラーから頂戴した質問をぶつけるという形で、DiGiGirid製品のご紹介をしてみようと思います。


 

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スタッフH:スタッフSさん、カスタマーサポート宛へDiGiGridの問い合わせが増えてきたように思うのですが、実際お客様からのお問い合わせを受ける立場として、いかがですか?

スタッフS:DiGiGridから最初にリリースされたライブレコーディング用のMGOMGB(MADI to SoundGridインターフェイス)がリリースされた昨年は1日に数件あるかないか、という程度でしたが、Pro Tools HD環境で使用するDLSDLI(DigiLinkポートを備えたDiGiGridインターフェイス)がリリースされた2014年末から徐々に増え始めて、さらにNative DAW用といえるIOSがリリースされてからは一挙にお問い合わせの量が増えました。さらに2015年3月より、WAVESが従来のNativeライセンスとSoundGridライセンスを統合するというニュースを発表してからはより問い合わせの量も増えています。

スタッフH:私は営業部なのでディーラーからの問い合わせが中心となりますが、こちらもまた一気に増えた印象がありますね。でも、私が受ける問い合わせの多くが「なんだか凄そうだ、という事は分かるんだけど、具体的に何ができるの?」という質問が多いです。

スタッフS:そうですね。ただ単にWAVESプラグインがコンピュータ外部で処理できるようになっただけ、というわけでもないし、イーサネット接続でI/O拡張ができるだけでもない。ユーザーによって様々な使い方があると思うので、一概に「これです」とは言えませんね。

スタッフH:そこで、今一度DiGiGridで何ができるようになるのか、どういう驚きをユーザーのみなさまに提供できるのか、順を追ってスタッフSさんに解説をお願いしたいと思ったのです。私自身も1ユーザーになったつもりで質問をしますね。

これまでと異なる接続方式

スタッフH:多くのユーザーの方、あるいは私自身もそうですが、これまでオーディオインターフェイスを接続する方式は、PCIやUSB、FireWire、最近になってThunderboltが登場してきましたが、このいずれかを使用しているケースがほとんどだと思います。今回ピックアップしているDiGiGridはイーサネット端子を使用していますね。イーサネットを使用することのメリットはどこにあるのでしょう?

スタッフS:いま挙げていた接続端子のうち、いくつかはすでに「レガシー」になってしまったものもありますね。例えばFireWireなどは一世を風靡した時代こそあったものの、事実上最新のコンピュータでは廃止になってしまっています。PCIに関しては様々な仕様が混在しており、Thunderboltなどは技術的な中身としてはPCIeですが、オーディオI/Oを接続するという事を考えると別物と言った方がいいでしょう。

しかし、イーサネットポートに関してはほとんどのコンピュータに搭載されていたり、あるいは物理的な端子がなくても、OSレベルではほぼどんなコンピュータでもサポートされていると言っていいと思います。

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スタッフH:私が今もっているMacBook Airなら、Thunderboltに変換アダプタを使用することですぐにイーサネットポートとして使用できますね。

スタッフS:そうですね。さらに現行のイーサネットポートの最大値としてはギガビットですが、このバス速度をさらに上げた仕様もすでに策定されています。ネットワークのプロトコルはこれからも技術向上が見込めるだけでなく、「レガシー」になる事は考えにくいと言えますね。コンピュータである以上、ネットワークは切り離して考えられないものですから。

スタッフH:幾度となくコンピュータを買い替えてきましたが、その度に「マシンは新調したいけど、そうすると今まで使っていたI/Oが使えなくなる」という悩みもつきものでした。そういった問題は起こりにくいということですね。

スタッフS:さらにいえば、トータルのコストとして「安価にできる」という事も特徴だと思いますね。例えばThunderboltケーブルは2mで4,500円。なかなか高価です。対してDiGiGrid製品で使用するイーサネットケーブルは、cat5eまたはcat6のものを使用しますが、数百円程度で入手できます。人によっては自作する方もいらっしゃいますね。

スタッフH:DiGiGridセミナーでお世話になっているOM Factoryの大島さんの言葉を借りれば「Thunderboltケーブルはそんじょそこらの電気屋には絶対に売っていない。万が一現場で断線してしまったらApple Storeまで走らなくてはいけない。でもイーサネットケーブルなら、下手をすると100円ショップで売っている事もあるくらいだ」だそうです。長さもある程度自由に選べることも魅力ですね。

転送速度は?

スタッフH:これは最もよく受ける質問です。今までイーサネットでリアルタイムのオーディオ送受信を経験したことがないため、実際のところどれくらいのスピードなのかイメージできないのですが、分かりやすい表現はありますか?

スタッフS:理論値の数字でいえば、FireWire400が400Mbps、USB2.0が480Mbps、FireWire800が800Mbpsですね。そして、ギガビットはその上となる1000Mbpsです。ですから、単純に言えばUSB2.0やFireWire400の約2倍ということになりますね。

スタッフH:理論値の数字としてはそうですね。しかしUSBであれFireWireであっても、理論値そのものは参考程度にしかならず、実測値はそれよりもだいぶ下です。イーサネットの場合はどうなのですか?

スタッフS:このような言い方には多少の語弊もあるかもしれませんが、ネットワークポートはシンプルにデータの転送のみが実行される仕様になっているため、様々なドライバやデータが入り混じったUSBなどと比較すると、処理の優先度やスピードに有利な面があるように感じますね。このためイーサネットポートの場合、他と比べると理論値に近い実測値が出やすいのではないでしょうか。

スタッフH:マルチチャンネルのオーディオ送受信には問題のない帯域が確保されているうえ、安定度も高いということかもしれませんね。

スタッフS:さらにDiGiGridの場合…のちほど詳しいところも説明しますが…複数台のI/Oやコンピュータを接続できるわけですね。他のプロトコルのように「マシンとI/Oが1:1の関係」ではないわけです。より複雑なシステム構成になってもなお安定した帯域を確保できるという意味では、ギガビットイーサネットの優位点がより際立つと思います。

より手が届きやすいラインにきたDiGiGrid

スタッフS:反対にサポートから営業に聞きたいこととして、イーサネット接続をするオーディオI/Oは、数こそ多くないものの少しずつ各ブランドから発売されてきていますね。その中でDiGiGridの優位点というか、ディーラーの方におすすめしているポイントはありますか?

スタッフH:優位点という意味では、各社からリリースされている製品も非常に素晴らしいものが多いと思っています。ただ、これまでの製品はどちらかといえば、大規模な業務スタジオ向けであったり、一度設置したら数年間は固定されっぱなしのようなプロダクトが多いかな、と思いますね。

そういう意味でDiGiGridは、業務スタジオや大規模なライブ設営向けのプロダクトもあり、IOSやIOXなどのプロシューマー、コンシューマー向けの製品も揃っています。これらの製品を互いに繋ぎたいというシーンがあったとしても、接続はイーサネットケーブル1本です。私自身も週末は自宅で楽器を弾いたり録音したりと楽しんでいますが、そういう小規模なところから大規模なスタジオまでの製品群がシームレスに揃っているという点で、DiGiGridはユーザーの方にワクワクして頂ける製品ではないかなと思いますね。

スタッフS:イギリスでは国営放送クラスの現場で使用されているコンソールを開発するDiGiCoと、世界最大のプラグインソフトウェアを開発するWAVES。ハードとソフトそれぞれのエキスパートが共同で開発しているからこそ、幅広い層に対応できる製品ができあがるのでしょうね。


 

次回は多くの方が気になっているであろう、プラグイン処理機能の部分、プラグインサーバーとしてのDiGiGridハードウェアを絡め、具体的な使用シーンを交えてご紹介いたします。

 


 

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