2016.10.01
Wavesブースでは次期バージョンのLV1をはじめとする、自社およびサードパーティのSoundGridネットワーク関連製品、ハードウェア・ヘッドトラッカーもリリースされたWaves nxなどと並んで、今秋リリース予定の新製品が展示されていました。
アビーロード・スタジオ常設のヴァイナル・カッティングマシンおよびそのマスタリング機材を精密にモデリングし、様々なアナログ・レコードによる暖かな特性を生み出すプラグイン。
アセテート盤からプリントマスター、ターンテーブルの種類、さらにはカートリッジの違いによる変化まで再現するという徹底ぶり。しかもカッティングマシン手前に使われているマスタリングコンソールはあのTG12345とのことですから、贅沢極まりないですね。
もちろん単なる質感調整としてだけでなく、各過程で発生する位相歪みやノイズ、ワウ、フラッターまであえて幅広くパラメーターの変化を残しており、同じAbbey Road CollectionシリーズのJ37やReelADTのような、ラディカルでクリエイティブなサウンドへ変化させることもできそうです。
なにやら聞きなれない名前ですが、おもにライブステージにおけるマイクへの使用を念頭に設計されたエキスパンダー・プラグイン。演奏時以外のフィードバックやバックグラウンドのノイズを適切に検知、減衰させ、パフォーマンスでよりラウドで明瞭なゲインを得ることができるという優れものです。
中央の大きなベーシックなスレッショルドとレンジを設定すると、あとはオートマティックにフィードバックやバックグラウンド・ノイズを正確に検出、減衰してくれるエクスパンダー・プラグインです。しかもボーカルはもちろん、ギター、キーボード、ストリングスほか音階を演奏する楽器にも最適化されているため、一般的なゲート/エキスパンダーに較べて格段にフレキシブルな減衰が可能とのこと。
すこし前にリリースされたX-FDBKもそうでしたが、最近のライブ向けWavesプラグインは、非常に現場志向のスピーディかつ効果の高いオペレーションが可能な製品が増えていますね!
こちらは、そのインターフェースからご存知の方もいるかもしれません。ケイティ・ペリー、アデル、ワン・リパブリックとヒットメーカーのプロデュースで知られ、エンジニア/コンポーザーでもあるグレッグ・ウェルズ氏と共同開発されたArtist Signatureシリーズの新作です。ふくよかで音楽的なプレゼンスと太さを加えてくれるハーモニック・エンハンサー・プラグイン。
グレッグ氏いわく、自身のスタジオにある真空管コンプレッサーやテープマシン、カスタムの真空管コンソールなどの持つ独特の豊かなハイエンドを再現するために作った、とのこと。
たったひとつのノブで高域だけでなく様々な深みと、ノブの位置で異なる変化がサウンドに加わる、エンハンサーという名前を超える仕上がりになっていました。先行している他のGreg Wells Signature Seriesプラグイン同様、背後ではとても複雑なプロセスが働いているのが分かる出色のプロセッサ、正式リリースが楽しみですね。