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SO-SO Loves Focal Alpha EVO

2022.12.15

2019年、ポーランドで開催されたビートボックスの世界大会で若干20歳にしてTOP4入賞を果たし、2021年には同大会で世界1位にまで上り詰めたヒューマンビートボクサー、SO-SO氏。ヒューマンビットボックスの技術のみならず、コンポーザー、ミックスエンジニアをはじめ自身の作品をトータルプロデュースするなど、活動の幅は広い。

そんなSO-SO氏が現在のプライベートスタジオに選んだモニタースピーカーは、フランスFocal ProfessionalのALPHA 65 EVOとサブウーファーのSUB ONEだ。それまで幾多ものモニタースピーカーを導入してきたというSO-SO氏だが、現在が「一番音に惹き込まれる環境」だと話す。

ビートボクサーとして、エンジニアとして、またはリスナーとしてどういった視点でALPHA EVOにたどり着いたのか。また、作品作りにはどのような影響があったかを伺った。

SO-SO氏のプライベートスタジオデスク。ZaorのスピーカースタンドにFocal ALPHA 65 EVO、足元にはSUB ONEが設置されている。
デスク左手にはオーディオインターフェイスのApogee Symphony Desktopも。


「低域の量」ではなく「低域の質」

MI

SO-SOさんはALPHA EVOシリーズが発売したタイミングですぐにALPHA 65 EVOを導入してくださったとのことでしたね。ALPHA EVOを導入される以前はどういったものをお使いになっていたのですか?

SO-SOさん(以下敬称略)

ALPHA EVOが僕としては3台目のモニターです。最初は国内メーカーのエントリーモデル、次にヨーロッパのメーカーのモデルを使ってきましたが、最初に使っていたものはローエンドが弱い(確認がしづらい)なと思って、次にローエンドの再現性で評判のものを買って、これはこれで満足して2年ほど使っていたんです。

MI

その後に6.5インチのALPHA 65 EVOを導入されたとのことですね。どういった経緯で導入に至ったのでしょう?

SO-SO

実はFocalとの最初の出会いはヘッドフォンで、以前からListen Proを使っていたんです。新しいALPHA EVOシリーズというスピーカーが発売になるということで試聴してみたら、もうめっちゃ好みの音で。すぐに導入することを決めちゃいました。特にローエンドの音の良さに感動してしまいました。

MI

1台目から2台目へのモニターアップグレードをされたときも低域重視で選ばれたとのことですが、それを上回る体験だったということでしょうか?

SO-SO

そうですね。今思えば以前のモニターは単に「低域の量」に満足していたなと思います。ALPHA EVOを聞いたときは「低域の質」に感動しました。全体的に解像度の高いスピーカーと思いますが、特にローエンドがこんなに高い解像度で再生してくれるのは素晴らしい。とにかく音が見やすくなりました。

MI

どういった作業をしているときに解像度の高さを感じられますか?

SO-SO

僕の作品ではパンチ感もすごく重要な要素なので、ローエンドはもちろんですがシンバルなどの高域にある音を「耳に刺さる一歩手前」くらいまでギリギリ詰め込むように作っているんですね。このギリギリの判断が今まではすごく難しかったのですが、ALPHA EVOにしてからはこのジャッジメントが格段にやりやすくなりました。どこまで攻めていいのか、どこからはやりすぎなのか、すぐに分かります。

MI

ということは、自宅で作っていたものを外のスタジオや別の環境で聞いたときの違和感なども減ったということでしょうか?

SO-SO

はい、減りましたね。もちろん、ALPHA EVOシリーズよりももっと高価格帯のスピーカーでもっと解像度が高いスピーカーもあることは分かっていますが、この価格帯(ALPHA 65 EVOは1本57,200円)でこの音はやばいなって。しっかりエージングしてみたら、間違いのない基準の音を自分に持てるようになったんですよね。僕の耳的に「このスピーカーをフラットとして考えると、どこへ持って行っても大丈夫」という指針になってくれています。


40Hz以下がちゃんと確認できる環境はとても大事

MI

ALPHA EVOシリーズは、2022年の秋に新しく最も口径の大きいモデル、8インチのALPHA 80 EVOもラインナップに追加されました。実はSO-SOさんはこちらへの乗り換えを検討されていたとか。

SO-SO

そうなんです。8インチということで低域もさらに低いところまで確認できるなと思っていて、乗り換えようかどうしようかと考えていたら、ALPHA 80 EVOと一緒にサブウーファーのSUB ONEが発売になったと聞いて。お世話になっている楽器店の方へ相談をしてみたら、「80への乗り換えよりもサブウーファーの追加の方がいいんじゃないか」と。これもまた試聴してみたら一発で導入を決めてしまいました。

MI

この組み合わせですと、ローエンドは32Hzまで特性が伸びます。

SO-SO

ものすごく理想的ですよね。僕の音楽的にも、40Hz以下がちゃんとチェックできる環境はとても大事で。更にクリアな判断ができるようになりました。僕自身がリファレンスにしている楽曲などを聞いてみると、そのローエンドの入れ方、質感、量感、リリースなど全然違うし、海外のフェスなどにも出演してみると、やっぱり肌で感じる音がそもそも違ってて、とんでもない(良い)音なんですよ。

SUB ONEがあることで「ローエンドにはこれくらい音を入れて良いんだな」「こんな入れ方をしてるんだな」ということも確認できるし、そういった目指すべきリファレンスに迫る音作りができるなという確信も持てます。

MI

SO-SOさんはヒューマンビートボックス、つまり声とマイクで全ての音を出されていますよね。マイクの「吹かれ」を使った音などはものすごいローエンドを含む音なのではないでしょうか?

SO-SO

そうなんです!実はマイクの吹かれを利用した技もあるんです。舌で息の流れを切ってリリースをコントロールすることもあるし、マイクの持ち方などでマイクそのものに入る音を制限してやる方法もあって、特にキックの音を作るときにはこういったテクニックが欠かせません。

MI

本来「吹かれ」の音は「ノイズ」としてエラー扱いになってしまうところ、ヒューマンビートボックスでは音のバリエーションの1つでもあるということですね。

SO-SO

だからこそ、サブウーファーのある環境でしっかりとした音になっていることが確認できるのは大事で、単なるノイズなのか、ビートボックスならではの表現なのかのジャッジメントができるんです。こういう環境で常に音を聴くことができるので、引いては楽曲全体のレベルも上がるんじゃないのかなと思っていますね。

MI

この環境があることで、SO-SOさんの作品作りに良い影響はありそうでしょうか?

SO-SO

そうですね。目指しているところは今までもこれからも変わらないのですが、目指している音により近づけられるという確信はありますね。


今までで一番「音に惹き込まれる環境」

MI

リファレンスとなる楽曲のチェックにもいい、というお話しがありましたが、普段のリスニングでもALPHA EVOとSUB ONE環境で聞かれているということでしょうか?

SO-SO

そうですね。参考にしたい曲も聞くし、最近は映画のサウンドトラックとかもよく聞きます。その時にもリバーブの広がり方とか量なども以前より確認しやすくなりましたし、あとはギターとボーカルだけのシンプルな弾き語りの作品もよく聞きます。作った方の意図がそのまま聞こえる気がして、目の前で演奏をしてるかのようなリアルさも感じます。制作者の意図が感じられる環境でリスニングできるというのもいいですね。

以前はどこか音にのめり込めないという感覚があったのに、ALPHA EVOにしてからはなんかこう、前のめりになって音を聞きたくなる感覚があります。作っているときには気分もいいし、解像度の高さからミックスのときも頼りになる。今までで一番「音に惹き込まれる環境」って感じがします。

この環境になってからはまだ1、2曲くらいしか作っていませんが、それだけでももう手応えを感じているところです。だから、これから作るものが楽しみで仕方ないですね。


ビートボクサー兼音楽プロデューサー

SO-SO

リリースしている楽曲は全てビートボックスサウンドのみで制作されており、ループステーションやボーカルエフェクターを使って自身の口から発せられる音を多重録音し、リアルタイムで音楽を構築していくパフォーマンスが武器である。先日ポーランドで行われた世界大会「Grand Beatbox Battle2021」では世界でも史上初の5部門中4部門出場、日本人で初めてとなる世界チャンピオンの称号を「TAG LOOP部門」にて獲得。またSO-SOのキャッチーなキャラクターと楽曲が反響を呼び、様々なメディアやライブに出演している。

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