2019.05.15
「中で働くスタッフが買うXX」といえば、不思議と一定の信頼があるものです。「不動産屋さんが選ぶ賃貸物件」「アパレルショップの店員さんが自分用に買う服」「コスメショップの店員さんが自分でも使っている化粧品」...
こういう観点で私たちの製品を見たとき、同様に「スタッフが自分で購入している率」の高い製品が、オーストリアLewitt社のマイク、LCT240Proです。ブラックとホワイトの2カラーありますが、人気はちょうど半々といったところでしょうか。
私たちメディア・インテグレーションスタッフの数少ない特権として「デモ機が空いていれば週末に借りて使うことも可能」なのですが、それでもLCT240Proはスタッフの購入率がもっとも高い。それは、19,800円というお求め安い価格であることも理由の1つですが、それだけにとどまらないようです。
かくいう私も購入してしまったスタッフの1人。当初は借りるだけでいいやと思っていたのですが、ボーカル、アコースティックギター、ギターアンプ、ベースアンプ、ドラム、パーカッション、何に使っても満足度が高かったから。これほどマルチに使えるものは、今まで見当たりませんでした。私自身、多くの方と同様に多くのお金を音楽機材に投じてきた(当社スタッフは、そんなのばかり)身で、マイクもいくつか持っています。そこそこのお金がかかったものもありました。でも今、もっとも「出番の多いマイク」は、このLCT240Proです。
数多くの楽曲を手がけ、近年では「耳に残る」CM楽曲を数多く手がけられている作曲家の吉田ゐさおさんもLCT240Proを愛用してくださっている一人ですが、LCT240Proについてこう語られています。
ヴィンテージマイクを買いあさった時期もあったけど、すっかりその熱も冷め。今出番が多いのはLewitt LCT240PROなんだけど、隣のマイクNEUMANN U87との値段の差は軽く10分の1みたいな。
試しに並べてあさかのセロを録ってみたけど、遜色ないのよ、これが。むしろLewittのほうが良かったかも。でもそれを言うのってなかなか勇気の要ることで。なんかさ、そうゆう教育受けちゃったというか、そうゆうもんだっていうチップ埋め込まれちゃった俺らにはさ、楽器とか高いヤツはもの凄い高いから、それ相応のマイクで録らないと失礼、みたいなところがある訳ですよ。純米大吟醸で合わせなきゃ魚に失礼、みたいな(抜粋)
多くの場合、機材の価格と品質が比例関係にあるのは事実でしょう。しかし、大事なことはそのマイクで「何を録るか」であって、よいマイクを使ったからヒットレコードになるわけではありません(もちろん、目的や目標の音があって、それに高価なマイクを使うことを否定するものではありません)
先の吉田ゐさおさんのブログでは「大きさとか値段とか関係なく、そっちの方が良いって。マイクもそう言う時代に来ているのかもしれないね」と締められています。
実際のコンポーネントの部分からLCT240PROを少し解剖してみましょう。LCT240PROが搭載しているダイアフラム(振動板)は、2/3インチのもの。一般的なラージダイアフラム(1インチ程度)よりも小さなものを搭載しています。
ラージダイアフラム = 優れているということではなく、録音したいソースに合わせて適材適所であることは言うまでもありませんが、2/3インチの恩恵として耐圧も高く、ダイナミックレンジ、周波数レンジともにラージサイズよりも優れた特性を目指したマイクであるとも言えます。ドラムやギターアンプなどの音圧が高いソースにも使え、ニュアンスを逃しません。
この特徴について、エンジニア/プロデューサーの飛澤正人さんはこのように語っています。
一言『ものすごくレスポンスが良い』。中域の情感がしっかり録れるため、安いマイクという感覚を与えません。最初にマイクを立てた際、ヘッドフォンで聴いた時『うわ、すごい抜けが良い』と思うくらいで、後で値段を聞いてビックリしました(抜粋)
デモの質をあげるべく1~2万のコンデンサーマイクで使える物を探していた矢先にLEWITT(ルウィット)から新製品が出たので早速GETしました。その解像度にびっくり!桁が一個以上違うマイクの様な距離感で録れます。これはベースにもイケると思ってLIVEに導入してみました。大音量にもしっかり対応してくれました。マイク持ち込みはエンジニアさんに煙たがられる事もたまにあるのですが(笑)これはとても評判良かったです。ヴォーカルデモ録り用に導入したマイクですが、ベースに使いまくってる私です。(抜粋)
他にもLCT240PROへのレビューは数多くあります。
合計20名もの方からいただいたレビューはまとめページからご覧いただければと思いますが、
といった評価が並びます。
Lewitt LCT 240 PRO ユーザーレビュー 公開!
実際の音サンプルについても、確認してみましょう。
「HUGっと!プリキュア/OP」「キラキラ☆プリキュアアラモード/ED」「THE IDOLM@STER MILLION LIVE!」「おしりたんてい/OP」など数多くのアニメーション作品でヒット曲を生み出している制作集団、Nostalgic Orchestraさんによる、アコースティックギターとボーカルの収録サンプル&レビュー。こちらはマイキングのテクニックも参考になります。
Lewittマイクを使った、ポップスのためのアコースティックギター録音Tips
さて、タイトルに掲げた「安価なコンデンサーマイクは、安っぽい音がするか?」という設問に対して、LCT240PROに関しては「そうではない」という答えが導き出せたように思います。最初の1本という意味でも、また複数のマイクをすでにお持ちの方へ追加の1本という意味でもおすすめ。こういった便利なマイク、1本は持っておきたいですね。
LCT 240 PRO