2016.12.04
スタッフHです。
国内発売とともに一気にハードウェアモデリングアンプのトップへと躍り出た究極のギター/ベースヘッドアンプ、Positive GridのBIAS Headシリーズ。シリーズには大きくわけて4種類の製品ラインナップが揃っています。
いずれもツマミの数やサウンドは全く同じ、ヘッド型かラック型かの違いと、パワーアンプの有無で計4種のラインナップです。
ハードウェア版のBIASの元となっているのは、iOS(iPhone/iPad)やコンピュータ(Mac/Win)で展開されてきたBIAS Amp。一般的なアンプシミュレータとは異なった視点を持っており「アンプそのものを好みのパーツや回路構成で"作ってしまおう"」という、究極のカスタマイズ・アンプ・モデリングソフトとして生まれました。
「単なるパーツの組み換えだけ」ではなく、各パーツにおける動きに至るまでもカスタマイズすることが可能なのです。プリアンプ部、トーンスタック、パワーアンプ、電源トランス、キャビネットの鳴り、そしてハードの個体差に至るまで、カスタムできてしまいます。
言い換えれば、世界中のあらゆる名ギターアンプを作り出すことも可能。それらをさらに自分好みにカスタムすることも可能、それがソフトウェア版のBIAS Ampでした。
ソフト版BIAS Ampは登場とともに高い評価をいただき、ギタリスト、ベーシストのみならず、クリエイターやエンジニアなど多くの方に導入を頂きました。エレクトリック・ギターベースとは切っても切り離せない存在である、ギターアンプ。ピッキングのニュアンスが人によって千差万別であるように、アンプも奏者によって差や好みがあり、多くの方がそれを求めているということを実感した出来事でもありました。
高評価を頂いたBIAS Ampがいよいよハードウェアに。ソフトウェアにつきまとうレイテンシーやバッファーサイズなどを気にする必要もなく、ギターやベースをインプットに接続するだけで準備は完了です。愛用のエフェクトペダルがあるなら、いつもと同じようにアンプの前に接続も問題ありません。
ライブやリハーサルの機会が多い方なら、パワーアンプ入りのモデルがいいでしょう。600W(@16Ω)、300W(@8 Ω)のパワーアンプを搭載しているので、現場にあるキャビネットに直接接続して「カスタマイズアンプ」を持ち歩くことができます。
レコーディングがメインの方なら、パワーアンプなしのモデルでも十分かもしれません。バランスアウト、アンバランスアウトの両方を装備しているため、現場の環境に合わせた出力も可能です。BIASはキャビネット・エミュレーション(IRデータのロードにも対応)も搭載しているので、好みのキャビネットで鳴らした音をダイナミックマイク、コンデンサーマイクで収録した音をラインアウトから鳴らすこともできます。
BIASのハードウェアシリーズには、一切のエフェクトを搭載していません。これは、アンプそのもののモデリングに集中していることのあらわれでもあります。
もちろん、お気に入りのエフェクターを使用することは可能です。コンプやリミッター、ブースター、オーバードライブ系、ピッチ系のエフェクターはBIASの前に。それらのエフェクトを含むその他のペダルはBIAS本体背面のSEND-RETUENに。しかし固定概念にとらわれず、豊富な入出力を使って独自の接続を試してみてください。
この質問は、おそらく私を含めた営業部のスタッフが「聞き飽きるほど」言われたセリフかもしれません。BIASハードウェアシリーズのフロントパネルには、近年のハードウェアによくある「ディスプレイ」の類が全くないのですから、そう推測したくなる気持ちもわかります。
BIASハードウェアシリーズには、いずれも25個の異なるアンプがプリインストールされており、クリーンはJC系、Marshallクリーンチャンネル、Matchless、Hiwattなど。クランチならOrange、Marshallドライブチャンネル、Fenderなど。メタル系なら5150、Mesa/Boogie(レクチ、マーク)、Soldanoなどがすでにスタンバイ済み。
ギターをフロントインプットに入れて、電源をオンするだけ。本体だけでもBIASソフトウェアらしい、プリアンプ真空管のステージ(段)数を変える、回路構成を変える(プッシュプル、シングル、スプリットロード等)、プリアンプだけでなくパワー管でパワフルな歪みを得るなど、一通りのアンプサウンドメイクが可能です。
iOS版、あるいはデスクトップ版のBIAS Ampは、それぞれ単体のアンプモデリングソフトウェアです。オーディオIOを用意すれば、これらも音作りや演奏が可能な製品。
しかしBIASハードウェアと一緒に使用すると、ソフトウェアのBIASがハードウェアのコントローラ/エディターに自動的に切り替わります。よりディープなアンプのカスタマイズ、デザインを行いたいときにはソフトウェア版を併用しましょう。