BIASとは何なのか?ただのギターアンプ・プラグインではありません。
真空管やトランスまで調整できるプラグインで、完全オリジナルのギターアンプが作れます。
2015.05.20
スタッフSです。
初のギターアンプ・プラグインがリリースされてからすでに15年以上が経過し、現在では様々なブランドから、いろいろなコンセプトのプラグインが販売されています。
多くが実際に存在するアンプをモデリングしており、それらを使ったプリセットをたくさん収録。その数やリアルさなどが製品の評価にも繋がっていますね。
現在では実機を入手するにはあまりにも高額なものや、もはや博物館にあってもおかしくないレベルのもの、メンテナンス/レストアにも多大な労力、費用がかかってしまう音が、安価で手軽にある程度まで再現できるのはソフトウェアならではかと思います。
それでも、中にはエフェクターを自作したり、市販のアンプやエフェクトをカスタマイズしたり、ピックアップのコイルを巻き直したり、自分の音に並々ならぬこだわりを持っているのもギタリストという種族の特徴でしょう(他ならぬ、私がそうです)。
プラグインの再現度は高いけど、もう少し歪みが欲しい、トーンコントロールの効きを良くしたい、もっとパワー感が欲しい、というカスタマイズマニアにも納得のいくアンプ・プラグインがBIASです。
BIASって何なの?普通のアンプ・プラグインじゃないの?というお問い合わせも多いので、BIASの基本構成を解説しましょう。
BIASでは、左から順にアンプを構成するパーツセクションの調整ができます。
一番左ではカスタムパネルの変更。こちらはつまみやカバーのデザインなど、外観自体をカスタマイズすることができます。アンプも楽器の一部なので、見た目も大事ですよね。
そしてPreampセクション。いわゆるアンプヘッド部分です。音色に関する調整で多くの比重を占めています。真空管も3タイプ選択でき、真空管の出力具合まで調整可能です。真空管による音の違い、より過激に真空管を歪ませたホットな効果など、エフェクターなどでは得られない、アンプ(のパーツや回路)レベルの音色調整が行えます。
(実際に存在する)あのアンプは真空管2本のアンプだけど、これが3本になってもう少しパワフルになったら..なんて妄想もクリック1つでOK。
次はTone stack。ここではアンプパネルのトーンコントロールのタイプを選べます。なんとなく実機のイメージがつきそうなモデルタイプがプリセットより選べます。M社のヘッドにF社のトーンなど、実機ではありえない組み合わせも可能です。
そしてPower ampセクション。ここでもパワー管の真空管が選べます。みなさんお馴染みの6L6GB、EL34など4種類のタイプから選べます。フロントのボリュームつまみで"最大 どこまで上げられるか"、などの設定も行えます。
アンプユニットの最後、Transformerでは、なんと出力トランスのタイプまで選べます。大型で余裕のあるトランス、容量は少ないけど、味わい深いトーンを出してくれるトランスなど、自由に組み合わせてみてください。
ソリッドステイト/チューブの切り替えや、もちろんここでも真空管のタイプ選択も可能です。
そしてキャビネットセクションではお馴染みの各種キャビネットを多数搭載。もちろんベースでの使用も可能です。
マイクの種類やマイクポジションの変更もできるので、実際のレコーディングと同様、マイク位置の違いによる音色の変化も得られます。
以上の各セクションは個別にオン/オフが可能ですので、特定のモジュールを通さない方法や、キャビネットをバイパスさせて実際のキャビネットから音を出すなど、様々なシチュエーションで使用できます。
このモデルは好きだけど、もっと歪みを抑えたい、もう少しハイだけ上げたい、真空管による音の違いは?など、実験するのもなかな楽しいです。電気の知識や破損、感電の危険なく試せますよ(笑)
もちろん、”こんな面倒な調整したくない”という方も、多数のモデルプリセットが付属されていますし、日々膨大なプリセットがToneCloudにアップされています。これら対応プリセットは無償でダウンロードできますので、実質無制限のアンプを手にすることができます。
さらにProモデルではアンプのサンプリング機能!であるamp matchも搭載されています。この解説はまたの機会に。