2025.01.22
サウンドを一切妥協することなく、エントリーユーザーにも使いやすい価格帯とシンプルな機能を実現したオーディオインターフェースBOOM。
今回は各方面で活躍している3人の音楽プロデューサーをお招きし、BOOMを触った印象やサウンドについて語っていただきました。これから音楽制作を始めたいという方は、参考になる話が盛りだくさんですのでぜひお楽しみください。
オーディオインターフェースのヘッドフォンアウトって、メインアウトに比べて聞き劣りすることが多いですよね。BOOMにはそれがなくて、解像度の高い音でしっかり鳴っていることに驚きました。
音楽の空間を考えたときには立方体をイメージして、極論を言うと前、真ん中、奥があります。昨今のポップスは音を多層にレイヤーしてサウンドを作っているので、各パートの面積や奥行きといった「音のミルフィーユ」がどのくらい見えるかというのがアレンジやミックスをする上で重要なポイントになります。解像度が低くて面と面の間の部分が曖昧な音だと、ミックスの沼にハマってしまうことになりますよね。
そうそう、音が見えないと悩まなくていいところで悩んでしまって、いきなりプラグインを挿しちゃうから沼にハマる(笑)。見えないところで悩んでいるんだったら、ある程度見える機材環境を最初から整えちゃう方が早いですよね。
先ほど自分のDolby AtmosミックスをBOOMのヘッドフォンアウトで聞いてみたんですけど、埋もれてしまいがちなリアサラウンドのエコー成分までよく見えました。本来だったら、3〜4万円という価格帯ではヘッドフォンアウトにお金をかけられないと思うので、やっぱりApogeeは信頼できますよ。
Apogeeオーディオインターフェースのヘッドフォンアウトは昔から良かったですよね。今の時代、学生さんや若いクリエイターの8〜9割はヘッドフォンで音楽制作しているので、BOOMは現代のニーズを分かっているなと思います。僕はホームスタジオで歌とギターも録るので、プレーヤーが使うヘッドフォン環境にはそれなりにお金をかけているんです。悔しいからそれと同じとは言わないですけど、遜色のないクオリティがBOOMで手に入ってしまう(笑)。幅広いインピーダンスのヘッドフォンに最適なサウンドを出力できる「ゼロオームヘッドフォンアウト」も素晴らしいですよね。若いクリエイターがBOOMのサウンドから入れるというのはとても羨ましいことだと思います。
BOOMにはECS Channel Stripが使えるDSPが搭載されていて、ギターのプリセットを選んだらとてもイケてる感じの音になりました。設定の味付けがすごく絶妙でサチュレーションもかなり本格的です。ドライブとコンプをかけただけでもかなりいい。こんな感じで出先でギターを録っておいて、後でアンプシミュレーターを使えばもう実用レベルですね。
うわっ、こういう音にもなれるんだね!これにちょっと空間系のエフェクトを入れたらこれでオッケーですよ。DSPが入っているのはポイント高いですね。プリセットを見ると分かりやすくてすぐに使える。実際シンセでもそうですが、最近は各機能を1から覚えるよりもプリセットから覚えていく制作の仕方も多くなっていますよね。エントリーユーザーにとっては充実したプリセットが有るか無いかで、録り音にだいぶ差が出るかなと思います。
どんなテイクを録るかも大切だから、いろいろなところに持って行ってギターリストやヴォーカリストとディスカッションしながら録れますね。リラックスできる環境で、アイデアが降りてきた時に逃さずキャプチャーできる。共同制作の時とか、これはいいと思います。
あくまで僕の主観なんですけど、Apogeeサウンドは料理でいう”最後の塩胡椒”みたいな、Apogee独特のニュアンスがあるんです。それがちょっとグルービーというか、制作時にいい具合にテンションを上げてくれるんですが、BOOMにはしっかりとその理念が継承されていると思います。きっと、ボブ・クリアマウンテン氏の好きなチューニングなのかなと。
解像度が高くてピントの合った音だけど機械っぽくないというか、”気持ちが上がる音”というのはまさに的を射ている気がします。音の好みは人それぞれですが、僕は「解像度が高くて音楽的に聞いていて楽しい音」がする機材が好きで、BOOMはそれを両立していると思います。BOOMって初心者向けの製品かと思っていましたけど、これだけ綺麗に音が録れればホテルでギターを録っている忙しいスタジオミュージシャンにもお勧めですし、ベースやライン楽器にも使えるので、プロがサブ機で持っていてもいいんじゃないでしょうか。
面白いのが、インプットにXLRコンボ端子とフォン端子があって、両方に入力するとステレオペアリングできるんですよ。なのでハードウェアシンセのステレオ録音にも使えます。それにしても、ApogeeクオリティのAD/DAとDSPを搭載して3万円台なのは本当にすごい。もっと早い時期にこういったオーディオインターフェースが出てきて欲しかったですよ。
もちろん、ハイエンドの機材と比べれば全く同等とは言えないけど、Apogeeの理念や設計思想がしっかりと込められているので安心して使えます。若いクリエイターにも手が届きやすい価格なので、BOOMで色々な楽曲をたくさん聞いて自分の判断基準が作れるといいなと思います。BOOMを基準にしたら見えてくる事がすごくあるんじゃないかな。
学生さんなどこれから音楽制作を始める人は、まずは自宅でヘッドフォンで作業される方が多のではないかと思います。ヘッドフォンアウトの解像度が高いBOOMを基準にして音楽制作をスタートできれば、楽曲を組み立てるジャッジが正確になりアレンジがしやすくなって、音楽としてのクオリティも上がるのではないでしょうか。
この価格で音楽制作に必要な核となるサウンドのクオリティを確保して、残った予算はプラグインなどに投資する方がトータル的に自分の成長を早められるのかなと。これで育った若いクリエイターが世の中にどんどん出てくる。そういう位置付けになるんでしょうね。まずはBOOMで稼いで、さらにいい機材を買ってきなさい!という感じですね(笑)
ミキシング、マスタリングエンジニア
アイドルやアニメからJazzやワールド・ミュージックまで、ジャンル問わず様々なアーティストの楽曲に参加。
2016 年よりドイツ、ベルリンへ移住、本格的なスタジオを構えLadyGaga他多数の海外アーティストの作品に参加。
同時にテクノやクラシックの本場にてアナログレコードの製作技術を学びマスタリング、カッティングを手がける。
2019年帰国後はCD、レコードカッティング、DolbyAtomosと全てのフォーマットを高次元で 1 カ所で完結するスタジオを東京世田谷にオープン。
メジャーシーンの多数のアーティストのレコードカッティングやマスタリングを行う。
山根アツシです。
ベルリンから帰国して都内でAltphonic Studioというスタジオをやっています。ミックス、マスタリング、レコードカッティング、楽曲プロデュースなどをしていまして、古くからのApogeeユーザーです。現在はSymphony I/O MKII 32in-32outを使っています。
1965年生まれ
玉川大学作曲学科卒業
幼少よりバイオリン、ホルン、キーボードなど、常に楽器と過す。
1986年 EastWest86 本戦にてベストキーボード賞を受賞。
バンド活動を経て1990年アレンジャーとしてデビュー!
アレンジを佐藤準氏に師事。
Ribbon、Wink、光GENJI、などアイドルグループからZoo、稲垣順一、ゴスペラーズ、SPEED、EXILE、などまたGUNDAM、トランスフォーマー、テニスの王子様などアニメやキャラクターソング、映画など様々な楽曲の作曲・アレンジ・プロデュースを担当。
数々のミリオン楽曲に関わっているSPEEDに関してはデビューから解散まで全楽曲のアレンジを担当しシングル曲総売上1000万枚を記録。全アルバムミリオンを記録! 年末の格闘技のイベントPRIDE、DYNAMITEは始め、格闘家魔裟斗、格闘家吉田秀彦引退試合のオープニング曲、舞台音楽など大きなイベントでの迫力、スケール感のある音楽を担当。活動の幅を広げている。 平成最もCDを売ったアレンジャー10位(オリコン調べ)
水島康貴です。
音楽プロデューサー、アレンジャーをやっております。いまは学校で音楽制作を教えていることもあって、学生目線を含めてお話ししたいと思います。
1987年生まれ。北海道出身。
2009年4月よりVOCALOIDで楽曲発表を開始し、本格的な音楽制作の道へ進む。
VOCALOID楽曲制作サークル「s10rw」のメンバーや、幾つかのインディーズバンドを経て、当時参加していたユニットでメジャーデビューし、アニメ作品への楽曲提供、国内外でのライブ・コンサート・フェスイベントへの出演等を経験。
現在は、「和賀裕希」として作編曲・ギター演奏を主軸に多方面で活動している。
サウンドプロデューサー/ディレクターとして、叶「flores」「夜明かし」「How Much I Love You」「Tailwind」等を担当。
2024年には作編曲を担当した、TVアニメ「しかのこのこのここしたんたん」OP「シカ色デイズ」がダンス映像とともに話題となった。
和賀裕希です。
作家とプロデューサーをやっています。ギタリストでもあるので、作家目線と宅録面からお話しできたらと思います。初めて使ったオーディオインターフェースはApogee DUETなので、今日はApogee製品に関われて嬉しいです。
想像力を掻き立てるサウンドと使い心地。BOOMは作曲、映像編集、ライブ配信など、「音」を扱うすべてのクリエイターに大きなインスピレーションを与えます。Apogeeの伝統に裏打ちされた高品位なサウンドが、 2in / 2outの小さな筐体に納められています。
通常価格:¥35,200(税込)