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アウトプット切り替え式の真実 – Apogee渾身の「エントリーモデル」BOOMの魅力を探る Vol. 1

2024.12.31

2022年にApogeeから発売されたBOOM。余計な機能を削ぎ落としたシンプルなデザインのこの製品。その実態は「Apogee渾身のエントリー向け」オーディオインターフェースなのです。そのBOOMの魅力を連載でお届けします。

boom

スピーカー/ヘッドフォンの完全切り替え式って不便じゃない?

この製品の最大の特徴であり、製品を調べているユーザーの皆さんにとって「あれ?」と不安になる点が、スピーカー/ヘッドフォンの切り替え式であることだと思います。一見デメリットにしかみえないこの仕様ですが、実はここにApogeeならではのサウンドへのこだわりが詰まっているんです。

オーディオインターフェースで重要な部品の一つがDAC(DIGITAL ANALOG Converter=要するにデジタル信号をアナログ信号に変換するチップです)。BOOMにはハイエンド機器にも使われるESS Sabre DACを採用しそのサウンドの質を高めていますが、さらにApogeeらしい「ひと工夫」がなされています。

アウトプット完全切り替え式の真実

高価なオーディオインターフェースを除き、低価格帯のオーディオインターフェースは、デジタル信号をアナログ信号に変換(DAC)し、スピーカーなどに出力するまでの回路が、一般的にこのよな設計になっています。

一般的なエントリーモデルのオーディオI/O
図1

※エントリーモデルでもヘッドフォン用にDACを搭載するモデルもあります。その場合は安いチップを使ったり、回路の他の部分で安いパーツを使うなど、設計上どこかでコストを抑えているはずです。それは決して悪いことではなく、製品を低価格でユーザーに届けたいというメーカーの努力と言えます。

デジタル信号をDACでアナログ信号に変換して、それをスピーカーとヘッドフォンアウトに分岐してそれぞれ送る、というような仕組みですね。便利ではあるんですがこの分岐回路やその後段に置かれるアンプ回路が曲者だったりして、場合によっては音質の変化や劣化を引き起こす場合があります。

BOOMは、ヘッドフォンを接続するとスピーカーへの経路が切断され、ヘッドフォンのみが出力される仕組みです。

BOOM
図2

これによりDACを通過した信号は、スピーカー、またはヘッドフォンに100%送られるので、余計な回路を通さず音質の変化や劣化を感じさせません。一見不便に見えるアウトプット完全切り替え式ですが、価格をできる限り抑えつつ、音質を劣化させないというまさにBOOMのサウンドへのこだわりが反映されています。

スピーカーかヘッドフォンか、どちらかしか使えないのは不便じゃない?と感じる方もいるかもしれませんが、実際には自宅で作業するとき「スピーカーもヘッドフォンも両方とも鳴らす」ことがあまりない人も多いのでは?(私はそうです…っていうかスピーカー鳴らすと苦情になるので9割ヘッドフォンです泣)

※もちろ両方鳴らす必要がある方もいると思いますので、その場合は残念ですが上位モデルに行ってください!!

結論:家ではスピーカーかヘッドフォン、どちらかしか使わないよ、という方にめちゃくちゃオススメ

ということで一見不便なアウトプット切り替え式は、実はApogeeのサウンドへのこだわりだ!ということを熱弁させていただきました。ヘッドフォンユーザーに超おすすめのBOOM。次回はそのヘッドフォンアウトそのものの秘密をお伝えしようと思います!

BOOM
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