2022.11.01
Apogeeのフラッグシップ Symphonyシリーズや、DAWでも絶大な人気を誇るDuetシリーズのサウンドクオリティを正統に受け継ぐBOOM。音の根幹に関わる部分は上位機種と同クラスのパーツを使用し、その価格からは想像できないサウンドが魅力です。
エントリーモデルながら、出音はしっかりプロユースなApogee BOOMを、ボカロや音ゲーをこよなく愛し、楽曲、ゲーム音楽などのプロディースを行ういるかアイスさんに使っていただき、お話をお伺いしました。
Media Integration(以下MI)
BOOMをお使いいただいた印象を教えてください。
いるかアイスさん(以下敬称略)
実はApogee製品を使うのは今回が初めてでしたが、以前よりApogeeを愛用している友人に強く薦められていたこともあって、とても気になっていました。BOOMはエントリーモデルの新製品ということで、とてもワクワクした気持ちで試させていただきました。
まず見た目の第一印象はまるっとしたイメージ。それでいて場所を大きく取らないスタイリッシュさが可愛くもかっこいいです。パープルも思っていた以上にしっかり「メタリックカラー」なのが最高ですね(笑)
MI
機能面はいかがでしたか?
いるかアイス
インプット、アウトプットの端子数は必要最低限で、シンプルな構成でわかりやすいと思います。軽くてコンパクトなので、持ち運びにも最適ですね。
また、バスパワー駆動なのでコンセントいらずなのがありがたいです。DTMerは、パソコン、ディスプレイ、スピーカー2本、オーディオインターフェイスと、コンセントをたくさん使うので、電源アダプターがひとつ減るだけでも本当に助かります。
BOOMをフルで使う上で大事なコントロールアプリ「Apogee Control 2」にはループバック機能がついているので、生放送をする方にも役立ちます。PC/Mac上で再生した音を自分の声とミックスして、もう一度OBS Studioなどのインプットに戻すことができます。よくYoutubeで生放送をする私にとってはとてもありがたい機能です。
ソフトウェアミキサーの出力をMac/PCの入力に割り当て可能。例えばマイクとYoutubeの音声をミックスしてOBSに送ることができる。
またiPadでも利用できるとのことで、外へ持ち出しても活躍しそうです。付属のケーブルはコネクタ部分がキャップ式になっていて、USB Type-C、USB Type-Aのどちらでも使えて、ケーブルをわざわざ2種類用意しなくていいのもいいですね。
MI
DSPエフェクトのECS Channel Stripは試されましたか?
いるかアイス
この価格帯でDSPのプラグインが使えるのはすごいです...!マイクなどのインプット音声に直接EQ、コンプ、サチュレーションといったエフェクトをかけられるのでスタジオみたいでワクワクしますよね!
伝説のエンジニアが監修したプリセットが詰め込まれているとのことで、これからいろいろと試してみます。BOOM本体で処理を行うので、PCに負荷をかけずに掛け録りができるのも嬉しいです。
DSP処理でEQ、コンプレッサー、サチュレーターを使用可能。エンジニア Bob Clearmountain監修のプリセットも多数収録されている。
あとBOOMを購入すると Ableton Live Lite もついてきます。「Ableton Liveがちょっと気になっているな、使ってみたいな」という人にもオススメしたいです。
MI
音の印象はどうでしたか?
いるかアイス
すっっごく音が良かったです...!!実際に聞いてみて、間違いなくこの価格帯以上の音の良さだと思いました。
今まで使っていたオーディオインターフェイスは、どちらかというと高域の空気感が印象的だったのですが、BOOMは中・低音に綺麗な存在感があり、空間に奥行きを感じる音でした。きっとこれがApogeeのキャラクターなんだと思います。
「Apogee製品が気になっていたけど高くて買えなかった」という方はぜひ一度音を確かめていただきたいです!
MI
インプットの音質はいかがでした?
いるかアイス
出音だけでなくインプットについても、とっても良い音でした。ゲインを大きくあげてもノイズが乗りにくく、非常に綺麗ですね。しっかりとゲインを上げられるマイクプリは良い音で録音するために欠かせません。
ひとつだけ、購入の決め手に大きく関わるのではないかと思った点があります。BOOMは仕様上ヘッドフォンを接続すると、スピーカーから音が出力されなくなります。
普段ヘッドフォンかスピーカーかどちらかで完結してる人は気にならないとは思いますが、ヘッドフォン、スピーカー両方を使う人は買う前にチェックしたほうがいいと思います。
でもそれを考えても「予算5万以下で良いオーディオインターフェイスが欲しいぞ!」と思っている人には、出音も録り音もどちらも優秀な Apogee BOOM をぜひおすすめしたいです!
ボカロと音ゲーコンテンツが好き。キラキラしていてハッピーになれる音楽をコンセプトにエレクトロポップやハッピーハードコアなど様々な楽曲を制作。自身が運営する音楽レーベル"On
Prism Records"、"コトノプリズム"では、VOCALOIDなどの歌声音声ソフトを用いた楽曲アルバムのプロデュースなどをしている。
2021年、プロジェクトセカイの楽曲公募である第1回プロセカNEXT楽曲コンテストにて『Brand New Day』が採用され、ゲーム内で実装中。
2022年には八王子Pのアルバム「HIDEOUT」にて『気まぐれメルシィ feat. 初音ミク -irucaice Remix-』を提供したり、SEGAのアーケード音楽ゲーム「maimai でらっくす
FESTiVAL」にて新曲『Rainbow Rush Story - いるかアイス feat.ちょこ』を提供するなど、活動の幅を広げている。
BOOM