2016.10.25
「PositiveGridのBIASシリーズを使いこなそう」第4回はBIAS Amp, FX, Pedalの3機種を統合した使い方についてです。単体でも使えるBIASシリーズですが3種類統合して使う事でさらに幅広く奥の深い音作りが可能になります。実例も交えて紹介して行きましょう。
BIAS FX単体でも様々なエフェクトペダルモデルやアンプモデルが使えて幅広い音が出せるのですが、加えてBIAS AmpやBIAS Pedalで作ったオリジナルのアンプモデルをルーティングして使う事が出来ます。
BIAS FXの記事はこちら
http://www.minet.jp/brand/positivegrid/bias-series-advanced-tutorials-vol1/
実際の工程を解説します。
例えばFactory-Lo Gain-Blues2 を選びます。
このプリセットのアンプ’59 Tweed LuxをBIAS Ampで作ったオリジナルのアンプに変えてみましょう。
アンプの部分をダブルクリックすると、アンプモデルが選べるようになります。
そこでいくつかのアンプカテゴリーが現れるのでBIAS AMPをクリックして選択します。
すると別のソフトであるBIAS Ampに内臓のアンプが選べるようになります。
その中からBritsh Rock 50をクリックします。
これでBIAS FX内でBIAS AmpのBritsh Rock 50が使えるようになりました。
BIAS Ampの記事でも書きましたが、Amp Match機能始め強力なカスタマイズが出来るBIAS Ampモデルが読み込めるのは強力な機能ですね。
BIAS Ampの記事はこちら。
http://www.minet.jp/brand/positivegrid/bias-series-advanced-tutorials-vol2/
私が実際にAmp Matchした動画はこちら。ご覧頂けると分かりますが結構似ます。
この状態でDRIVEをダブルクリックで様々なペダルがカテゴリー毎に現れるので、
BIAS PEDALをクリックで選択、中からFire Fuzzをクリックで選択します。
(この流れはBIAS Ampを読み込むのと同じ流れですね)
これでBIAS Pedalでカスタマイズしたモデルが使えるようになります。
元となったプリセットFactory-Lo Gain-Blues2から大分変わった印象になったと思います。
ソフト上なのでこういった事が簡単に出来るのは大きな魅力の一つかと思います。
リアルでアンプをチェンジとなるとそれなりな作業になりますし、時間もかかるものです。
楽曲の制作段階では閃きや想像力が薄れてしまうのはとても残念な事ですので、パパッと変えられるソフトはやはり便利、ですね。
また、プラグインなので録り音自体はラインの素の音で作業が進められるので、場合によってはMixの時にリアンプしても良いですし。
タイムリーにBIAS Headが発売されました。
BIASシリーズ3機種はiPadバージョンもありまして、iPadでも上に書いたような3機種での複合 は簡単に出来ますし、iOSでのアプリ間を繋ぐINTER APP AUDIOにも対応しています。
BIAS FX ,BIAS Amp共にクラウドベースでプリセットファイルの共有が出来ます。
BIAS FX左上の雲のマークをクリックで、世界中のユーザーがアップしたプリセットファイルにアクセス出来て自分のライブラリーに加える事が出来ます。その際ダウンロード前に試聴出来るも良いですね。
世界中の著名なアーティストのプリセットもゲット出来ます。
一応私のもあります。
もちろんどなたでもアップ出来ますし、コメントを書いたり書いてもらえたりとちょっとしたコミュニティのような感じにもなっていますね。
ご自分のプリセットをアップ公開するには画像の上矢印クリックでこのような表示が出るので、プリセットネーム等書いてUPLOADするだけととても簡単になっています。
Tone CloudにアップしたプリセットファイルにはMac,PC,iPadどこからでもアクセス出来るので、MacからアップしたプリセットファイルをiPadへ保存する事が出来ますし、iPadからアップしたプリセットファイルをPCに保存して使うことも出来ます。
現状Amp Match機能はMac,PC版での機能で、iPadバージョンではAmp Matchを含むプリセットからの読み込み専用になっているので、これは嬉しい機能ですね。
Mac,PC,iPadでプリセットファイルが共有できるこの機能は、様々なシチュエーションで役に立つと言えるでしょう。
もちろん今後はBIAS Headにも。
BIAS Amp,FX,Pedal 全機種に搭載されているQUICK SNAP機能は、プリセットを一時的に保存する事が出来るのですが、これの便利な使い方を紹介しましょう。
QUICK SNAPのやり方は、現状の状態のまま画像のカメラマークをクリックして任意の数字のマスを選ぶだけでサクッと保存されます。保存した状態に戻すには選んだ数字のマスをクリックするだけです。簡単ですが使い勝手の良い機能ですね。
例えばアンプのセッティングで迷った時、とりあえず現状の状態をQUICK SNAPしておけば、つまみをいじってもアンプごと変えてもワンアクションで元の状態に戻す事が出来るので、安心してエディットが出来ます。
また、レコーディング済みのトラックで音色を詰めたい時にも、いくつかのプリセットをQUICK SNAPしておけば、オケに合わせてパパッと音色を変えられるんです。セーブされたものを呼び出すより手順も少ないので、直感的に選ぶ事が出来ますね。
音色が決まったら忘れずにセーブして下さいね。QUICK SNAPは一時的に使うものでプリセットのように保存はされませんので。
BIAS FXはステレオエフェクトも内蔵されたステレオアウト出来るソフトですが、立ち上げるオーディオトラックがモノラルだと(当然ですが)モノラルのままですのでそこは注意して下さい。また、右上設定画面のMONO TO STEREOでDisableだとステレオになりません。オーディオ入力に応じてLeftかRightを選んで下さい。
BIASシリーズは単体でも十分使えるプラグインソフトですが、3機種統合する事で出来る事やサウンドの可能性はかなり広がります。
是非組み合わせた使い方にもチャレンジしてみて下さい。
ギタリスト、作編曲家 2月18日生まれ 神奈川県出身
スタジオミュージシャンとして、MISIA,宇多田ヒカル,BoA,EXILE,倖田來未,SMAP 他沢山のアーティストのレコーディングへ参加。その数は1000曲を超える。
キレのあるリズムギター、歌う様なリードギターは、1990年代〜2000年代のJ-POPでのギターアプローチに多大な影響を与える。アレンジャーとしてMISA,V6,島谷ひとみ、華原朋美、等の作品に参加。
ライブサポートでもその他多数のアーティストのライブに参加。
近年はセッションミュージシャンの枠を超えて、ソロギタリストとしてインスト曲の作曲、ライブ活動の他、iPhoneアプリ、ゲーム、CMなどの音楽制作も行っている。
鈴木健治オフィシャルウェブサイト http://kenjisuzuki.net
オンラインマガジン「週刊宅録ギター」https://