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Symphony Studio と SoundID Referenceの測定データを用いたルームチューニング方法

2025.03.11

はじめに

ルーム補正は、音楽制作環境の構築において非常に重要です。特にイマーシブオーディオ環境の構築の場合はスピーカーの本数が多いため、音が複雑に干渉するため、音像の定位や周波数バランスが崩れてしまいます。そこで、Apogee Symphony Studio の内蔵DSP機能を使って部屋の特性を考慮したルーム補正を行うことで、精密なサウンド環境を作り上げる方法を解説します。


1. Sonarworks SoundID Referenceの設定

使用機材
  • Apogee Symphony Studio
  • Sonarworks SoundID Multichannel:マルチチャンネル対応のルーム補正ソフトウェア。※ステレオのみの場合は通常のSonarworks Sound IDで対応可能
  • 測定用マイク:Sonarworks 測定用マイク、Earthworks M23 または M30 などの測定用コンデンサーマイク
手順
  • Sonarworks を用いたルーム測定
    測定方法の詳細はこちらのページをご参照ください。
  • 測定データの取得
    測定が完了すると、Sonarworksのソフトウェアが自動的に部屋の音響特性に基づいた補正カーブに加えて、ディレイ値が生成されます。

    ※特にマルチチャンネル環境では、スピーカー間の距離や部屋の反射の影響で音の到達タイミングが異なるため、 各スピーカーの音が適切に同期するようディレイ調整が重要になります。

  • 「Export」を選択。
  • 「AVID MTRX with SPQ」を選択。
  • 「Parametric Equalizer parameter file」を選択
  • .xml または .txt ファイルが作成されます。
    このデータは次に行うSymphony Studioの設定で使用します。

2.Symphony Studioの設定

  • ApogeeControl 2 を起動します。
  • 「Monitor Workflows」「Room Correction」 の順でアクセス。
  • 「Sound ID」での計測結果を入力します。

(1) EQ設定するスピーカーの選択

(2) 16バンドEQの設定※計測したEQデータを入力します。

(3) Delay補正※計測したDelayデータを対応する各フィールドに入力します。


3.Bass Management設定方法

Bass Management とは、マルチチャンネル環境において、サブウーファー(LFE:Low-Frequency Effects)と各スピーカーの低域管理を行う機能です。

手順
  • Monitor Workflowsから「Bass Management」を選択
  • 以下の設定が可能です
    • Bass Managementするスピーカーとサブウーファーを設定する
    • Crossoverする周波数を設定
    • クロスオーバーするフィルターのカーブを選択
    • サブウーファーへの送りの音量の調整

4.その他の機能(データの保存・読み込み)

Symphony Studioでは、以下のような機能を活用し、さらに精密なワークフローを構築できます。

  • Export: 設定したサラウンドフォーマットデータを保存
  • Import: 保存したデータを読み込んで適用

まとめ

Symphony Studioの内蔵DSP機能を活用することで、より精密なルーム補正が可能になります。

Sonarworksで測定したデータを基に補正を行い、さらにBass Managementの調整を組み合わせることで、補正前と比べて音の定位が向上し、周波数バランスが均一になります。これにより、より正確なミキシングが可能となり、制作環境が最適化され、より良いリスニング環境を構築できます。

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