Pro Tools 12.4 リリース。ついに搭載された強力なフリーズ機能!
2016.01.06
スタッフOKです。
先月発表・リリースされたPro Tools 12.3では、強力なトラック・コミット/バウンス機能が追加され、単なるオーディオファイル書き出しに留まらない、ありそうでなかった柔軟な処理、ステム・トラックの同時書き出しなどが可能になりました。多くのスタジオ、多くのクリエイター、アレンジャーが欲しがっていた機能を、期待を「上回る形で」更新してくるあたりは、さすがPro Toolsといったところでしょうか。
つい先日リリースされた12.4にはトラック・コミット/バウンスに続き、ついにフリーズ機能が追加!今となってはどんなホストにもあるじゃないか、と思いきや、これも今までにありそうで無かった、ワークフローが劇的に改善する内容となっています!
Pro Tools 12.4 で追加されたトラック・フリーズ機能
機能の詳細についてはAvidからリリースされているYouTubeビデオを見てみましょう。Avidブログではコミット/バウンス/フリーズの違いについても解説されているので、こちらもぜひご一読を。
面白いのは、Pro Toolsではフリーズをオーディオ、インストゥルメント、AUXチャンネル(!)問わず行えるところですね。
- オーディオトラックのノイズトリートメントなどをしていると、どうしても負荷が高くなりがちなので、ある程度完了した段階のトラックはフリーズする
- BFD3のような大容量音源でも、気軽に立ち上げ、負荷が上がってきたなと思ったらとりあえずフリーズ。
Pro Toolsのフリーズ機能で特にユニークなのが、トラック・エフェクトの有無を選択できたり、マルチアウトを設定したAUXチャンネルですらフリーズできることでしょうか。
コミット、バウンスとの使い分けについては、詳細な機能の違いがAvidブログの方で解説されていますが、ざっと分けると下記のようになるでしょうか。
・フリーズ
オーディオ/インストゥルメント・トラックを一時的にオーディオ化します。パン、レベル、ゲインなどの調整は可能だがリージョン編集は行えません。上記のように負荷の高いトラックのCPU負担を和らげるのにとても有効です。書き出し前にプラグインのオン・オフができたり、Auxトラックまでフリーズしてくれるところが非常に使い勝手が良いですね。
・コミット
ファイルを恒常的にオーディオ化してトラックにインポートします。このため波形の編集も可能、Auxを含む複数トラック同時の実行が可能なところはフリーズと同じですね。バスに送ったステム・トラックのオーディオ化や、インストゥルメント・トラックのMIDIをドラッグするだけでオーディオとしてトラックにコピーできるなど、柔軟かつパワフルに使えます。
・バウンス
これは今まで通り、トラックを個別にオーディオ・ファイルへ書き出します。もちろん複数トラック同時のバウンスが可能なため、ステム・トラックの書き出しや、全トラックのプロセッシングを反映した状態で別セッションにそのオーディオをコピーする、アーカイブ化や将来の再ミックス、マスタリングなどに備えるなど、今まで手間と時間のかかっていた作業が大幅に短縮できますね。
これにより得られる大きなレコーディングの変化
ついにPro Toolsにフリーズ機能が搭載されたことで、当社スタッフ間でも大きな話題になっていること。それは「曲作りからマスタリングまでの工程で、ずっとバッファーサイズを最短に保ったまま作業ができてしまうね」ということです。
従来のネイティブ環境では、CPU負荷が処理に追いつかなくなったらバッファーサイズを上げる、引き換えにソフトウェア音源をプレイしたり、外部プロセッサーを交えた作業にはレイテンシーが発生するという駆け引きが発生していましたが、そういった煩雑な設定変更なく作業に没頭することができます。
オーディオI/Oに付属するミキサーソフトウェアを用いることなく、I/O本体とPro Toolsのミキサーだけで作業が可能に。これは、実際に体験しないことにはその快適さが伝わりづらいかもしれませんが、とにかく快適の一言。
Apogeeの誇るAD/DAを搭載したPro Tools Duet、Pro Tools QuartetでもPro Tools 12付属モデルで12.4アップデートは利用可能です。最高の「音」と超低レイテンシー環境を提供するApogee製I/O。Pro Tools Duet、Pro Tools Quartetとともに、ぜひアップデートをご利用ください。
アップデート、ダウンロード情報の詳細は下記より。
実は...永続ライセンス版が付属するPT Duet/Quartetは生産完了となりました
Pro Tools のライセンスは使用期限が無い「永続ライセンス版」と、1年間ごとに更新料を支払いライセンス期限を延長する「サブスクリプション版」がラインナップされています。
今後(2015/09/25現在)Avid社 から出荷されるPro Tools Duet及びQuartetにバンドルされるライセンスは「サブスクリプション」版のみとなり、永続ライセンス版は在庫限りとなります。 本記事最後に記載している取り扱いディーラー、またはMIオンラインストアが持っている在庫限りで終了となります。
2015/10/1よりサブスクリプション版はさらなる値上げがアナウンスされているので、永続ライセンス版はより価格以上の価値があるものと思ってもらえれば幸いです。
ラインナップ(2015/9/25現在)
永続ライセンス版 (在庫限りにて終了)
- PRO TOOLS | DUET 永続ライセンス版 :価格:¥ 139,320 (本体価格:¥ 129,000)
- PRO TOOLS | QUARTET 永続ライセンス版:価格:¥ 239,760 (本体価格:¥ 222,000)
サブスクリプション版
- PRO TOOLS | DUET サブスクリプション版:価格:¥ 101,088 (本体価格:¥ 93,600)
- PRO TOOLS | QUARTET サブスクリプション版:価格:¥ 201,960 (本体価格:¥ 187,000)
Pro Tools Duet & Quartet 取り扱いディーラー
Pro Toos Duet &Quartetは下記、全国のディーラー様にてお買い求めいただけます。