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SigMod – DAWを音響機器のように使えるプラグイン

2018.06.28

20180627-sigmod-review-koyas-nugen-sigmod-overview

 

Nugen Audioのプラグインを使ったミックスとマスタリングの連載記事を書いているうちに、同社から新たなプラグインSigModがリリースされました。このプラグインの謳い文句は「プラグインやDAWの機能そのものを強化するプラグイン」と、攻めている感じです。

このSigModはモジュール構造になっていて、全11種類の内蔵モジュールを組み合わせてDAWのミキサーやルーティング機能を強化します。モジュールと聞くとモジュラーシンセに近いものを想像するかもしれませんが、SigModにはクロスオーバーや遅延補正のディレイなど、エフェクトよりもPAで使われるプロセッサーに近いものが搭載されており、音響機材のようなアプローチと言えます。また、M/S(ミッド/サイド)処理などステレオイメージを弄るモジュールも搭載されており、同じ信号を並列に処理することにも特化しています。

それではSigModが実際どのように使えるのか、Live 10 Suiteでその実力をテストしてみましょう。

 

ドライな音のループをSigModを使ってウェットに加工

今回はSigModとAbleton Live内蔵のエフェクトを併用して、Live内蔵ループのサウンドを加工します。原音はドライな音ですが、これを梅雨に相応しいウェットな感じにしてみましょう。

 

20180627-sigmod-review-koyas-original

 

これからこのループを加工していきますが、SigModとLive内蔵エフェクトを使って、低域/高域/ステレオ成分の3つのトラック毎に別々の処理をしたいと思います。ステレオ成分のトラック"DRUMLOOP-SIDE"にはSigModをインサートし、低域用トラック”LOW”と高域用トラック”HI"を追加します。

 

20180627-sigmod-review-koyas-02-crossover-low

 

入力された信号を帯域毎に分けるには、プラグイン画面右下の歯車アイコンを押してルーティングの画面を呼び出し、Crossoverのモジュールをインサートします。

Crossoverは入力信号に対して指定した周波数の上と下を分け、別々にアウトプットする機能で、チャンネルデバイダーなどのPA機器によく搭載されています。ここでは110Hzから上と下に分割して、110Hzから下の信号はトラック”LOW”に送っています。

SigModのアウトプットを別のトラックに送るには付属のNUGEN Recieveプラグインを使用します。ここではトラック"LOW"にNUGEN Recieveをインサートしています。これによってSigModから出力された低域だけの信号が、トラック"LOW"にインサートされたNUGEN Recieveにルーティングされます。

 

20180627-sigmod-review-koyas-02-crossovertap

 

今回はステレオ成分と高域も別々の処理をしたいので、Crossoverの高域を別のトラック”HI”に送って処理します。信号を別のNUGEN Recieveに送るには、Tapというモジュールを使います。

トラック”HI”にもNUGEN Recieveをインサートして、SigModのTapでルーティングします。これにより、Crossoverで分けられた低域と高域が別々のトラックに送られました。

 

20180627-sigmod-review-koyas-02-crossover-01-add-mid-side

 

20180627-sigmod-review-koyas-02-crossover-01-add-mid-side-gui

 

次はSigModがインサートされたトラックからステレオ成分だけを抽出して強調することで、ウェットな音像を作っていきます。それにはMid-Sideモジュールをインサートします。

GUI右端の黄色いアウトプットの表示が、Left/RightからMid/Sideに変わったのがおわかりでしょうか?Mid成分は不要ですが、GUI右端のアウトプットの部分でミュートすると、実際に聞こえる音は右側からステレオ成分が聞こえてくるだけになるので、これがステレオで鳴るようにします。

 

20180627-sigmod-review-koyas-02-crossover-02-add-2nd-mid-side-gui

 

今度はMute/Soloモジュールをインサートし、上段のMid成分をミュートします。これでもまだ右側からステレオ成分が聞こえてくるだけなので、さらにその後段にMid-Sideモジュールをインサートして、M/SからL/Rのステレオ信号に戻します。これでステレオ成分だけが左右のスピーカーから聞こえてくるようになります。 ついでにステレオ成分が目立ちすぎないようにDelayモジュールで少しだけ(5ms)遅延を入れています。

20180627-sigmod-review-koyas-02-crossover-full

 

さて、こうして低域/高域/ステレオ成分を別々のトラックで処理する準備が出来ました。上のスクリーンショットでは、そのトラックのボリュームにオートメーションを書いてバランスを変化させています。最初はステレオ成分だけのところに低音成分がフェードインしていき、その後高域が成分がフェードインしてきます。

ここまでの音源サンプルはこちら

 

帯域毎に分けた信号にエフェクトをかける

20180627-sigmod-review-koyas-low-ch

 

それではトラック毎にエフェクトをかけていきましょう。今回使用するエフェクトはAbleton Live 10に付属されているエフェクトを使用します。

SigModのCrossoverから送られた低域のトラック”LOW”はガッツある音にしたいので、Drum Bussをインサートして少し歪ませてローエンドを強調しています。

 

20180627-sigmod-review-koyas-hi-ch

 

一方、SigModのTapから送られた高域のトラック”HI"には、EQ Eightで2.8kHzのハイミッドを少し削り、5.8kHzから上をブーストしています。スクリーンショットではハイパスフィルターも入れていますが不要でしたね。。

20180627-sigmod-review-koyas-side-fx

 

ステレオ成分を強調したいトラック”DRUMLOOP-SIDE”には、Suite付属のCorpusエフェクトをインサートし、シンセっぽい響きを加え、後段のEQで少し高域をカットしています。こうすることで高域/低域/ステレオ成分のそれぞれを別々のトラックから出力し、別個のエフェクトをかけることが出来ます。

 

ここまでで、Liveのミキサーのルーティングで同じような事出来るのでは?と思う方もいるでしょう。確かにLiveの内蔵エフェクトを組み合わせればある程度は同じことができますが、エフェクトの組み合わせで手間が増えます。また、トラックをまたいだルーティングをすると、ミキサー周りが複雑になり直感的ではなくなってきます。

SigModはこうした処理に特化しているので、同じような処理をするのも手間が少なく、NUGEN Recieveプラグイン経由で自由なルーティングが可能になるでしょう。

 

20180627-sigmod-review-koyas-audio-effect-rack-chain

 

また、Live内蔵のAudio Effect Rackのチェーン機能を使えば同じような処理は可能ですが、1つのチャンネルに3つの信号が並行して流れるので、視認性や操作性についてはSigModの方に軍配が上がります。

さて、こうして高域/低域/ステレオ成分のそれぞれを別々のトラックから出力し、別個のエフェクトをかけたサンプルはこちら。

 

帯域毎に分けたトラックから別々のセンドエフェクトをかける

20180627-sigmod-review-koyas-04-send-fx-echo

 

さて、こうして出来てきたサウンドに、”DRUMLOOP-SIDE”, “LOW”, “HI”それぞれのトラックからセンドエフェクトでリバーブを送ります。トラック毎に送る量を変えることで響きをコントロールできるので、LOWのトラックは送り量を控えめにしてSIDEのトラックは多めに送っています。

今回はダビーな効果を狙いたいので、Suite付属のEchoというテープディレイのエフェクトをリバーブがわりに使っています。ディレイタイムをリバーブのPreDelay代わりに使用し、リバーブはEcho内蔵のものをかけています。また、フィードバックは控えめにすることでディレイ感を無くしています。

出来上がったサウンドはこちら。同じループのサウンドでもこうした処理をすることで、異なる音像になっていることがわかるかと思います。

 

20180627-sigmod-review-koyas-sigmod-routing

 

テストを終えて~まとめ

SigModにはまだまだ他のモジュールがあります。詳しくは製品ページにも記載されていますが、面白いのはいずれも音響機器でよく使われるモジュールであり、音声信号そのものの処理よりもルーティングや並列処理の手助けをするタイプのプラグインであること。

僕がサウンド・インスタレーションのプロジェクトに関わったときにこうした音響機器的なプラグインを探していたのですが、探してみると意外とないもの。その点SigModはこうしたエフェクトがモジュール構造で1つにまとまっているので便利です。SigModはその名前から、サウンドに変調をかける(Modulation)プラグインを想像する方がいるかもしれませんが、むしろDAWのルーティングをPA的なアプローチで強化するタイプのプラグインという印象です。

 

ここまでサンプルの加工にSigModを使ってきました。DAWを使った表現が多様化している現在では、こうしたアプローチ以外にもSigModが役に立つシチュエーションは多いと思います。特にマルチチャンネルの立体音響やサウンド・アート、PCを使ってPAをするような用途には欠かせない存在でしょう。ニッチな用途かもしれませんが、こういうプラグインはありそうでなく、1本あると便利でしょう。

DAWによってはミキサーの仕様に縛られ、やりたいことができない時があります。そういった時にSigModを使えばDAWにはできないルーティングが可能になる訳で、「プラグインやDAWの機能そのものを強化するプラグイン。」という謳い文句も納得の1本です。

 


 

20180409_koyas-nugenaudio-ableton-live-tutorial-1_fx8d2735_2k

 

プロフィール

Koyas

Artist, Producer, psymatics label founder, Ableton Certified Trainer, Ableton Meetup Tokyo founder, LANDR Contents Adapter

 

Koyasは東京を中心に活動しているアーティスト・プロデューサーでエレクトロニックなライブ・アーティスト向けレーベル”psymatics”を運営している。

 

彼はDJ Yogurtと共に数々の作品をリリースし、Fuji Rock Festivalをはじめとする数々の舞台に出演、曽我部恵一BAND/奇妙礼太郎/ケンイシイ等幅広いジャンルのリミックスを手がけた。

 

その後2013年に電子音楽における演奏の要素にフォーカスしたレーベル、”psymatics”を設立し、翌年にはCD HATA(from Dachambo)との即興セッションユニットで作品を発表。psymaticsレーベルは、2015年にイギリスの伝説とも言えるアーティストThe Irresistible ForceのリミックスEP ”Higher State of Mind”を12インチヴァイナル限定でリリースした。

 

彼はそうしたアーティスト活動の一方で音楽機材や制作に深い造詣を持ち、雑誌やwebメディアに音楽制作や機材についての記事を寄稿・翻訳するなど文化的な活動もしている。2014年に日本人として初のAbleton認定トレーナーの一人となり、東京のAbletonユーザーグループ”Ableton Meetup Tokyo”の発起人として定期的にミートアップを開催している。

 

psymatics
http://psymatics.net/

 

Ableton Meetup Tokyo
https://www.facebook.com/AbletonMeetupTokyo/

 


 

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