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ニラジ・カジャンチ:Focal Trio6 Be導入インタビュー

2016.05.10

厳選された機材、壁の木材まで追求されて完成したその音質、そして、変幻自在な照明などアーティストが快適に音楽制作に没頭できる理想的なスタジオ、NK SOUND TOKYO。
幅広いジャンルに活躍中Neeraj Khajanchi(ニラジ カジャンチ)氏のホーム・スタジオ NK SOUND TOKYOに新たなメイン・モニターとしてFocal Trio6 Be が採用された。数多くのモニターを現場で使用経験を持つ氏にTrio6 Be の実力を伺った。

「もっとこのスピーカーの音を聴いていたい」という気持ちになる

– Focal Trio6 Beを導入していただいた経緯を教えていただけますか?
Trio6 Beは2015年のInterBEEで見て、いいスピーカーだなって思っていたんだよね。でも、色がグレイだったから嫌だったんだ(笑)。FocalはSolo6 BeもTwin6 Beも赤があるのに、Trio6 Beはグレイしかなくてね。赤があったら検討したいなって話をしていたら「レッドモデルも作っている」と聞いたから、待っていたんだ。
– Trio6 Beの赤は、ここのスタジオのB&Wの色味とも似ていますね。
そう。全く一緒なんだよね。赤が発売になるということで、Solo6 Be、Twin6 Beとともに借りて、最終的にはやっぱりTrio6 Beに決めた。Solo6 Beは昔から好きなスピーカーだし、Twin6 Beも悪くなかったけど、どちらもこのスタジオには少しパワーが足りなかった。小さい部屋のスタジオだと全然問題ないんだけど、このスタジオだとちょっと音量を上げたときにリミッターがかかってしまってね。
– Trio6 Beの音についてはいかがでしたか?
聞いていて一番気持ちいい音だなと感じた。ポップスも、ダンスミュージックも、EDMなんかもそうだけど、最近はすごく下の帯域まで伸びているものも多くて、そういうものを聞いているときに一番気持ちのいい音がしてた。サブ・ウーファーは使いたくなかったから、単体のスピーカーでちゃんと下の帯域まで出してくれるスピーカーを探していたんだけど、Trio6 Beはベストだったね。音を聞いた瞬間に楽しくなっちゃって、「もっとこのスピーカーで音を聴いていたい!」って気持ちになった。
– すごく嬉しいコメントです。音を聞いて「楽しい」と思えるのは、大事な部分ですよね。
そうだよね。ずっと同じスタジオで音楽を作っていると、気持ちが上がることはなくて下がってきてしまうものだから、心を切り替えたいなというときにスピーカーを変えるのは大事なこと。音楽に対して自分のテンションがあまりにも上がらないとき、スピーカーを変えると音楽や音を聞くことがまた好きになるんだよね。もちろん、Trio6 Beの音が良かったからだけどね。
– このスタジオにはいくつものモニタースピーカーがありますが、これは複数の環境でのチェック用なのか、それとも用途に合わせて使い分けているのか、教えていただけますか?
Focal Trio6 Beを導入するまでは、録りの時もミックスの時もだいたいB&Wを使っていた。B&Wは柔らかめの音だから、ジャズなんかをやる時にはぴったりなんだよね。今は、ジャズ以外ではTrio6 Beを使っているよ。B&Wと比べても全然ローもでるし、パワーがある。立ち上がりの速い音にまで対応できるし、昨日入っていた仕事もレコーディングからミックスまで、全部Trio6 Beでやったよ。ミュージシャンにもクライアントにもウケがよくて、レコーディングが終わったあとコントロールルームにきて自分の音をTrio6 Beで聞いたとき、みんなチョーーーテンションが上がっていたしね。
– 定番のYAMAHA NS-10M Studioもありますね。
以前はハイの音づくりやオートメーション作業のときにNS-10Mを使っていたけど、その作業ももうTrio6 Beでできるようになっちゃったね。今でもNS-10Mを置いてあるのは、このスタジオを使うお客さんのためという感じ。でもそんなお客さんたちも、NS-10Mでいろいろ細かい調整をしたあと最後に「一回気持ちいい音で聴いてみたいから、このTrio6 Beで聞かせて」となるんだよね。そこで結構大きいボリュームでTrio6 Beで聞かせてみると…..僕と同じで音に超感動しちゃうの。今までこの役目はB&Wだったんだけど、それももうTrio6 BeでOKかな。細かい調整にも使えるし、大音量で感動する音にも使える。2 in 1だよね。

Trio6 Beを導入してから出てきた「変化」

– Trio6 Beは縦置きで使用されていますね。縦置きのほうがよかったですか?
かなり時間をかけて、いろいろな置き方をテストしてみたんだ。Trio6 Beはミッド&ハイのユニットを置き方に合わせて回転させて使うことができるから、最初は横置きで、さらにツイーターを外側にしてみたり、真ん中にしてみたり。縦に置き直してみて同じようにツイーターを右・左と変えてみたり。Focalが広告画像とかで推奨しているような置き方とかも試してみたんだけど、結局縦置きがこの部屋には一番よかった。それから背面の壁からの距離もかなりの時間をかけて、微調整したね。
– それは耳で聞きながらチェックしたということですか?
そう。近々計測してもらって確認をするつもりだけどね。このスタジオでは縦置きの状態が一番いいかな。全帯域のスピード感も位相もすべてピッタリ合ってる。
– Trio6 Beにはウーファー部分をパスして、小口径の2Wayスピーカーとして使う”Focusモード”が搭載されています。ニラジさんはこのスタジオのメインコンソールを改造して、3Way – 2Wayの切り替えスイッチを仕込まれたそうですね。

即座にFocus モード切り替えられるよう、
スイッチが卓に埋め込まれている。

Focusモードの切り替えも、そして設置しているスピーカーもすべて手元で切り替えて使えるようにしているよ。でも、個人的には”Focusモード” の音はあまり好きじゃない。切り替えた途端に壊れたスピーカーの音っぽく聞こえちゃう。もちろん、複数のスピーカーを設置できない場合には便利な機能だよね。これ1つで2機種分のモニターとして使えるわけだから。
– このスタジオには大小様々なスピーカーがすでに用意されていますからね。

NK SOUND TOKYOにセットアップされているモニター・スピーカー

Trio6 Beはこの3Wayのスピーカーが全部鳴っているときのサウンドデザインが好きなんだ。このスピーカーはこれが完成系の音なわけだからね。
– 3Wayの各帯域のつながりはどう感じましたか?
ちょっと低域と中域のクロスオーバーが低いかなとは思うけど、全然問題ないよ。FocalのSM9よりも立ち上がりが速く感じられるから、むしろ好みかな。ちゃんと音が分かる感じがする。このサイズのスピーカーで30Hzがきれいに出ていてチェックできるものもないからね。このスタジオではサブ・ウーファーを使いたくなかったから、ここまでの低域をサブ・ウーファーなしでチェックできるのは超助かるよね。実は、Trio6 Beをこのスタジオに入れてからまだ2週間くらいなんだけど、B&Wのほうのアンプを変えたくなってきちゃったんだよね。
– といいますと?
今まではB&WとNS-10M Studioの相性というか、切り替えたときの違和感がないようなアンプを使っていたんだけど、Trio6 BeがメインになったからもうちょっとTrio6 Beと相性のいいアンプに変えたいんだよね。最終的にはTrio6 BeとB&W、そして小さいモニターでPelonisの3つのスピーカーで落ち着いてくれれば嬉しいかなって思ってる。常にスピーカーの位置とかも変えてみたりして気分を変えているよ。
– 常にアクティブで、素晴らしいですね。Focal Trio6 Beを長きにわたってご愛用いただければ嬉しいです。

Profile

Neeraj Khajanchi 

ニラジ カジャンチ

マイケル・ジャクソン、ボーイズIIメン、ティンバランド、リルジョン、 ジャヒーム、ヨランダ・アダムス、ランディー・ジャクソン、ボビー・バレンティノなどの海外一流アーティストを始め、Sing Like Talking、三浦大知、さかいゆう、SKY-HI(AAA)、中川翔子、安室奈美恵、Crystal Kay、福原美穂、MAX、AIなどの国内アーティストまでを幅広く手掛ける今最も多忙なレコーディング&ミキシングエンジニアの一人。


Trio6 BeKeep Focus and Mix On

focal_trio6_couple2

Trio6 Be 

SM6シリーズのサイズと品質にSM9の持つ柔軟性を取り込んだ、シリーズの新基準となる3ウェイ/2ウェイ・モニター

Trio6 Beは、1インチ・ツイーター、5インチ・ウーファー、8インチ・サブウーファーを搭載した3ウエイ・モニター・スピーカーです。さらにFOCUSモードへの切り替えることで、2ウエイ・モニターとしても動作します。

Trio6 Beは、比類のない高品質を求めるエンジニアの基準を満たすべくデザインされました。極めて自然かつ正確なステレオ・イメージ、ほんの僅かな瞬間のディテールまでも捉えることができるでしょう。また内蔵のクラスGアンプが、音楽スタイルに左右されない、充分な音圧と音量を提供します。

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