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鈴木Daichi秀行:Focal Trio6 Be導入インタビュー

「周波数レンジの広さ、解像度の高さ。Trio6 Beを導入してからは、ミックスのメインモニターになりました」

2016.12.16

アレンジャーワークのみならず、楽曲制作、プロデュース、プレイヤー、そして近年はレーベルの運営とアーティストの育成にも力を注ぐ鈴木daichi秀行さん。
地下から地上2階まで、まるまる1棟が「音楽の玉手箱」とも呼べる氏のホームスタジオ、Studio Cubicのメインモニターとして、FocalのTrio6 Beが採用された。幾多のモニターを所有し、使用してきた氏にとってFocal Trio6Beの何が決め手になったのかを伺った。

– Focal Trio6 BeをStudio Cubicに導入いただき、ありがとうございます。Focalのスピーカーを導入されたのは、今回のTrio6 Beが初めてですか?
いえ、Trio6 Beの導入前まではFocal Solo6 Beも使っていました。Solo6 Beのレンジの広さと解像度には十分満足して使っていたし、ここでは他社製のスピーカーも併用をしていたけど、Solo6 Beのようなクオリティーで、もう少しパワーのあるスピーカーが欲しいなと感じていたんですね。
– このスタジオは空間もかなりあって、広いですからね。
もしもSolo6 Beだけしか持っていなかったらそういうことは感じなかったのかもしれませんが、複数のスピーカーを使い分ける中で、もう少し広い音像を表現してくれるものが欲しくなったんですね。上にも下にも特性が伸びていて、レンジが広くてパワーもあるもの。そしてもっと解像度が高いものが欲しいと考えていたところ、Trio6 Beが候補にあがりました。

– Trio6 Beを試されたとき、他にも候補はありましたか?
はい、他社製の3Wayスピーカーや最新のスピーカーなども試しました。このスタジオにはラージモニターが埋め込まれているわけではありませんが、あのようなパワー感で音圧やローエンドの確認もできるものが欲しいとは思っていました。ただローエンドがチェックできればいいということならサブウーファーを入れるという選択肢もあったかもしれませんが、サブウーファーは入れたくなかったんですね。
– サブウーファーを入れたくないというのはどうしてですか?
たしかにポップスやロック系の曲の場合、サブウーファーを入れて聞いてみると気持ちいいなと感じることはあります。が、なんだかぼんやりしたように聞こえてしまうんですね。映画やリスニングにはいいなと思いますが、制作をする上ではどうなのかな?という疑問もありました。「体感する低域」というのが、ものすごくコントロールしづらいものという印象もあるし、特にサブウーファーはサテライトと別の場所で鳴っているから、その分離された感じに違和感が拭いきれなかったというのもあります。
– しかし、低域の確認は重要です。Trio6 Beが再生するローエンドに不足はなかったですか?
全くありませんでした。パワー感も含めてこの部屋でも十分な鳴りをしてくれていますね。
– 2Wayと3Wayの違いについてはどうでしょう。
今まで多くの2Wayスピーカーを使用してきましたが、真ん中の帯域が見えやすいスピーカーには高低のレンジで満足できなかったし、高低のレンジが広いスピーカーには、真ん中の帯域の解像度で満足できなかった。3Wayのスピーカーはその点がうまく両立できていますよね。レンジの広さも確認しつつ、ボーカルの帯域がしっかり見え、解像度が高く再生されるなということに気がつきました。3Wayなので、一番大事なボーカルの帯域にクロスオーバーが来ないということも良いのかもしれませんね。
– 解像度の高さについてお話しをいただいていますが、Trio6 Beでどういった音を聞いた時に一番「解像度が高いな」と実感されましたか?
特定のソースというよりも「あらゆる音が無理なく聞こえてくる」ことが、解像度の高さを感じさせてくれました。僕の場合はロックやポップス系の曲を手がけることが多いので、アコースティックギターやボーカルを聞いたときに今までよりも高い解像度を感じることができましたが、違う系統の曲なら他のソースでも同様の解像度を感じるかもしれません。それからTrio6 Beには十分なパワーもあって、解像度の高さとパワーが両方得られることも良かったですね。
– DaichiさんはTrio6 Beを横置きにセッティングされていますね。

導入してから一度、縦置きと横置きをそれぞれ試してみて、このスタジオの場合には横置きにしたほうがワイド感も感じられて好みだったのでこうしました。実際にこう、ワイドにパンを振ったものを聞いてみると…いかがですか?
– 目の前に音の風景が広がるような、スピーカーの存在を忘れるような美しい広がりを感じます。Trio6 Beにはウーファーユニットをパスして、ミドルとハイのユニットを1つの2Wayスピーカーに見立てるFocusモードが搭載されていますが、こちらは使用されていますか?
実はあまり使っていません(笑)なぜかと言われれば…Focusモードに該当するような、代わりのスピーカーも同時にセッティングしてあるからです。
– このセッティングを拝見したときに、うすうすそんな予感がありましたが、やはりそうですよね(笑)
もちろん、スタジオにシンプルにTrio6 Beだけを設置している場合には、非常に有効な機能だと思います。複数の環境で聴き比べるということは作品を仕上げる上で非常に重要ですからね。僕もこれだけのスピーカーを併用していますが、ラジカセでのチェックは欠かせません。Focusモードを使うことで、この筐体の中にすでに2パターンのモニターが含まれていると考えれば、便利ですよね。

– お話しにもあった通り、このスタジオにはメジャーブランドのモニターが他にも揃っているほか、オーディオ用の小さなスピーカーなどもスタンバイされていますね。それぞれのスピーカーはどのような役割分担になっているのでしょう。
小さな音量でボーカル録りを行うときや、あるいは歌のエディット作業などのときなどはTrio6 Be以外のスピーカーを使っています。やはり歌のエディットなどは音圧や大音量に惑わされず、冷静に行えるものがよいという理由からですね。音程感のチェックや、フェーダーオートメーションなども同じです。でも、Trio6 Beを導入してからは、ミックス作業のほとんどをTrio6 Beだけで行うようになりました。Trio6 Beは上下のレンジも非常に広いので、ドラムなどレンジの広い楽器をレコーディングするときも圧倒的にやりやすくなりましたね。
– Trio6 Beを導入してから変わったもの、あるいは改善されたことはありましたか?
低域や超低域、そして高域が圧倒的に見えやすくなったので、バランスの作り方はいい方向に変わったかもしれないですね。「どのくらいまで低域をプッシュしても大丈夫かな?」という判断や判断スピードは圧倒的に改善されました。それまでのスピーカーでは、音そのものは気持ち良くなっているけども判断がしにくかった。「このくらいで大丈夫かな?」と曖昧に判断してしまうこともありましたが、Trio6 Beになってからはそういった迷う時間がなくなりましたね。

それからやっぱり、歌です。3Wayということで歌のある帯域に専用のユニットがあるからか、ボーカルに対して行った処理やリバーブ感などは格段に変化が見えやすくなり、より緻密に行うことができるようになりました。高域も長時間作業していて疲れたりすることがなく、いい印象です。高域は特に「鳴ればいい」というものではなくて、他のユニットとのバランスが良いことが大事なので、Trio6 Beのバランスは素晴らしいですね。音を聞いていて気持ちのよい、素晴らしいスピーカーだと感じました。
– 本日はお忙しい中、ありがとうございました。

Profile

鈴木Daichi秀行

バンドConeyIslandJellyFishのメンバーとしてデビュー。近年はサウンドプロデューサーとしてバンドからシンガーソングライター、アイドルまで得意な幅広い音楽性を生かし活動する傍ら新たな才能を求め新人発掘、育成などにも力を入れている。


Trio6 BeKeep Focus and Mix On

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Trio6 Be 

SM6シリーズのサイズと品質にSM9の持つ柔軟性を取り込んだ、シリーズの新基準となる3ウェイ/2ウェイ・モニター

Trio6 Beは、1インチ・ツイーター、5インチ・ウーファー、8インチ・サブウーファーを搭載した3ウエイ・モニター・スピーカーです。さらにFOCUSモードへの切り替えることで、2ウエイ・モニターとしても動作します。

Trio6 Beは、比類のない高品質を求めるエンジニアの基準を満たすべくデザインされました。極めて自然かつ正確なステレオ・イメージ、ほんの僅かな瞬間のディテールまでも捉えることができるでしょう。また内蔵のクラスGアンプが、音楽スタイルに左右されない、充分な音圧と音量を提供します。

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