2020.06.12
スタッフUKです。
このシリーズではDAWソフトウェア Tracktion WAVEFORM と、オーディオインターフェイス iConnect Audio2+を使用して、DAWを始めてみたいという方に参考にしていただける情報を連載します。
 
先日、DAWを始めたばかりの友達からこんな相談を受けました。
 
普段トラックを確認しているときには全くそんなことにはならないのに、録音のときだけ音がダブってしまって困っている、というものでした。
この遅れ、音のダブりの原因は、入力したギターやボーカルの音がDAW上で処理され、その後DAWのアウトから出力されることで生じる遅延です。
これを解消するため、各社オーディオインターフェイスには「ダイレクトモニタリング」という機能が実装されている場合が多いです。今回はWAVEFORM と iConnect Audio2+を実例として、このダイレクトモニタリングの設定を解説します。
 
今回の例ではiConnect Audio2+の入力1にマイクをつないで、その音をWAVEFORMで録音してみます。
 
iConnect Audio2+は専用のソフトウェア、「iConfig」で入出力、モニタリングなどの設定を行います。入力1の音をDAWのインプットとiConfig内の仮想ミキサーに分け、DAWのマスター出力を仮想ミキサーにルーティングすることでダイレクトモニタリングが可能になります。
少しややこしいですが、下図のようにパッチングするとダイレクトモニタリングの音を聞きつつ、WAVEFORMで録音が可能になります。上横列が「入力ソース」、右縦列が「シグナルの送り先」です。赤い点が重要なパッチ部分です。
ポイントとしては、
の3つをチェックしてください。
 
この状態で、WAVEFORM側の入力モニターをONにして録音してみます。
そうすると自分の声と、DAW上で少し遅れた声が同時に聞こえてしまい、ディレイがかかったような状態になってしまいます。
これを防ぐためには、WAVEFORM側で入力モニターをOFFにするか、または録音中のトラックをミュートすることで、自分の声だけを聞きながら録音ができるようになります。
 
WAVEFORMの場合、実は初期設定では入力モニターはOFFになっており、ダイレクトモニタリングの設定をしないと録音中に自分の音を確認することができません。
遅延の原因になってしまうソフトウェアモニタリングではありますが、例えばエフェクトがかかったギターの音を事前に確認したり、エフェクトのかけ録りをする際に事前に効果を確かめたり、入力レベルが過大になっていないかチェックするなど、必要な場面もあります。
WAVEFORMの入力モニターのON/OFFは下記の手順で確認できます。
 
1. 左下のメニューアイコンをクリックして、下部メニューを表示します。
 
2. メニューを開いた状態で、トラック名下の矢印の部分をクリックします。
 
3. 入力モニターがオンになっているかを確認します。
 
 
使用目的に合わせて、ぜひ最適な設定を探してみてください。