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BFD3が重い?

リアルな大容量系音源、ユーザーのみなさまが最も気になる事と言えば「CPUの負荷」でしょう。

2015.03.16

スタッフHです。

リアルな大容量系音源、それがピアノであっても、ドラムであっても、あるいはストリングスであっても、ユーザーのみなさまが最も気になる事と言えば、「CPUの負荷」でしょう。

どんなに素晴らしいサウンドの音源であっても、それが自分のマシンではCPUが追いつかないとなると、導入を躊躇してしまいますよね。私たちの製品でいえば、大容量ピアノ音源のIvory IIシリーズや、Spectrasonics、そして今回のお題となるBFD3がこの手の話題にあがることが多めです。

BFD2とBFD3、どっちが重い?

BFD3がリリースされた当時、話題の製品の最新作がついに出た!という事でも話題になりましたが、それと同時に「2よりも3は(動作が)重くなるんじゃない?」というお話が各所で見受けられました。

実はこれに関して答えは「No」で、発売直後に来日したFXPansionのBFD開発リーダーのSkotさんのインタビューに、これに関する回答を掲載させて頂きました。

大容量系の音源でもっともCPU負荷がかかるタスクといえば、それはサンプルを鳴らすことでもエフェクト処理をすることでもなく、「データをハードドライブから読み込むこと」です。

ここに目をつけたFXPansionのBFD開発チームは、サンプルを「ロスレス圧縮(=音に一切の変化を与えず、データサイズを圧縮)の技術」をBFD3に投入。物理的にロードするデータ容量を減らし、BFD3エンジン上でリアルタイムにデコードをさせることで、これまでのBFDシリーズよりも圧倒的に軽快な動作をするようにしました。

ロスレス圧縮のおかげで、本来なら150GB相当に値するライブラリは、なんと55GB程度に圧縮。容量が少ない近年のノートマシンでも、なんとか本体内に入れて持ち歩きできる容量かもしれません。

スタッフHが持ち歩くセミナー環境

20150316_seminarEnvここ数年、全国各所でWAVESプラグインを使ったミックスデモンストレーションを実施させて頂く機会が増えましたが、この際に持ち歩いているデモマシンは、2012年に発売されたMacBook Pro。内蔵はSSDなので、256GBしかありません。

ここにBFD3を入れ、外付けのドライブを持ち込まずに本体内だけで(もっと言えば、Omnisphereなども同時に使用しながら)デモをする事が可能です。SSDの恩恵が非常に大きい事もありますが、

  • BFD3をフルパラアウトでProTools上に展開
  • オーディオトラックは平均で16トラック程度
  • Omnisphere、Pianoteqなどで4トラック程度
  • WAVESプラグインを全トラックに3〜5個使用し、マスターにも複数プラグインを使用

という環境でも、内蔵ドライブのみで動作は可能です。まだまだCPUにも余裕があります。

もっと古いマシンでも試してみよう

つまり、ストリーミング環境さえしっかりしているなら、「CPUパワーはそれほど必要ない」という事が分かりましたので、もっと極端な実験を。

私が持っているMacBook Proでもっと年式の古い、

  • 2008年のMacBook Pro(Core 2 Duo 2.53GHz)
  • ユニボディ構造が最初に採用されたMacBook Pro
  • メモリは4GB(当時の最高)
  • 内蔵のHDDを、256GBのSSDに交換(この時代はドライブ交換が簡単で良かった…)

してBFD3が再生できるか、テストしてみました。結論からいえばブチブチノイズがでることもなく、再生が止まるような挙動もなく、まったく安定して使用することができたのです。こちらが実験ムービー。手持ちのiPhoneで撮影したものなので、音質や手ぶれはご容赦ください。

SSDは物理的に回転するディスクがないため、同じドライブに別のデータを入れてもさほどの問題になりにくいですが、HDDを使う場合には、

  • 大容量音源のデータと、オーディオ録音を行うドライブは分ける
  • できればOSが入っている起動ディスクとも分ける

などの対処でも、十分に効果があると思います。もちろんこの他にもBFD3には「軽快な動作をさせる」ための設定がいくつも用意されていますので、環境に合わせてベストセッティングにカスタマイズさせることも可能です。

いずれにしても(ストリーミングの環境がしっかりしていれば)BFD3そのものはCPUに大きな負荷をかけていない、という実験でした。

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