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伝説のマスタリング・エンジニア、ボブ・ラドウィック、Apogee Pultec EQP-1Aプラグインを語る

2021.01.28

「黄金の耳」を持つと言われる著名エンジニアたちは、作品のサウンドの最終決定を誰に委ねているのでしょう?ボブ・ラドウィックは、スティーブ・ライヒ、レッド・ツェッペリン、ニルヴァーナ、ツール、ディズニーの名作”アナと雪の女王”サウンドトラックほか、あらゆる年代、あらゆるジャンルのアルバムを手がけ、世界中のエンジニアからその信頼を得てきた、まさに伝説のマスタリングエンジニアです。

ボブ・ラドウィックは、オリジナルのPultec EQP-1A Program EQはもちろん、数々のエミュレーション・プラグイン、そしてPultecハードウェア・メーカーであるPulse Techniquesが唯一公式にエンドースする、Apogee Pultec EQP-1Aについての豊富な経験を持っています。ここでは、Apogeeプラグインに関して彼の洞察力に富む詳細な分析をご紹介しましょう。

マスタリング・エンジニアとして、全てのマスタリングに適用できるたった一つの機材というものは存在しません。しかし、Apogee EQP-1Aは中でも私が最も気に入っている機材です。

Pultec EQのような機材のスーパースターのエミュレーションを比較する際、3つの異なる側面をチェックすることが重要だと考えています。


1.デジタルダウンロードのハイレゾ化に応えること。

現在レコード会社は、ほとんどのプロジェクトで96kHz/24bitの録音・ミックスを要求しています。 もちろん、そのサウンドは素晴らしく、現代のワークステーションであれば大きな負担となることもないでしょう。ただ率直に言って、人気のエミュレーション・プラグインの中には、96kHzや192kHzのセッションに対し、本来提供すべき48kHz以上のフルバンドではなく、29kHz程度に帯域幅を制限しているものがあります。こうしたハイレゾ・コンテンツをスペクトラムアナライザで見てみると、帯域がフルバンドで表示されないものもあるようです。 これに対し、Apogeeプラグイン製品はProToolsの全てのサンプリング周波数において、フルバンドの帯域幅を実現しています。


2. エミュレーションプラグインに1kHzトーンを入力、スペクトラムアナライザでチェックしてください。

Pultecアナログハードウェアの本当の素晴らしさとは、実のところ高調波歪みの低さにあります!多くのエミュレーションでも、この特徴は正しく捉えていますが、いくつかのシグネチャー Pultec プラグインでは奇妙な高調波の発生が見受けられます。


3. 最後にもっとも重要な点をあげると、

Pultecs最大の特徴とは、ブーストとディップのノブ両方を使うことで、タイトかつパンチのあるエンベロープで低域をブーストできることです。

良いキックドラム素材を用意して、Apogeeプラグインでブーストを30cps(Hz)、+3.5、アッテネートを+2.5に設定してみてください。 きっと気に入るはずです。全く同じ設定を他のエミュレーション製品で試すと、そこには明確な違いがあります。私にとって、Apogee EQP-1Aだけがサウンドに魔法をかけてくれるプラグインなのです。


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