2025.01.28
2022年にApogeeから発売されたBOOM。余計な機能をそぎ落としたシンプルなデザインのこの製品。その実態は「Apogee渾身のエントリー向け」オーディオインターフェースなのです。そんなBOOMの魅力を掘り下げる連載第4回は、スタジオクオリティなサウンドの理由をインプット面から解説します。BOOMはヘッドフォンアウトがめちゃくちゃすごいだけでなく、インプットもすごいんです!
マイクプリアンプ(略してマイクプリ)は、マイクやギターなどの小さな電気信号をDAWで扱いやすい大きな信号に増幅します。マイクプリが低品質だと音質が変わってしまったり、大きな音に増幅した時に”サー”といったノイズが発生してしまうので、音の最初の入り口として大変重要なセクションです。
BOOMにはクラス最高レベルのマイクプリが搭載されているので、小さくて繊細な音から大きな音まで、とてもクリアに増幅してくれます。集音する感度が高いコンデンサーマイクでも、安心して最高のパフォーマンスを引き出すことができるのです。
一般的なオーディオインターフェースでは、本体の前面などにある「ゲインつまみ」を回してインプットボリュームを設定します。多くのモデルではゲインつまみに可変抵抗(ポテンショメーター=いわゆる機械式のボリュームノブです)が使用されていて、コストが抑えられる反面、信号に影響を与えて音質劣化を招いたり、ボリューム調整の精度が低くなったり、ホコリや経年劣化によってノイズの原因となってしまうことがあります。
BOOMのインプットゲインは「電子制御式」なので、上に挙げたような音質劣化がいっさい発生しないのです!(調整は本体右側のノブやこのあとに出てくるApogee Control上で行えます)数十万円するApogeeの上位機種モデルと同じ方式がBOOMに惜しみなく投入されているという、まさに「Apogee渾身のエントリー向け」オーディオインターフェースです。
BOOMにはApogee Control 2ソフトウェアが付属していて、ボリューム調整や音作りや、ちょっと複雑な「歌ってみた」用のルーティングが簡単にできてしまいます。BOOMを100%楽しむ使い方をご紹介しましょう。
BOOMは、Apogeeが「エントリーモデル」という枠を超えたこだわりを詰め込んだ、まさに次世代のオーディオインターフェースです。パッと見はシンプルでミニマルなデザインですが、音の入り口からエフェクト、そしてアウトプットまでプロ仕様の技術が惜しみなく投入されて、その性能は間違いなく価格以上です。BOOMの真価をぜひご自身の耳で体感してください。
BOOM