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1073OPX interview Kawashima Ryu (Red Bull Studios Tokyo)

2024.09.18

MI

1073OPXをお試しいただきありがとうございます。かんたんな自己紹介と、今回どのようなレコーディングで使用されたかお伺いしてもよろしいでしょうか?

Kawashima Ryu 以下、Ryu

Kawashima Ryuです。Red Bull Studios Tokyoのチーフエンジニアです。チーフと言っても、エンジニアは私ひとりしかいないのですが(笑)

気づけば今年の10月でオープン10周年です。この10年間、いろいろなジャンルの、たくさんのミュージシャンの録音やらミックスやらをやらせていただいております。

今回は1073OPXを、弦のカルテット(バイオリン x2、ビオラ、チェロ)のメインマイクのマイクプリとして使用しました。メインマイクとは楽器それぞれのスポットマイクではなく、部屋の全体的な鳴りを拾う音の要となるマイクです。

その他にドラムの収録でキックとスネアのマイクプリや、ギターアンプのマイクプリとしても使ってみました。

AMS Neve 1073opx

MI

1073OPXの印象や、特に向いていると思った素材があれば教えてください。

Ryu

この機材を初めて触った印象は「これは果たして1073と呼んでよいものなのだろうか?」でした。実際に使用した感想としても、よい意味で伝統的な1073サウンドとは異なる部分を多く感じます。

いわゆるビンテージのNeve1073といえば、中域の押し出しが強くて、ねっとりとした濃い味のイメージがあるかもしれません。それに対して1073OPXは、ビンテージではないという事ももちろんあるんでしょうしパーツも違うとは思うのですが、その押し出しの強いエッセンスは残しつつもモダンなニュアンスで、特定の帯域の押し出しよりもむしろ全帯域の音が前に出てくる印象がありました。

なので曲の中で、前に出てきて欲しい音の録音に秀逸なのではと思います。特にドラムの録音時、メインとなりうるキックとスネアの存在感が抜群だったなと。それはギターのアンプもしかりでした。/p>

MI

機能面で利便性を感じた点や、今後試してみたい環境があれば教えてください。

Ryu

マイクプリのノブが往年の1073風の形状なのですが、カチカチせず、フワッと1dBずつ上げ下げができるものでした。やっぱり1073じゃないよねと初めは思っていたのですが、実際の使い勝手はとてもよかったです。

今回はテストだったので、D-SUBケーブルに単体で接続して音をチェックしていたのですが、ちゃんとラックに入れてパッチベイに立ち上げたら、さらにいろんな楽器に使えるなと思っています。

先にあげた楽器以外でも、例えばホーン隊とかに使ってみたら合いそうだなとか…妄想はつきません。

AMS Neve 1073opx

MI

本製品をおすすめするとした場合、どのような方に向いていると思いますか?

Ryu

今回いろいろ試した中で、音と使い勝手が1073OPXのお気に入りのポイントです。これから新規でスタジオを作る方で、8chのマイクプリが必要な方にはぜひおすすめしたいですね。


Kawashima Ryu

Red Bull Studios Tokyo - Cheif Engineer

東京生まれのイギリス育ち、ロンドンのWhitfield Street Studiosにてキャリアをスタート。2014よりRed Bull Sutdioを主な拠点としている。懐の深いエンジニアリングと真の音楽をリスペクトするスタンスで、劇伴からエレクトロニカ、インディーロックからヒップホップまで音楽をアーティストのイメージを超えたところまで昇華させることを信条とするミュージシャンズエンジニア。

伝統のサウンドと現代のニーズを融合 – Neve 1073OPX
AMS Neve 1073opx
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