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Apogeeブランドへの揺るぎない信頼〜Symphony I/O MK2 レビュー by ビクタースタジオ FLAIR TAKAHIRO UCHIDA

2025.08.01

1988年よりビクタースタジオに所属し、2006年からはマスタリングエンジニアとしてのキャリアをスタートした内田孝弘氏。現在はビクターエンタテインメント内のFLAIRにて専属マスタリングエンジニアを務め、星野源、桑田佳祐、Mr.Children、L'Arc〜en〜Cielといった日本を代表するアーティストから、台湾・韓国・香港・チリなど海外のアーティストまで、数多くの作品を手がけています。

内田氏がレコーディングエンジニアとして活躍していた1990年代当時、ApogeeのA/Dコンバーターはレコーディング業界で高く評価されており、氏の中でも特別な存在だったといいます。約10年前、内田氏は自宅のミックスルームに初代Apogee Symphony I/Oを導入。現在はSymphony I/O Mk IIにアップデートし、業務に活用されているとのこと。またビクタースタジオ「211マスタリングROOM」では、氏の信頼のおける機材として、システム内のI/OのひとつにSymphony I/O Mk IIが導入されています。

本記事では、内田氏がApogee Symphony I/O Mk IIをどのように「211マスタリングROOM」と自宅ミックスルームで活用しているのか、その具体的な使い方とApogeeへの想いを語って頂きました。

ビクタースタジオ「211マスタリングROOM」

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内田氏:私がレコーディングエンジニアをしていた1990年代、コンソールのマスターミックスをApogee AD-500でA/D変換してDATに録音していたので、当時からApogeeには絶大な信頼感がありました。私が自宅ミックスルームでApogee Symphony I/Oを初代モデルから使用していたこともあり、この「211マスタリングROOM」にApogee Symphony I/O MkII を導入するときに迷いはまったくありませんでした。Pro Toolsプロセッシングに使用する機材を選ぶ際に、Mac miniとThunderbolt接続できるという条件でApogeeがちょうど候補にあがって、そのまま導入を決定したんです。

Apogee Symphony I/O MkII Thunderbolt に Connect 8x8 MPモジュール をインストールして、スタジオのマシンルームで稼働しています。Pro Toolsでのプラグイン処理や、デジタルアウトボードのインサートを行う、いわば「デジタルパッチベイ」のような使い方です。現在はJUNGERのステレオ・ダイナミック・イコライザーが、AES接続で2台直列にインサートされていて、ディエッサーやエンハンス(デコンプ)に使用しています。

211マスタリングROOM シグナルフロー

画像1の説明 Symphony I/O MkII Thunderbolt + 8x8 MPモジュール
画像2の説明 Junger / Digital Filter Processor e07

自宅ミックスルーム

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内田氏:10年ほど前、ミックスの仕事を頼まれる機会が増えたことをきっかけに、信頼を寄せてきたApogeeブランドのオーディオインターフェース Symphony I/O(初代) を自宅のミックスルームに導入しました。 機材更新のタイミングで Symphony I/O MkII の音を聴いたら、私が使用している「211マスタリングROOM」でいつも聴いているサウンドに近いなと思って、MkIIへのアップグレードを決めました。Pro Tools用に Symphony I/O Mk II Dante + PTHD と 16x16 モジュールを使用して、モニター周りのサウンド出力やVUメーター、アナログ機材(Urei 1178、Neveプリアンプ)へのセンド&リターンに使用しています。

ナチュラルで高解像度なサウンド

内田氏:Symphony I/O MkIIはクセのないナチュラルなサウンドで、各周波数帯のつながりが良く低域から高域まできれいに伸びていると思います。特に高域の伸びは自然で耳に刺さらず、歪み感も少ないです。音の立ち上がりが速く楽器のアタック感がしっかりと捉えられるほか、解像度の高さによってリバーブの余韻や空間のニュアンスまで明確に聴き取れます。ヘッドフォンアウトの音質もDAコンバーターと同様にナチュラルです。ヘッドフォンは音質よりもバランスのチェックに使う事が多いですね。

自分一人でミックスからマスタリングまで作業するケースもありますが、ミックス時点ではマスタリングについて特に意識していません。ミックスをしている時はアーティストの想いを最大限の形にする。そしてマスタリングでは音量をかせぐというよりは、音楽的な領域でコンプレッサーやリミッターを使用しながら、時代のトレンドに合わせた音量感を作っています。

信頼できる音。柔軟な拡張性。

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内田氏:Symphony I/O MkII はサウンドに透明感があって、信頼して使えるオーディオインターフェースだと思います。ユーザーのニーズに適したモジュールを選べることや、モジュールのスロットが2つあって拡張性が高い所もポイントですね。生楽器のレコーディングが多い方や、これからレコーディングを始める方の「最初の1台」としてお勧めしたいです。

商用スタジオにとって何より重要なのは、機材にトラブルが発生した際に迅速な対応ができることです。その点、Apogeeは国内サポート体制がしっかりしているので安心して使い続けられますね。


TAKAHIRO UCHIDA マスタリングエンジニア

1988年よりビクタースタジオ所属。レコーディングエンジニアを経て2006年よりマスタリングエンジニアのキャリアをスタート。現在、ビクターエンタテインメントFLAIR専属マスタリングエンジニア。
Works
星野源、桑田佳祐、Mr.Children、L'Arc〜en〜Cielなど、日本のメジャーアーティストから台湾、韓国、香港、チリなど海外アーティストの作品も数多く手掛ける。
Mix & Mastering 作品
浜田麻里「Tomorrow Never Dies
HP
https://victorstudio.jp/hd/e211/


Symphony I/O MKII シリーズ
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