物理モデリングのAASから、同社初のエフェクト、ディレイ・プラグインがリリース。百花繚乱のディレイ・エフェクト群の中でも際立つその独創性
物理モデリングで、シンセサイザーからギターのストラミングまでをソフトウェアに再現する、カナダのデベロッパー、Applied Acoustics Systems(AAS)は、例年通りUSディストリビューターのブースで展示を展開。
しかも事前には発表のなかった新製品がプレビューされていました!しかも同社初のエフェクト専用プラグインです。
その名もObjeq Delayと名付けられたこの製品、奇しくもMcDSPと同じディレイにカテゴライズされるプラグインですが、そのコンセプトは全く異なるものとなっています。インターフェースを一目すると、一般的なディレイ・エフェクトのパラメーターやフィルター、そしてモジュレーション用のLFOといったセクションが配されていますが、注目したいのがResonatorセクション。
AASヘビーユーザーの方はピンときたかもしれません、このセクションは
Chromaphoneでも搭載されていたもので、Plate、Beam、Drumhead、Stringといったオブジェクトを選択し、その特性をシグナルに適用するというパラメーターです。例えばDrumheadを使ってキックにボディを足したり、PlateとDelayを使って違うリズムパターンに組み替えたり、さらにはLFOと組み合わせてフランジャーやワブル・フィルターのようなディレイを超えたクリエイティブなエフェクト・プロセッサとして活用できてしまうというわけです。
ハード/ソフトを問わず、百花繚乱のディレイ・エフェクト製品群においても、シンプルなシンプルなパラメータ・セットながら、Objeq Delayの独創性は際立っていますね。
Objeq Delayは2017年3月発売を予定。物理モデリングのインストゥルメントを長年手がけてきたAASによる初のエフェクト・プラグイン、楽しみに待ちましょう!

さらに、こちらは
AAS Twitterからのニュースですが、同社とデベロッパー、Intellijelによるコラボレーションから、上記のResonatorを搭載したユーロラック・モジュールPlonkも発表されていました。2017年はこうしたハードウェア/ソフトウェアの融合が一層進みそうですね!