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ベーシスト・スティーブ・スワロウ 氏 インタビュー

2016.08.12

ピックで円熟のフォービートを奏でるモダン・ジャズ・ベースの第一人者、スティーブ・スワロウ。1960年のデビュー以来、50年以上に渡るキャリアの中ではカーラ・ブレイやジム・ホールなど錚々たるミュージシャンとの共演が有名なジャズ・ジャイアントの一人です。自身のアルバム「リアル・ブック」によりコンポーザーとしても高い評価を受けている一方、「演奏のほうが楽しくて好き」と公言し、ワールドワイドに演奏活動を続けています。スティーブ・スワロウはまた、創業当時からのVOVOXユーザーとしてもよく知られています。ジョン・スコフィールド・トリオとして来日した際にVOVOXケーブルについて伺いました。インタビューでは温和な人柄のまま優しい語り口ではあるものの、永年、第一線で活躍するプロフェッショナルならでは厳しさと重み、そして、本質を追求する姿勢を感じさせる言葉が紡ぎだされました。

 


音に一切の妥協が無い


VOVOXをお使いはじめになったのはいつ頃ですか?

スティーブ・スワロウ(以下 S.S):確か8〜10年ほど前です。VOVOXを初めて、使ったのはブラジル人のアコースティック・ギター奏者パウロ・ベリナティとリハーサルをしていた時でした。その時はドラムレスで彼のギターと私のベースのデュオでした。その当時、私が使っていたケーブルはブランド名などは忘れてしましましたが、極めて高価なケーブルでした。そのリハーサルの現場にJürg(VOVOX創業者: Jürg Vogt)が「私のケーブルを試してみてください。」とやってきました。。

お試しになって、第一印象はいかがでしたか?

S.S:試してみたら、その違いは歴然としていました。一瞬にしてVOVOXの圧勝です。

具体的に教えていただけますか?

S.S:まず、何より驚いたことは、ものすごくサウンドが音楽的だったことです。VOVOXには音に一切の妥協が無い。例えて言うと、素晴らしいコンサートホールのようです。通常、ウオーム、リッチなサウンドを求めるとクリアーさ、明瞭度、空気感が犠牲になります。反対に、空気感や明瞭度を重視した場合、ウオームさに欠け、細くなりがちです。VOVOXにはその両方がありました。まるで、カーネーギーホールでプレイしているかのようでした。カーネーギーホールは私が知る中で数少ない、パーフェクトな響きのホールです。全ての帯域のバランスが整っていて、リッチかつクリアーです。VOVOXはカーネギーホールのようにウオームかつリッチでありながらもクリアーでトランスパレント、全ての帯域がちゃんと再生されます。そこで、それまで使っていた、高級ケーブルからVOVOXに取り替えて、以来、ずっとVOVOXです。


ケーブルも楽器


ケーブルの重要度について、どのようにお考えですか?

S.S:私はアンプを使用するエレクトリック楽器については楽器本体だけでは無く、アンプも楽器、スピーカーも楽器と考えています。ジミ・ヘンドリックスが確かこう言っていました。「ギターとアンプで楽器なんだ」その言葉に私も同感です。しかし、以前はケーブルについては「楽器」とは思っていませんでした。しかし、VOVOXに出会ったときに、「ケーブルも楽器」と気づいたのです。ケーブルはサウンドチェインの一部であり、重要な役割を果たしています。楽器をプレイして生まれた表現がケーブルを伝わり、アンプで増幅され、そしてスピーカーが空気を振動させ、音になるのです。だからケーブルのクオリティはシステム全体のクオリティに大きく関わっています。ですから、私は楽器からアンプ、アンプからスピーカー、楽器からDIやプリアンプなど全てのシグナル・チェインにVOVOX を使っています。ちなみに、1箇所でも別のケーブルが使われていると、私はすぐに分かり、残念な気持ちになります。VOVOXケーブルは私にとってベースやギターやヴァイオリンなどと同じく大切な楽器です。

VOVOX以前にお使いのケーブルで不満に感じていたことで、VOVOXによって解消されたものはありますか?

S.S:以前、使用していたケーブルにもVOVOXに出会うまでは、耐久性と音に太さが欠ける点が若干ありましたが、満足していました。ただVOVOXと出会って、既存のケーブルが充分でないことに気づいたのです。そして、2−3年前でしょうか?Jürgが「更に良くなった新製品ができました」とsonorus を紹介してくれました。そこで、早速、使ってみたら、更にウオームかつ、立体的にな音がして驚いたのです。それからはsonorus を使っています。Jürgは間違いなく、「ミュージシャンの耳」の持ち主ですね。

「ミュージシャンの耳」ですか?

S.S:私のシステムを構成する上で重要なポイントの一つが製作者が「ミュージシャンの耳」を持っていることです。私のベースの製作者Harvey Citronはギタープレイヤーです。そして私のアンプを作ったWalter Woodsももともとはアルト・サックスのプレイヤーです。彼等は自身の音楽的な経験を通して「ミュージシャンの耳」を養っており、その能力を楽器の製作に活かしています。ケーブルも同じです。もちろん科学、電気的な知識、技術も重要でしょう。しかし、最終的に音を決めるのは製作者の耳です。私の経験則から申し上げると、ケーブルにかぎらず、楽器にせよ、アンプにせよ製作者の耳がその製品のクオリティに大きく関わっています。Jürg はベース・プレイヤーでもあるし、VOVOXのクオリティから言っても間違いなく「ミュージシャンの耳」の持ち主です。

VOVOX ケーブルを10年近く、お使いとのことですが、これまでにトラブルはありましたか?

S.S:全くありません。信頼性に優れています。プロフェッショナルにとって信頼性は非常に重要です。VOVOXはこれまでにトラブルは全くありません、だから、私はステージでトラブルが起きたときには、アンプかスピーカー、そう、ケーブル以外を最初にチェックします。

今回の来日公演で共演のジョン・スコフィールドもVOVOXをお使いのようですね。あなたの影響ですか?

S.S:そうです。以前、一緒にツアーした時に薦めました。本人もすごく気にいっていて、それ以来、ずっと使っていますね。

最後にケーブルを選ぶときの注意点をアドバイスいただけますか?

S.S:できれば、騒々しい場所ではなく、静かな環境でチェックしたほうが良いです。それと可能ならば、ライブのシチュエーションでアンサンブルの中で試すことができればベストですね。時間はかかりますが・・・ でもVOVOXだったら、すぐに「これだ!」と分かりますよ。

2012/10収録
協力:ブルーノート東京


プロフィール

スティーブ・スワロウ

(Steve Swallow, 1940年10月4日 - )ベーシスト/ニューヨーク出身

エール大学で作曲を学んだ後、1960年よりプロフェッショナル・ベース奏者として活動。カーラ・ブレイ、ジム・ホール、ジョン・スコフィールド、トーレ・ヨハンソンなどのアルバム、ツアーに参加し、現在も精力的に活動している。また自身のアルバム「リアル・ブック」ではコンポーザーとして高い評価を受けている。

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