2022.03.28
2022年春より「メディア・インテグレーション認定スペシャリスト」による特別な製品Tips記事をお届けします!
今回のライターはギターやバンドサウンドの音作りを中心に、プラグインの効果的な使い方の解説を行う「どん底からのDTM生活〜リターンズ」Yuuki-Tさんです。
 
BIAS FX 2 等の高品質アンプシミュの登場によって、自身の楽曲をクオリティの高いギターサウンドで彩ることができます。ですが、今でも多くの方の頭を悩ませているのが「音作り」ではないでしょうか。
自分でイチから音を作ると、ギターらしさが感じられない安っぽいサウンドになってしまう。アンプシミュのプリセットからイメージに近いサウンドを選んだとしても、楽曲にうまく馴染まない。
それらを解決するために一体何を使うべきか、どのような処理が必要なのか分からず、なかなか「良い音」にならず頭を悩ませている方が多いと思います。
そもそも、ギターの「良い音」とはどういう音でしょうか。
個人によって音の好みが異なりますが、どのようなサウンドであっても「良い音」には共通するポイントがあります。私が思うギターの「良い音」とは、以下の2点を必ず満たしています。
冒頭を思い出してください。
ギターらしさが感じられない安っぽいサウンドになってしまうのは、ギターサウンドを語る上で欠かせない「太さ」と「張り」が乏しく迫力がないためです。その「太さ」と「張り」を出すことが「良い音」に繋がります。
楽曲にうまく馴染まないのは、その楽曲に適した処理が行われていないためです。軽快なポップスで求められる処理とヘビーなロックで求められる処理が違うように、楽曲のジャンルによって求められる処理は異なります。
ギターらしさを担う「太さ」と「張り」がある。ジャンルに適した処理が行われている。これらを満たした音がギターの「良い音」であり、「音作り」で狙うべきポイントだと言えます。
「音作り」が上手い方は、「良い音」にするため色んなプラグインを組み合わせています。でも、多くの方はそれらを解決するために一体何を使うべきか、どのような処理を行うべきか分からず、なかなか「良い音」にならず頭を悩ませています。
ですが、もしたったひとつのコンポーネントで、 特別な知識なしに「音作り」に必要な処理ができるプラグインがあるとしたら、頭を悩ませている問題は解決すると思いませんか。
それを解決してくれるのが、今回紹介するWaves JJP Guitars です。
 
いくら音が良くても、ある程度知識がある方でないと使えないようでは意味がないですよね。JJP Guitars はギターの「音作り」で必要な処理が言語化されているため、誰でも分かりやすく使えるように設計されているのがポイントです。
「音作り」で狙うべきポイントとして、ギターらしさを担う「太さ」と「張り」がありましたよね。それらを出すためにEQ でブーストしたり、時にはカットしたり、コンプを使ってみたりと、多くの方はアレコレやりながら上手くいかず頭を悩ませています。その頭を悩ます処理が、太さを加えたければ「WARM」スライダーを上げる、張りを出したければ「EDGE」や「PRSNCE(プレゼンス)」スライダーを上げるだけでいいのです。
ここには特別な知識を必要としません。とても分かりやすいですよね。
もちろん、その他にカッティング時のアタック感を出したい、ギターソロのサスティンを稼ぎたい等、あると思います。その時も「ATTACK」や「SUSTAIN」といったスライダーを上げるだけです。
プラグイン内部でどのような処理が行われているか考える必要はありません。欲しい効果のスライダーを上げるだけでいいんです。知識がない方でも安心してギターの「音作り」ができます。
また、「ジャンルに適した処理が行われている」というのも、「音作り」で狙うべきポイントでしたね。JJP Guitars では、自身のギターサウンドに合ったタイプを選ぶことから始めます。
本当に誰でも簡単に「音作り」できるの?って思われそうですね。ここからは、実際にJJP Guitars で「音作り」しながら、使い方について解説していきます。
まずは、以下のデモを聴いてみて下さい。
※JJP Guitars OFF
Rチャンネルのギターは、BIAS AMP 2 のToneCloud にアップされているプリセットそのままです。Lチャンネルのギターは、そのプリセットに少しだけ手を加えています。このようにアンプシミュのプリセットからイメージに近いサウンドを選び、そのまま使う方も多いのではないでしょうか。
その場合、問題になってくるのが楽曲にうまく馴染まないということ。
今回もギターのみであればそこまで悪いサウンドではないです。でも、どこか音抜けが悪く馴染んでいないように感じます。
そこで、JJP Guitars で楽曲に馴染むように「音作り」したのが以下のデモ。
※JJP Guitars ON
籠もりの原因になっていた帯域が上手い具合に削れ、スムーズな低域による「太さ」とプレゼンスの効いた「張り」が加わり、楽曲全体に躍動感が出ていますよね。
上記のデモを参考にして、簡単にJJP Guitars の使い方について解説します。
JJP Guitars では3つのプロセスによって音を作っていきます。
まずは、①で自身のギターサウンドに合ったタイプを選び、②のメインセクションで基本となるギターサウンドを作ります。今回はタイプにヘビーなロックサウンドに適した「CHUG」を選び、メインセクションのEQ で低域と高域の量感バランスをとっています。
メインセクションで基本となるサウンドを作ったら、③のセンターセクションで処理された音を足して仕上げていきます。以下のシグナルフローを見て頂くと、処理の流れがイメージしやすいと思います。
今回はサウンドの張りを出すために「EDGE」と「PRSNCE(プレゼンス)」スライダーを上げ、太さを出すために「WARM」スライダーを上げています。また、少しだけ厚みを出すために「DOUBLER」スライダーも上げています。
ジャンルに適した処理が行われるように最適なタイプを選び、メインセクションで基本となるサウンドを作った上で、センターセクションで必要な音を足していく。これまで「良い音」にならず頭を悩ませていた「音作り」が、たったこれだけで完成してしまいます。
もちろん、ヘビーなロックサウンドだけでなく、あらゆるギターサウンドの「音作り」として使えます。
※JJP Guitars OFF
※JJP Guitars ON
アンプシミュでイチから作ったクランチ気味のサウンドを、JJP Guitars で「音作り」しています。元々そこまで悪いサウンドではないですが、よりカラッと音抜けが良く、張りのあるサウンドになってますよね。
このようなロック向けギターサウンドの場合、タイプに「ROCK」を選びたくなると思いますが、「ROCK」よりも低域から中低域がより強調された「R&B/AMB」を選んでいます。ロック向けギターサウンドだからといって、必ずしも「ROCK」を選ぶ必要はありません。あくまで自身が求めているサウンド、楽曲ありきでタイプを選んで下さい。
ここではギラッとした高域の張りを出すために「EDGE」と「PRSNCE(プレゼンス)」スライダーを上げ、太さを出すために「WARM」スライダーを上げています。リバーブ成分の「VERB」は初期反射音多めのリバーブですね。ここを上げることで、独特の太さが加わります。
クリーンサウンドでも同様です。
※JJP Guitars OFF
※JJP Guitars ON
軽快なポップスでよくあるアルペジオ主体のクリーンサウンドを、JJP Guitars で「音作り」しています。キラキラっとした質感がより強調されながら、粒立ちの良いサウンドになってますね。
タイプに「CLEAN」を選び、粒立ちを揃えるためにメインセクションでやや深めにコンプをかけています。コンプの設定が分からないと悩む必要はないです。ただノブを回すだけですから。ただし、それだけだと抑揚にやや欠けてしまったため、「ATTACK」スライダーを上げてピッキングした時のキラッとした質感を少しだけ強調しています。もちろん、ここでもギターらしさを担う「太さ」と「張り」を出すために、「EDGE」「PRSNCE(プレゼンス)」「WARM」スライダーを上げています。
このように、JJP Guitars はたったひとつのコンポーネントで、特別な知識を必要とせず、シンプルなノブやスライダー操作だけでギターの「音作り」ができてしまいます。
もうギターの「音作り」で頭を悩ませる必要はありません。「良い音」を得るための技術、知識に自信がない方であっても安心して使えます。
ギターの「音作り」に悩んでいる方は、このような直感的なプラグインを是非使ってみて下さい。
Yuuki-T
「心から音楽を楽しむ」をモットーに、毎日音楽と接しています。
ひとりでも多くの人が「自分もまた音楽やってみようかな?」と思ってもらえるような記事にしたいと思っています。
どん底からのDTM生活 ~リターンズ~