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Soundwide Intro Bundle収録プラグイン使用例解説!

2022.06.10

Soundwide Intro Bundleは、DTM界を牽引する4つのメーカーがタッグを組んだ記念に販売しているバンドルで、全15種類のプラグイン+国内限定特典で4種類が収録されているもの。

通常289,520円相当のプラグインを、6,600円(税込)で、6/15までの期間限定でご購入頂けます。

本記事では、収録されている計19種類の中から下記の11種類のプラグインの使用例をご紹介していきます。

  • iZotope Neutron3 Elements
  • iZotope Nectar3 Elements
  • iZotope Ozone9 Elements
  • iZotope R4
  • iZotope NIMUBUS
  • bx_digital V3
  • bx_subsynth
  • bx_delay 2500
  • bx_stereomaker
  • Native Instruments Massive
  • UJAM Virtual Guitarist SPARKLE

短いサンプル楽曲を3曲用意しましたので、サウンドを確認しながら見ていきましょう。


クラブ系楽曲

ドラム

まずドラムを打ち込みます。

全体的にまとまりのあるサウンドだとは思いますが、ここでは早速、Soundwide Intro Bundleから、自動ミックスプラグインのiZotope Neutron3 Elementsを使ってみましょう。

Neutronは、Track Assistantという機能を使うと、サウンドを読み込みAIが自動的にミックスしてくれるDTM初心者に強い味方のプラグインです。

ここでは低域の補強を提案してくれましたが、あまりにも低音が強すぎると感じ、バンド2はオフにしました。今回はこれで行きたいと思います。

また、AIミックスでは最初ExciterがONになっていました。Exciterは歪みを加えてサウンドを活き活きとさせるものですが、今回はジャリッとした質感が適さないように感じたため、私が手動でOFFにしました。

AI自動ミックス系のプラグインは、あくまでスタートポイント・補助と考えましょう。自分が良い音だと思ったものが正解なので、気兼ねなく設定を変えてしまってOKです。

特にiZotopeのプラグインの場合、History機能が充実しており、設定値を変えても簡単に元に戻ることができます。色々試して、冒険しましょう!

さて。
ここで、低域のサウンドが少しLRににじんでいるのが気になりました。

そこで、bx_digital V3のMono-Maker機能を使うことにしました。

bx_digital V3はマスタリンググレードのEQではありますが、ステレオツールとしても優れています。

Mono Makerを使うと指定帯域以下をモノラル化することができます。

結果、以下のサウンドになりました。

いい具合に締まっていますね。


ベース

ベースには、Native InstrumentsのMassiveを使ってみましょう。

ウェーブテーブルシンセという、波形を変化させながら音作りができる定番のシンセサイザーです。WEB上にTipsがたくさんあるので、シンセを勉強するのにもおすすめです。

まず、上記プリセットを使って、ベースを打ち込みました。

このままでも良いのですが、もう少し低音域がふくよかになって欲しいと思い、低音補強プラグインbx_subsynthを使うことにしました。

さりげなく低音域に太さが加わりました。使いすぎると、簡単に破綻してしまうので、使いすぎないのが大事ですね。

このプラグインの面白いのは、bx_digital V3にもあったMono Makerです。使うと使わないとでは、低音の締りが変わってきます。

さて、ここから、ベースのMIXを仕上げるために、bx_consoleを使ってみます。

bx_consoleは、Neve系と言われるコンソールをエミュレートしたもので、フィルター・ゲート・コンプ・EQを一つの画面で操作することができます。

行った処理は、コンプレッサーとEQ処理です。特に高域のハリを出すために、シェルフでかなりブーストしています。

bx_consoleが面白いのは、TMTというアナログコンソールの癖を再現する技術で、通すだけで左右にズレが生じたり、アナログ感が付与されるところです。

bx_consoleのEQ特性(*EQを触ってない状態)


リード

リードもMassiveを使ってみます。

プリセットから選びました。

ただ、私的にはMassiveのリバーブ・ディレイはあまり好きではなかったので、Massive内のFXはオフにして、外部のエフェクトを使うことにしました。

ディレイは、bx_delay 2500です。

今回はセンドではなく、直接トラックに挿して使いました。その場合は、Wet Soloボタンを外す必要がありますので、ご注意を。

bx_delay 2500は、ディレイ音に様々なエフェクトをかけることが出来ます。

フィルター、コンプレッサー、ダッキング(原音が鳴っている時に音量を下げる)、モジュレーション(ワウ・コーラス・フランジャー)、歪み、ステレオ調整(Mono MakerやStereo Widthを広げるつまみ)など、十分な機能ですね。

ディレイの次は、リバーブiZotope R4をかけました。

初期反射・テール、どちらにもフィルターをかけられたり、左右の広さ(Width)を調整できたり、細かな調整が可能なリバーブです。今回はホール系のプリセットを選択しました。

最終的には、Neutron→bx_delay 2500→R4→bx_console とチェーンを組んで、次のようなサウンドになりました。

元のサウンドが↓こちらです。

随分、垢抜けましたよね。


ミックス・マスタリング

もう1トラック、シーケンスのキラキラとしたトラックを追加して、マスター段にOzone9 Elementsを挿します。

Ozone9 ElementsもMaster Assistantを使うことで、AIが自動的に簡易的なマスタリングを行ってくれます。

少し低域が混み合っている感じがしたので、ひと手間加えることにします。

ベーストラックの最後にNeutron3 Elementsを挿し、ドラムからサイドチェイン信号を送ります。

キックに合わせて、ベースの音量が下がるように設定します。

先程よりキックが浮いて聞こえるようになったのと、ベースにうねりが生まれていますね。

最終的なミックスは下記画像のようになりました。


アコースティック系楽曲

今回は、先に8小節のサンプル楽曲を聞いて頂きます。

この楽曲のミックス上の工夫は、アコースティックギターです。

今回は実験も兼ねて、ラインで録音したアコースティックギターの音を使うことにしました。

素の音がこちらです。

Soundwide Intro Bundleに収録のbx_stereomakerを使って、ステレオ感のあるギターにしようと考えました。

bx_stereomakerは、モノラル素材のデータを、ステレオに広げるというものです。

元の音源と聴き比べると、太くなり存在感が増しているのが分かりますね。なのに、とても自然です。

インサートしても良いのですが、今回はギタートラックをFXバスにセンドして、ドライ音と混ぜてミックスすることにしました。

ギターのリバーブには、iZotope NIMBUSを使いました。

私個人的な意見ですが、R4と比べるとNIMBUSの方が柔らかく自然な印象を受けました。今回はサウンドを滲ませたいと思ったので、NIMBUSを使いました。

ただ、ちょっと埋もれている感じがしたので、Neutronのサイドチェインコンプを使って、ギターの原音が大きくなると、リバーブが少し引っ込むような設定にしています。

一方、ピアノのメロディーは幻想的な印象にしたかったので、よりクリエイティブな音作りが得意なR4に任せています。

最終的なMIXは次のようになりました。


歌モノ楽曲

こちらも、まず楽曲を聴いていただきます。(先に言い訳しておきますが、寝起きに作ったので、それに準じた本当にどうしようもない歌詞になっています!)


ギター

ギターは、国内限定特典としてもらえるUJAM Virtual Guitarist SPARKLEです。

カッティングのパターンが入っているギター音源です。

この単音引きカッティングがかっこいいと思ったので、このパターンを起点にして楽曲を組み立てました。

このトラックもbx_consoleで、コンプとEQを整えました。

ハリが生まれていて、大変気持ちよくなりましたよね。

SPARKLEのダブリングが効いて、ステレオ感が大変心地よいです。


ボーカル

Soundwide Intro Bundleには、ボーカル用のプラグインとして、Nectar3 Elementsが付属されています。こちらもAI自動提案のプラグイン。

ただ、簡易的なものなので、EQやコンプ処理はワンノブのみの調整です。

今回は、自分でもEQ・コンプを触りたいと考え、今回はNeutron 3 Elements→Nectar3 Elementsというチェーンで対応することにしました。

まずNeutronで、Track Assistant(Voice向けのプロファイル)に提案してもらいました。

EQ・コンプはAI提案のものを微調整しました。Exciterで、少しロックっぽいザラザラとした感じを追加しています。

そしてNectar。

初期状態だと歯擦音を抑えるディエッサーの効きが強かったので、若干抑えました。

また、Neutronの段階でEQ・コンプレッサーを軽くかけていたので、こちらもTone・Dynamicsを抑えています。リバーブはいい感じだったので、Spaceを調整して足しています。

ただ、この段階だと、声の厚みが少し足りないようにも感じました。

声だけが浮いて聞こえるような感じです。

そこで、ボーカルにスラップバックディレイを追加することにしました。

スラップバックディレイとは、短いタイムのディレイを追加する手法のことです。今回はbx_delay 2500をFXトラックを立ち上げて、センドで送りました。

厚みが出て、オケと声の分離感がなくなりましたね。

あまり高音域が立ちすぎないように、フィルターをかけたり、Stereo Widthを下げたり、ダッキングを利用したりして、「聞こえるかな?」くらいの設定にしているのがポイントです。


コーラス

今回「フフフ フッフー」というコーラスを入れています。

コーラスの処理の仕方は様々で、人それぞれだと思います。(私は普段、Waves Doublerを使うことが多いです。)

今回はせっかくなのでbx_stereomakerを使ってコーラス感を出せないかを試そうと考えました。

コーラスは2回録音して、それぞれにbx_stereomakerを使い、その上でLRに振っています。

ただし、Lをモノラルのまま、Rをステレオにしています。

どちらもステレオにした場合、私的に気持ちが悪いと感じる変化だったのですが、この設定にしたら、今回は自然に聞こえたので採用しています。ちなみに信号の大きさが左右異なるように感じたので、Rのみフェーダーを2db下げました。

*注 bx_stereomakerは、本来モノラル音源をステレオにするものなので、モノラルトラックのまま使用するのは、トリッキーな使い方だと思います。使い方の一例としてご覧下さい。

また、コーラスBUSではNeutronを使っていますが、コンプレッサーを最速にして頭を潰して、張り付くようなサウンドにしています。


最終的なミックス

マスター段にはOzone9 Elementsを挿しています。

比較的プラグイン数も少ないシンプルなMIXですが、十分聞き映えのするものに、なっていると思います。


まとめ

以上が、Soundwide Intro Bundle収録プラグインの使用例です。

普通にミックスをする上で十分なプラグインが収録されているのが、分かって頂けたかと思います。

プラグインをあまり所持していないDTM初心者~中級者にとっては、夢のようなバンドルだと思います。この機会を逃すのはもったいないですね。

本記事が、実際にプラグインを使用する際の参考になりましたら幸いです!

>Soundwide Intro Bundleご購入はこちらから


渡部絢也

作編曲家・シンガーソングライター

「地方にいながら、音楽でご飯を食べる」で早十数年。
東北秋田県で田舎生活をしながら、音楽にいそしむ。
メイン楽器はアコギ。歌も歌うDTMer。

・音楽制作依頼(舞台ミュージカル音楽・CMソング&BGM等)
・ブログ運営(音楽理論解説&VSTプラグイン解説)
・教材販売(使えるギターコード進行集など)
・ユニット「ウタトエスタジオ」では、ファミリー向けの作品作りも。

丁寧解説がモットー。ぜひHPにも遊びにいらして下さい。
https://watanabejunya.com/

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