2025.06.03
ボーカル処理で最も難しい要素のひとつは「ダイナミクス」と言っても過言ではありません。どれだけ素晴らしい歌唱であっても、音楽全体に自然に馴染ませるには、音量バランスへの工夫が必要です。
その作業を効率化してくれるのが、Sonnox Voca。ボーカルチェーンの最初に挿しておきたい、頼れる一本です。
「Aメロが小さすぎるけど、サビは大きすぎる……」という悩みはよくある話。そのたびにオートメーションを書き続けるのは大変ですよね。
Vocaに搭載されているAuto Gainは、トラック内の音量を自動で検出・補正し、自然でバランスの取れたダイナミクスに整えてくれます。
コンプレッサーを使う前にこの段階で音量のベースを整えておけば、後の処理もぐっとラクになります。
下図はAuto GainをONにする前後の波形比較です。全体のダイナミクスの傾向(強弱の流れ)は保たれつつも、音量の極端な差が抑えられ、静かな部分が少し持ち上げられているのが分かります。これにより、後続のコンプレッサー処理がより自然にかかりやすくなります。
一般的なコンプレッサーはノブや数値が多く、「スレッショルド?レシオ?」と初心者にはハードルが高いものも。
VocaのCompressorは、そんな複雑さを排除し、上下・左右に動かす視覚的なインターフェースだけで調整可能。
どちらも>耳で聴いて、目で感じて操作できるので、「感覚的にちょうどいい」ポイントが見つけやすくなっています。
Saturation(サチュレーション)は、ボーカルに温かみや質感、個性を加える処理です。
Vocaでは、以下の2つのノブでサウンドの奥行きやキャラクターを直感的にコントロールできます:
これまで複数のプラグインや手間のかかるオートメーションで実現していた処理が、たった一つのノブで完結するのは驚きです。
Sonnox Vocaは、オートゲイン、視覚的コンプ、そしてサチュレーションまで一体化された、ボーカル処理のファーストステップにぴったりなツール。 基礎をしっかり整えつつ、楽曲にマッチした存在感あるボーカルに仕上げることができます。
ボーカルに迷ったら、まずこの一本から始めてみませんか?
Voca