好評連載中のSonnox QuickTips。本日は記念すべき第10回、Oxford Reverbを使った空間コントロールとサウンドメイキング編です。
2011.12.07
スタッフHです。
好評連載中のSonnox QuickTips。本日は記念すべき第10回、Oxford Reverbを使った空間コントロールとサウンドメイキング編です。サウンドメイキングというと、ベーシックなEQ、コンプ、またはアンプシミュレーターなどのトーンコントロールを想像しがちですが、今回はなんとリバーブを使ったサウンドメイキングをご紹介。
かつて私がミックスやサウンドメイク、レコーディングに興味を持ち始めた頃、どの本を見ても「リバーブはセンドリターンで使うもの」と、お約束のように書かれていました。まぁ最初期のリバーブプラグインはいずれもCPU負荷が高めで、複数立ち上げる事も苦しかったという理由もありましたし、ベーシックにひとつのリバーブへセンドして、空間を作る事も最初の勉強としては良かったと思います。
コンピューターのパワーもあがり、ひとつのマシンの中で複数のリバーブ系プラグインを立ち上げる事もできるようになってから、チャンネルにリバーブをインサートして使用する手法も珍しいものではなくなってきました。リバーブによって広がりや奥行きを与えるだけでなく「サウンドメイキングの手法」としてのリバーブ使用方法です。本日はそういった使い方のムービーをご紹介します。
モノラルレコーディングされたギタートラックにリバーブをインサートし、ステレオアンビエンスを加える手法。いわゆるリバーブっぽさだけではなく、ギターのトーンも変化している点にご注目ください。
いかがですか?Oxford Reverbによって広がり、奥行きを加えただけではなく、鳴りのいいスタジオでマイク録りをしたような空気感を加える事に成功していますね。Oxford Reverbはウェット/ドライの割合を変更できるパラメーターが付いていますので、個別のトラックにインサートしても全く問題なく使用できます。
Oxford Reverbで特筆すべきは、リバーブの「アーリーリフレクション(初期反射)」と「テイル(残響)」のバランスをスライダー1本で調節できること。「このリバーブの質感が最高なんだけど、もう少しだけルームっぽさが欲しい」なんてときに、個別の調整を行うのではなくスライダーでバランスを取ることができるんですね。このムービーでは、アーリーリフレクションの要素を増やし、ギターブースっぽいサウンドメイクを行う事に成功しています。
Oxford Reverbは前面にスライダーがたくさん並び、一見すると使いこなせるかなぁ、と不安になりそうですが、初期反射/残響/EQ/ブレンド具合と区分けがされているため、私が知っているリバーブの中でもかなり分かりやすく、使いやすい部類に入ると思います。ムービーでは触れられていませんが、リバーブ「だけ」にかかるEQが搭載(もちろんOxford EQ譲りの!)されているのも心強いですね。
解説: Rich Tozzoli
Rich Tozzoliによる、ミキシングを中心にOxfordプラグインのクリエイティブな使い方を紹介するTips集!
グラミー賞ノミネートのプロデューサー/エンジニア/コンポーザー、Rich Tozzoliは、アル・ディメオラ、デビッド・ボウイ、ホール&オーツをはじめとするアーティストのプロデュース/エンジニアを担当。ディズニー・チャンネル、HBO、FOX NFL、アニマル・プラネット、Nickelodeonなど数多くのTV番組楽曲も手がけています。
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