Sonarworks Artist Reference 4レビュー:福富雅之
2018.11.26
Reference 4導入前のモニター環境で
不満や不便に感じていたこと
使用機材
- DAW: Cubase (Windows 10)
- モニタースピーカー:FOCAL Twin6 Be
- ヘッドフォン:AKG K712 PRO / YAMAHA HPH-MT220
1.ヘッドフォンとスピーカーの差
夜中ヘッドフォンで作った楽曲を、スピーカーで鳴らすと思うようなバランスにならない…。ヘッドフォン/スピーカーのイメージが近い製品、自分で音を掴みやすい製品を選んではいますが、何年音楽を作っていても迷うところです。
2.「低音の量」の判断
「低音の処理」というと専門的ですが、もっと根本的に「どのくらい出すか?」「出ているのか」ということに長年試行錯誤していました。
アナライザーで視認はできますが、実際にちゃんと聞けて、モニター出来ているわけではないため、今でも迷うことが多いです。
Reference 4の解析結果についての感想
解析して驚き!100Hz周辺の凸凹。それぞれいつも物足りないなぁとブーストしていた所と、ポコンとしてるなぁとカットしていた所です。エンジニアさん今までごめんなさいと思いました。
Reference 4の効果が制作にどのように影響したか
1.ヘッドフォンとスピーカーの差
ヘッドフォンで夜中作業して、起きてからスピーカーでチェック。
この時が一番Reference4導入して良かった!と思いました。
いつもならこの段階で全体のバランスを取り直すことが多いのですが
特に直すことも無く、そのままデモとして提出できる状態になっていました。
ヘッドフォンだけで最適なモニターが出来ているという事でもあるので
スピーカー無し環境の人はHeadphone Editionを買っても効果抜群だと思います。
2.「低音の量」の判断
補正後はしっかり聞こえてくるので、フェーダーバランスひとつとっても良い方向へ影響します。
キックの音量、ベースの音量に迷わなくなりました。
今まで聞こえにくい部分は、アナライザーで視認してやっていたのですが
ちゃんと聞こえると判断が早い!そしてもちろんEQやコンプの効きも分かりやすいです。
少しの設定の上下にも音が食いついてきます。
Reference 4について感じたこと
正直、「フラットなモニターバランス」という言葉には、それの何が…と思う部分もあり、
懐疑的でした。すみませんでした。もうReference4無しではやれないほど良いものです。
自分が一番迷っていた部分ばかり書きましたが
モニターのしやすさ、EQやコンプの聞き取りやすさ/判断のしやすさは、全帯域にわたって効果があります。
総じてReference4を使うと、ヘッドフォン/スピーカーが「補正される」というより、「MIX本気だすモード」に切り替わるイメージです。
最初は、聞き慣れた音から変わることに戸惑うかもしれませんが、DAWを立ち上げて作業してみて下さい。
ヘッドフォン/スピーカーが本気を出してくれます。
追記
書き出しのときプラグインON/OFF良く忘れるのでSystemwideだけで全部まかなえると嬉しいですね。
メーカーさんよろしくお願いします!(macならいけるのかな?)
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