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トップ・プロが語る新感覚ソフト音源メーカー「MNTRA(マントラ)」の魅力

2023.12.29


第1回: 小畑 貴裕 氏

今年8月の発売以来、多くのクリエイターに賞賛していただいている新感覚音源メーカー、MNTRA。その魅力について、「約束のネバーランド」「ニンジャラ」など数々の劇伴を担当されている作編曲家の小畑 貴裕さんにお話を伺いました。


”音色ありきで曲ができてしまうというか、そういう可能性を感じる音源です。”

小畑 貴裕
◎ MNTRAを使い始めたきっかけ

ぼくは新しい音源を常にチェックしているんです。こういう音源って、早い者勝ちではないですけど、いかに早くおもしろいものを見つけて使うかが重要だと思っているんですよ。MNTRAもその中の1つで、確か8月の終わり頃だったと思うんですが、たまたま見つけてデモ版を落として試してみたんです。そうしたら1音鳴らしただけで凄くインスピレーションが湧くサウンドで、これは何かに使えるんじゃないかと思い、すぐに購入しました

◎ 実際に使用してみての感想

全製品持っていますが、本当にインスピレーションが湧くサウンドですよね。劇伴の仕事では、なかなかイメージが浮かばないこともあるんですけど、そんなときはMNTRA音源の音色がインスピレーションを与えてくれる。無償でダウンロードできるピアノ音源のKlavirも、ローファイな音色 のループが良くて、それをモチーフに1曲作ってしまったくらいです。ストリングス系の音源も、特殊奏法とかしっかり入っているので、ホラー作品とかの劇伴には重宝しますね。音色ありきで曲ができてしまうというか、そういう可能性を感じる音源です。それと現在のトレンドをちゃんと理解して開発されているのもいい。たとえばNetflixの作品などでは、数年前からアナログ・シンセを今風のエフェクトで加工したような音色が増えているんですよ。ぼくはアナログ・シンセを1台も持っていないのですが、MNTRAにはそういう音色が高いクオリティでしっかり収録されている。少し前に無償配布が始まったTenebrae-LEなんかもそうですよね。劇伴用に特化した音源って、民族楽器的な音色が多かったりするんですけど、そういう音源って意外と使いどころが限られてくるんですよ。その点MNTRAは、シンセ系の音色が多いのが良いなと思います。また、元のサンプルの解像度が高いからか、音が抜けるのもいいですね。他の音源と混ぜても、MNTRAの良さが埋もれずに、上手く混ざってくれるというか。高解像度サンプルを使用しているというのはMNTRAのウリの1つだと思うんですけど、それは実際に使っていても感じます。

◎ 特に気に入っている機能

ぼくはもともとプレーヤーなので、何と言ってもモジュレーションですね。モジュレーションによって音色だけでなく、音の数とかも変化するので、それが凄くおもしろい。特にユーザー・サイドで設定しなくても、いい感じで音が変化してくれますしね。その変化も、音源によって違ったりするんですよ。フィルター中心に変化するときもありますし、モジュレーションによってノイジーになる音源もあったりする。こういう音色変化をする音源は、これまでもあったと思うのですが、MNTRAは、XYZの3つのパラメーターで、いい感じにモジュレーションできるのがいいですね。『MNDARA 2』(マンダラ 2)という独自のサウンド・エンジンを使用しているからか、音色の変化も凄くなめらかです。

小畑 貴裕
◎ おすすめの音源・3選

まずは新しいアーティストシリーズのTenebraeですね。これはめちゃくちゃ良いです。凄くインスピレーションが湧く音色で、映画音楽とかにも使えますね。他の音源の中には、何かと混ぜないと使いにくいものもあったりするんですけど、Tenebraeは1音色で完結してしまう。最近の仕事で、飛び道具として活躍しましたよ。次に挙げるとすれば、無償のピアノ音源のKlavir。これが無償なんて、本当に“ありがとうございます”という感じです(笑)。あともう1つは何だろう、Arcaですかね。ダークな感じの音源で、これも仕事で使いましたよ。


Tenebrae (テネブレ)

Klavir (クラヴィア)

Arca (アルカ)

◎ MNTRAに期待すること

これからもどんどん新しい音源がリリースされると思うんですが、ホラー作品に合いそうなダーク系の音源はかなり充実していると思うので、明るいイメージの音源が出てくれると嬉しいですね。コミカルで、温かい気持ちになれるような音源というか(笑)。


小畑 貴裕 氏 (おばた たかひろ)

Atabo Studio 主催 作曲家/編曲家/ピアニスト

1984年生まれ。大分県出身。4歳より鍵盤楽器を始め、14歳からジャズに傾倒する。作編曲、オーケストレーションを河野敦朗氏、ジャズピアノを田村勝哉氏、クラシックピアノを宮崎由紀子氏各氏に師事。

大学在学中にジャズスポットでプロとして演奏活動を開始。演奏では、水瀬いのり、サラオレイン、藤沢音楽朗読劇などでキーボーディストとして参加。

2019年に音楽担当したアニメ『約束のネバーランド』では、Anime Trending 6th で Best Award Soundtrack で1位に選ばれ、中でも『イザベラの唄』は世界的に沢山の方々に聴かれている。

自身のジャズサウンドを様々なジャンルに融合させるのを得意とし、オーケストラからバンドサウンド、ダンスミュージックを取り入れるなど幅広い。


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