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トップ・プロが語る新感覚ソフト音源メーカー「MNTRA(マントラ)」の魅力 第2回

2024.03.18


第2回: 田辺 恵二 氏

2023年8月の発売以来、多くのクリエイターに賞賛していただいている新感覚音源メーカー、MNTRA。その魅力について、ゴスペラーズ、古内東子、CHARA、SMAP、AKB48をはじめとした数多くの著名アーティストのアレンジや楽曲提供を手がける、作編曲家の田辺恵二氏にお話を伺いました。


”ハイ・サンプル・レート/ハイ・ビットの抜けてくる音色が、バチッとハマるときがあるんです。”

◎ MNTRAを使い始めたきっかけ
Rasa
▲ MNTRAの様々な製品のエッセンスを収録した無償の音源「Rasa (ラサ)」

“将来的にGPU Audioに対応予定”という触れ込みを見て、それで興味を持ったのが最初だったと思います。確か『IMSTA FESTA Tokyo』(注:2023年6月開催)の後くらいだったかな。さっそくフリーの「Rasa (ラサ)」をダウンロードしてみたんですけど、見た目以上に楽器として使える音源だなと。出音も凄く良くて、ハイ・サンプル・レート/ハイ・ビットで収録されていることを知り、なるほどなと思いましたね。そこから1つ1つ試していって、結局すべての音源を購入してしまいました。

◎ 実際に使用してみての感想

レイヤー感が不思議で、一聴しただけでは“これ、何の音だろう?”という感じなんですけど、しっかり楽器として使える音になっているのが凄いですよね。開発した人が劇伴作曲家らしいので、おそらく自分が欲しい音源を作ったんじゃないかと思うのですが、アイドル・ソングとか普通のポップスでも活躍してくれる音源だと思います。

MNDRA2-Presets
▲ 製品ごとの垣根を超えてプリセットをブラウズすることができるのもMNDALA 2の特徴の1つ。探している音色に素早く辿り着くことができる。

それと凄く出音がなめらか。これはきっと「MNDALA 2 (マンダラ2)」という独自のサウンド・エンジンによるところが大きいのではないかなと。また、MNTRAは凄く使いやすい。たくさん音源が出ていますけど、実際に使用するときは、ブラウザーで分け隔てなく音色を選ぶことができるんですよ。その音色がどの音源なのかということを意識する必要はない。音色の検索性も優秀で、ブラウザーでイメージに合う音色を素早く見つけることができます。音色のロードもめちゃくちゃ速いですしね。見た目は変わっていますけど(笑)、本当に即戦力になる音源です。今はみんなKOMPLETEや定番の製品を持っていますし、どのクリエイターも使う音源は一緒だと思うんですよ。いくら個性を出しても、“はいはい、これはあの音源ですね”と分かってしまう(笑)。そんな中でMNTRAの音源は、他のクリエイターとの違いを出せる音源ではないかなと。音色に迷ったときに使ってみると、ハイ・サンプル・レート/ハイ・ビットの抜けてくる音色が、バチッとハマるときがあるんです。

◎ 特に気に入っている機能
GUIアニメーション
▲ XYZの3軸で立体的な表現が可能なモジュレーション機能。パラメーターの動きに合わせてGUIもアニメーションする仕様になっている。

何と言ってもXYZの三次元モジュレーション機能ですね。MNTRAの音源を使うときの自分なりのワークフローがあって、1小節ないし2小節のフレーズを作った後、XYZのパラメーターをハードウェア・コントローラーのツマミに割り当てるんですよ。そしてフレーズを再生しながら、ツマミをグリグリして、その変化をオートメーションとして記録していく。XYZにおいしいパラメーターがアサインされているので、それを変化させるだけでも、かなりの音づくりができますよ。ちなみにMNTRAは、音色の変化に合わせて、ユーザー・インターフェースも変化するんです。まったく音には関係のない機能ですけど(笑)。

◎ おすすめの音源・3選
Atma-GUI
▲ 神聖な響きのサウンドを集めた音源「Atma (アトマ)」

まずは「Atma (アトマ)」ですね。アンビエント的というかサウンドスケープ的というか、一聴してイメージが膨らむような特徴的な音色がたくさん入っています。サウンドスケープ的な音色と言っても、しっかりコード感があるので、劇伴だけではなく普通の楽曲でも活躍してくれる。最近流行っているK-POPのような楽曲にもバッチリで、他の音とぶつかってしまいそうな“何だこれ?”というクセのある音色の方が、逆にハマったりするんですよ。音色からトラックを作ることができるというか。まさにこういう音源は、“使ったもの勝ち”ですよね。MNTRAに興味を持った人に、とりあえずおすすめなのは、無償でダウンロードできる「Rasa (ラサ)」です。他の音源からプリセットを抜粋したカタログ的な内容になっているので、MNTRAにはどのような音源があるのか知ることができます。

Atma-GUI
▲ 受賞歴のあるホラーゲームでのサウンドデザイン技術を詰め込んだ不気味な雰囲気のホラー音源「Kymera (カイメラ)」

あとは何だろうな……。ホラー系音源の「Kymera (カイメラ)」ですかね。ぼくは、ストック・ミュージックにも参加しているんですけど、Kymeraがあれば無限に作ることができます(笑)。本当に、適当に鍵盤で鳴らすだけでインスピレーションが湧く音源ですね。


Atma (アトマ)

Kymera (カイメラ)

Rasa (ラサ)

◎ MNTRAに期待すること

アタックが強めな音源が増えてくれると嬉しいですね。ぬるっとした音色が多い印象なので、もう少しアタックが強い音源が増えてくれると嬉しいかなと。それと製品名が読めないので、メディア・インテグレーションさんにはぜひカナを振っていただきたいですね(笑)。


田辺 恵二 氏 (たなべ けいじ)

日本レコード大賞金賞受賞 作編曲家

1991年よりCHARAや古内東子のデビューアルバムに参加。

及川光博やゴスペラーズのアルバム、ツアーに音楽監督、作編曲家として参加。

以降SMAP、浜崎あゆみ、柴咲コウ、岡本真夜、AKB48、SKE48に楽曲提供。

2002年、2006年、日本レコード大賞金賞受賞(編曲)。

現在は作家活動の他、ネットTV MCやラジオパーソナリティ等、他分野にも精力的に活動中。(敬称略)


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