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繋ぐだけで過激で個性的な音が出る、とにかく楽しいエフェクターたち – Gamechanger Audio Effects Review by 春ねむり

2025.06.18

2023年リリースのアルバム作品 "INSAINT" でもPlasma Coilを使用していた春ねむり氏。
今回は 春ねむり氏 にGamechanger Audioの全ペダル製品を試して頂きました。


Plasma Pedal & Plasma Coil

- この2機種は過去レコーディングで使われたことがあるんですよね。

そうです、そうです!INSAINTという作品のレコーディングで使ったことがあって、そのときはギターで使いました。今回はシンセサイザーとの組み合わせていろいろ試してみましたが、その音が持ってるもともとのギザギザが表に出てくるっていうか、お前本当はそんなにギザギザな音だったんか!って楽しくなっちゃいますね。

Gamechanger Audio Effects Review by 春ねむり

Plasma PedalはPlasma Coilよりはおとなしくて、Gamechanger Audioの中では普通のディストーションの扱いだと思うんですけど、なんかその基準がウケるというか、人間界のレベルで言うとこれは両方とも凶悪なファズです(笑)

Logicに入ってるプラグインにこれがあったら、多分これしか使わないだろうなってくらい、好きなファズの音がします。今回はオルガンにかけて試したんですけど、めっちゃ合いますね。これでなにか邪悪な讃美歌のバッキングをしたい気分です。

- BLENDノブを最大にすることで、楽器のピックアップや弦のハムノイズを含む余分なノイズがすべて遮断されて、ゲート的なコントラストを演奏に加えることができます。ドラムループなどを通すとバツバツ切れるような効果もつけられたり、演奏やサウンドデザインの幅もグッと広がります。

うわ、それやりたい!ドラムに立ててるアンビマイクの音をこれに通して、ゲートっぽいところ探っていければ使える音ができそうですね。

ふたつの機種を比べてみて、Plasma Coilのほうがより邪悪さがあるというか、粒がギザギザしてるという感じがします。Plasma Coilの方にしかついてない右側のフットスイッチ*は設定によってオクターブ下の倍音が出せたり、面白い変化を加えたりできるので、ライブではこっちのほうが楽しそうですね(*ラッチ、アンラッチの切り替え可)。破滅の音がします!!(爆笑)

Gamechanger Audio Effects Review by 春ねむり

Plasma Pedalのほうが細かい音作りはできそうだけど、Plasma Coilのほうがなんというか、邪悪でかわいい(笑)たまにこういう音を10分くらい聴くと、気持ちが楽になるかもしれません。ノイズ屋さんならPlasma Coilのほうがオススメかな、偶発性も高そうですし。

実はレコーディングのとき、初めは普通のディストーションの類だと思って使ったんですよ。何も知らずにギターに繋いでみたらバリ!ボコ!ってすごい音がして。音の壊れ方は好きだったですけど、少しでも弾き方がブレると音が変わっちゃうので、椅子に座ったままおとなしくレコーディングした記憶があります(笑)


Autoシリーズ

- Gamechanger AudioのAutoシリーズは、Delay、Chorus、Reverbの3種類があります。

Plasma Coilと合わせて使ってもいい音ですが、元の音もきれいだから歪みばっかりだと音がもったいなく感じてしまうかも?Delayは、シンセであればアルペジエーターと組み合わせると面白いですね。ラピュ◯だ!みたいな音になります(笑)

Gamechanger Audio Effects Review by 春ねむり

Tapeモードだと、TIMEのツマミでディレイ音のピッチがグニョグニョ動かせます。Tapeディレイ好きなんですよ、ひねったときの音がかわいいから。

- 単体でも使えるんですが、パッチケーブルでそれぞれのパラメータをつなぐとモジュラーシンセみたいな使い方ができます。

例えばこの赤い点よりも高い音程だけディレイがかかって、それ以外には反応しない、みたいな使い方ができます。

Gamechanger Audio Effects Review by 春ねむり

すごい…すごいけど、正確性とかめちゃくちゃ問われますね?(笑)ベースのスラップとかだけディレイがかかるとか、リバーブがかかるとかそういうの面白そう。

- せっかくベースをお持ちいただいてるので、ベースのハイポジションの音だけディレイをかけるような設定にしてみますね。

なるほど、ハイポジションでメロディを弾くときだけディレイがかかって、ルート音はドライなままみたいな演奏ができるんですね、これ面白いかも。DAW上とかミックスで後々の処理でやっちゃう作業を、ライブ現場でできますね。この子はインテリなのかガテン系なのかよくわかんないけど(笑)

Gamechanger Audio Effects Review by 春ねむり

- ぜひChorusも試してみてください。

うお、お前すごいな!Feedbackをひねるだけでもすごい音になりますね。ちょっと金属的なうねりというか、こういう音大好きです。深夜3時のスタジオで流してたらみんな寝るやつですね(笑)

たまにDAW上のアンプシミューレーターで、ギター用のエフェクトをかけたりもするんですけど、そういうのって音の傾向がギター向けなんだなって思うことも多いんですが、Autoシリーズはシンセでもベースでも、楽器に関わらず全然違和感ない音がでていると思います。

Reverbは、ちょっと変わった子が多い中で素直なホールリバーブのような音も出せたり、めっちゃきれいな音が出ます。トーンあげたときの高音のふわって感じが誰もいないチャペルみたいな音ですね(※要モード追記)。

モードを変えると倍音が増えてパイプオルガンみたいになったりして面白い。チャペルのある学校に通ってたんですけど、急に母校のことを思い出しました(笑)

パッと見はどれも難しそうな印象があるんですが、音自体は直感的に触れそう。3機種をまとめると「ウケる」のがDelay、「難しい」のがChorus、Reverbは「いい子」です(笑)

Gamechanger Audio Effects Review by 春ねむり

Light Pedal

- dryノブでは、エフェクト音をどれだけ出力する音に混ぜるかを調整できます。右側1番上のノブでエフェクトの種類を選択できます。

WET音だけにして、reflect *に設定したときのこのほわほわした音というか、金属な響きがすごいです!欲しい!(*スプリングの信号がリピートされてディレイのような効果になります)

Gamechanger Audio Effects Review by 春ねむり

harmonic *はホラー映画とかにいいかもしれない、悲鳴っぽい感じがします(*入力信号に対して1オクターブ上と下の音をミックスできます)。実音を混ぜないで使うほうが私は好きかも。ヒーリングミュージックみたいで心が癒やされますね(笑)

DAWで疑似ハウリングというか、そういうニュアンスの音を作ることが多くて、ソフトウェアの場合すぐにピークがきて飽和してしまうんですが、実機だと余裕があるというか、音が飽和しないでちゃんときれいなままなのがとてもいいです。

少しいじるだけで音が劇的に変わったりして…これから世界に悪いことが起きるときの音がしたり(笑)Light Pedalのみで音を鳴らしても、これだけで映画のサントラみたいのが作れそうです!Plasma Coilとの組み合わせでもすごく邪悪で可愛い音が出てきて嬉しくなります。

この本体の真ん中のライト、これがいいですね。この真ん中のバネって本物ですよね??

- 本物です(笑)振ったりするとちゃんと音がでますよ。

あ、ホントだ!ホログラムみたいな偽物かと思いました。なんで?みたいな音が突然出るので、そういう音が欲しい人にはこれがオススメかな?不穏な倍音がでたり偶発性もあって最高です。


Plus Pedal

- Plus Pedalはサステインだけをループして伸ばすエフェクターです。例えばギターでコード弾いたあとに踏み込んで、和音のサステインを後ろで流した状態でメロディを弾くとか、そういうことができます。

どういう仕組みだろう…謎だね君?操作はちょっと癖があるけど、いくつか音を重ねたりもできるんですね。鍵盤よりもギターやベースのほうが面白いかも?ガチでマニアックすぎるので、これがペダルボードに入ってるギタリストはやばいなって思います(笑)

Gamechanger Audio Effects Review by 春ねむり

慣れてくるとスムーズに和音も作れますね。ルーパーではなくて、でもひとりでバッキングも演奏もしたいとか、そういう方向で使いたいという需要はありそうです。

ギターのレコーディング時に、(ポジションが遠すぎて)この音とこの音は同時に弾けないです!って言われることがあるので、そのときはこれ使ってもらおうかな(笑)練習してて一番楽しいのはもしかしたらPlus Pedalかもしれません。


Bigsby Pedal

- これはギターのアームと同じように音全体のピッチを上げ下げできます。手前側に踏み込むと音が下がって、奥に押し込むとピッチがあがります。

上げる方向は手だとちょっと難しいけど…シーケンスと組み合わせると面白い。あの、なんていうか、ゲームの中ボスが登場するときみたいな音とか出せます(笑)

モジュレーション系は切って、普通のアーミングとして使うのがメインになると思うんですけど、パソコンだったら一発で作れるであろうこのうおんうおんって音を、あえて手で?足で?やるところが面白いですね。機械っぽくないニュアンスというか、グルーヴというか、ギターじゃなくてもそういう音がハマるときはありそう。

Gamechanger Audio Effects Review by 春ねむり

今みたいに手で触ればモジュレーションノブも動かせるので、過激なノイズを作るのであればこのスタイルのほうがいいかも。Plasma Coilと合わせて破滅的な音にするのもいいですね!


全体を見返してみてAutoシリーズが一番むずそう感はありますが、どのエフェクターも繋ぐだけで「レゾナンスがきつすぎますよ!」ってエンジニアさんに怒られそうな個性的で過激な音が出ています!

ただ音通すだけでも配信サービスなんかで出てくる、40秒くらいのノイズ音楽みたいな曲がすぐに作れます。このノイズだけで2時間くらいは平気でトリップできそう(笑)なにが起こってるかは正直よくわからないけど、とにかく楽しいエフェクターたちです!


春ねむり
春ねむり

横浜出身のミュージシャン/プロデューサー。自身で全楽曲の作詞、作曲、編曲を担当する。これまでに複数回のワールドツアーを開催し、約100公演にも及ぶ海外公演を開催。『春と修羅』(2018年)、『春火燎原』(2022年) と2枚のフルアルバムを発表し、23年、楽曲「watermelon(demo)」でイスラエルによるパレスチナ占領に反対を表明。2025年にはよりDIYかつアナーキーな表現の追求を掲げ独立を発表し、自主レーベル「エコラプトメノス」を設立。8月1日 (金) にニューアルバム『ekkolaptómenos』をリリースし、9月より北米9都市を巡るツアーを開催予定。また10月からはキャリア初となる全国ツアーを開催することが決定。


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