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Focal ST Solo 6 導入インタビュー:tofubeats

2023.06.01

常にシーンの最先端を走り続け、新しい表現を開拓しているtofubeats氏。ダンスミュージックの制作には何よりも正しく、モチベーションをキープできるモニタースピーカーが欠かせない、と語る氏が新たに導入したのは、Focal ProfessionalのST Solo 6だ。前モデルのSolo 6 Beを入れ替える形で導入されたST Solo 6だが、一聴して「バージョンアップ感がすごい」と感じたという。トラックメイクだけでなく、サウンドメイク、ミックスでも高い評価を集める氏はどういった理由でST Solo 6の導入を決めたのか、お話を伺った。


バージョンアップ感がすごい

- Focalの新たなトップモデル、Focal ST Solo 6を導入くださったとのことですね。直前までのスピーカーは、同じくFocalの前モデル、Solo 6 Beでしたよね。

はい、Solo 6 Beに加えて、他社製のスピーカーも並べて使っていました。Solo 6 Beがメインで、割と地味な「作業用」のスピーカーとして他社製を使っていた感じですね。

- ではSolo 6 Beが入れ替わってST Solo 6になったということですね。音の第一印象はいかがでしたか?

基本的なチューニング、音の方向性は変わらないなと思いましたが「バージョンアップ感がすごい」とも感じました。すぐに気に入って、導入することを決めましたね。特にローの質感、量感と、判断のしやすさは別格と感じました。一時期、Solo 6 Beと一緒にサブウーファーも使っていたのですが、ホームスタジオにST Solo 6があるならもうサブウーファー不要です。

Focal ST Solo 6 導入インタビュー:tofubeats

- 作業部屋はどれくらいの広さですか?

4.5畳くらいです。ST Solo 6に変えてからは低域のダブ付き、ふらつきが極端に改善されたように感じます。強いて言えば、Solo 6 Beの印象として、特にローエンドがブンブン鳴ってるような曲だと、スピーカーの振動によって鈍ったような、追いついていないような感じがあったけど、そこが劇的に改善されていますね。

- 低域もそうですが、新しいST Solo 6ではウーファーの周囲のゴム素材部分に新たなTMD(Tuned Mass Damper)技術が採用されており、従来の製品に比べ1〜3kHzの歪みを50%低減することができました。

確かに歪み感もなく、落ち着いて聴こえますよね。トータルでバランスがいいから、低域の遅延感の無さがむちゃくちゃ改善されてるなという印象を受けます。スピード感が良いとも言えますよね。本来の音がそのまま聞こえる感じが素晴らしい。

僕はもともとベリリウムツイーターとか、リボンツイーターのような「速い」感じが好きなんですが、今回のウーファーはそのスピードにちゃんと最適化されていると感じています。「ピタッと感」が他のスピーカーとはまるで違いますね。

Focal ST Solo 6 導入インタビュー:tofubeats

- そもそもtofubeatsさんがモニタースピーカーに求める要素はなんでしょう?

うーんムズいな....。でも、モニタースピーカーなので、まずは粗探しがしっかりできる解像度は絶対に欲しいところですよね。かといって、能面のような無表情のものは作っていて面白くない。色付けがありすぎると邪魔になる。そういう意味で、Focalのスピーカーはフラットなんだけど、チューニングの趣味が自分と合っている感じがするんですよ。僕はヘッドフォンもFocalのClear MG Proですし。Focalなら安心か、と思わせてくれます。

- STシリーズになって、初めてSolo 6にも「フォーカスモード」が搭載されました。これは、ツイーターをバイパスして、ウーファーのみを駆動。110Hz〜10kHzだけを再生させるモードです。

これはめちゃめちゃ感動しました!ST Solo 6はめちゃめちゃ良い音なのに、フォーカスモードになると途端にさっき話した「能面のような無表情なモニター」になってくれる(笑)想像以上につまらない音になってくれるので、逆にテンションが上がっちゃいました。

- 実際、使いますか?

かなり使うことになると思いますね。特に自分の場合だと、ピッチ補正の作業はフォーカスモードの方がいい。ピッチをしっかり取る作業って、地味な音の方が間違いなく作業できるんですよ。ヘッドフォンとかでやるとミスが出がちですね。

この1台の本体に2台分、2種類のモニターが入ってるってことですからね。意外と使う機能の1つになると思います。フルレンジの良い音ばかりで作業をしていると、思ってる以上に取りこぼしが発生しますからね。


DSPが搭載されていないと聞いて、安心しました(笑)

- 話は前後しますが、tofubeatsさんがFocalを使い始めたきっかけ、注目した理由はなんだったのでしょう?

一番最初に買ったのは、まだ神戸に住んでいたころに大阪の楽器店でおすすめされたShapeシリーズで、これもたしか発売直後だったと思います。ペアで10数万円くらいだったので「良いスピーカーなんだろうけど、プロ仕様ではないのかなー?」なんて思いながら聞いてみたらめちゃくちゃ好みの音で、一番大きいShape65に即決しました。

Focal ST Solo 6 導入インタビュー:tofubeats

引っ越しなどもあってShapeからSolo 6 Beにしましたが、この時もFocalのチューニングが自分に合っているなと思って買ったんです。そして今回のST Solo 6ですね。

- 近年は、DSPや補正ツールが載ったモニターも数多く登場しています。DSP搭載モデルを検討・試聴されたりしたことはありますか?

あります。ただ、いわゆる音響補正をスピーカーの中で行うってことにあまり魅力を感じてないんです。ツールとしては便利なんだろうなって思うんですけど、結局のところ、スピーカーの中でイコライジングしている域を出ていない感じがして。

部屋とスピーカーがあって初めて「その部屋の音」が鳴っているはずなのに、それを強制的に中和させるようなことをしているというのが、どうしても馴染めない。僕のようなホームスタジオ規模だと、ST Solo 6クラスでももうラージスピーカーっぽい使い方になると思うんですよ。だったらそのままで良いって思って。

だから今回のST Solo 6もDSPが搭載されていないことを聞いて、安心していました(笑)

- ご安心ください(笑)先日Focalのスタッフが来社していた折にも話がありましたが、Focalとしては今後もDSP搭載の予定はないそうです。

もちろん僕もソフトウェアのキャリブレーションみたいなことはやるんですけど、それは補正の目的というよりも自分の部屋の傾向を掴むためだったり、リスニングスポットの決定にだけ使っている感じですね。


20万円の価格も納得、すぐに元が取れた

Focal ST Solo 6 導入インタビュー:tofubeats

- tofubeatsさんはヘッドフォンもFocalのClear MG Proをお使いとのことですね。

めっっっちゃくちゃ愛用しています。発売当初に買いましたね。当時、他社製の5〜6万円くらいのヘッドフォンを使っていて、これもこれで安いものではないので、一生これでいいかなと思っていたところに、先輩から「嘘だとおもってこれ(Clear MG Pro)を使ってみろ」って言われて聞いてみたところ、その日のうちにお店に向かっていましたね(笑)

本当に驚異的なレベルだし、知人友人にも紹介して、結構買ってくれた人も多いですよ。

- ありがとうございます。発売当初からお使いとのことですが、Clear MG Proはモニター用ヘッドフォンとしては約20万円と高額です。それでも購入は即決だったのでしょうか?

即決ですし、20万円以上の価値が余裕でありますね。すぐに元が取れたくらいの気分でいます。もともと解放型のヘッドフォンってお気に入りになるものがなかったんだけど、これは間違いのない製品ですね。

- 導入に至った経緯を教えていただけますか?

30代になって、スピーカー(で、作業をすること)ってめっちゃ難しいなと思うようなことが増えたんですよね。きちんと鳴らし切れる家なんてなかなかないだろうし、そうなるとスピーカーの役割としては「モチベーションをキープするためのもの」という考えを持ち始めたんですよ。

サージカル(手術的)な処理や、部屋の環境に左右されないでチェックをするときのために使う選択肢として導入させていただきました。

- 製品としてはどのような評価でしょう?

上から下まで全部の帯域が間違いなく聞こえるし、今までのヘッドフォンはなんだったんだろうと思うほど、一つ上の次元のヘッドフォン。スピーカーもFocal同士だから、スピーカーとヘッドフォンの切り替えをしたときもスムーズだし、間違いなくみんな買うべきヘッドフォンですね。


製品情報


tofubeats

アーティスト

神戸出身の音楽プロデューサー/DJ。学生時代から様々なアーティストのプロデュースや楽曲提供、楽曲のリミックスを行う。
2013年4月に「水星 feat.オノマトペ大臣」を収録した自主制作アルバム「lost decade」を発売。
同年11月には森高千里をゲストボーカルに迎えた「Don't Stop The Music」でワーナーミュージック・ジャパン内のレーベルunBORDEからメジャーデビュー。
2014年10月にメジャー1stアルバム「First Album」をリリースし、以降もコンスタントに作品を発表している。
2022年5月には約4年ぶりとなるニューアルバム「REFLECTION」と、初の書籍「トーフビーツの難聴日記」を同時に発表した。
2022年11月に「REFLECTION」のLP盤及び「REFLECTION REMIXES」を配信リリース。
2023年1月にはUKのDJ QとのコラボEP「A440」で国内外で好評を博し、
5月に単独SG「自由」を配信リリースし、MVと共に好評を博している。
12月には新曲「Lights」を配信リリース。

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