2025.11.14
“音楽家とエンジニア双方の創造性を刺激する”という信念のもと、PLUS Pedalや、プラズマ技術を応用した破壊的な歪みを生み出す PLASMA Pedal などを開発・製造しているラトビア発の革新的な音響機器ブランド Gamechanger Audio。
本企画では、これらの製品を日頃から愛用するアーティストを迎えて、スペシャル・セッションを敢行。登場するのは、海外でも高い支持を得るリアル “Heavy Music” バンド Boris と、ニュースサイトでも使われてる、"現代ロック・シーンの奇才、ギタリストDuran”の両名。
まずは、この業界でも滅多に見られない豪華なセッションから体験してほしい。そして、本企画ならではの “製品への直言” を収めたコメントも併せてお届けする。読者の皆さんにはこの貴重な音の最前線を目撃してほしい。
【Q1、Gamechanger Audio製品全般に対する印象を教えてください。】
TAKESHI (Boris)
最初に手に入れたのはPLUS Pedal。
サステインをサンプリング&ループさせるペダルは別のブランドでも存在していたが、PLUS Pedalはそれに比べて音質が格段に良く、ただ単に音をサステインさせるだけでなく、その響きが自然でとても音楽的であることに驚いたのを覚えている。
サステインのレイヤーを重ねていって、より豊かな響きを生み出せるのもこのペダルならでは。
次に導入したのはBIGSBY Pedal。
Borisは曲によってチューニングを変えることがままある。変則チューニングを安定させるため自分が使っているダブルネックベース/ギターにはあえてアームユニットつけていなかった。だが、元々アーム付きのギターを弾いていたし、奏法・表現のバリエーションとしてのアーミングの必要性を感じていた。そんな時期にこのペダルに出会った。いや、出会ってしまった。
ペダルを踏んだ時の、まるで手でトレモロアームを操作していると錯覚するような自然なレスポンスとサウンドは本当に素晴らしく、トレモロアーム好きの自分には刺さりすぎるほど刺さったのだった。そしてどんなに激しくアーミングしようが絶対にチューニングは狂わないという安心感。
これはPLUS Pedalも同様で重量感のあるルックスはもちろんのこと「(つま先で)操作=演奏している」というフィールは何ものにも変え難い。ボードからは絶対に外せない重要なペダルの一つ。
また、先日このムービーのシューティングの空き時間に試奏したMOTOR Pedalも興味深かった。プレイヤーのクリエイティビティを大いに刺激する、Gamechanger Audioの新たな挑戦状とも言えるペダルだった。皆さんにも是非試していただきたい。
Wata (Boris)
Gamechangerのペダルは、どれも本当に斬新で、驚くようなアイデアが詰まっています。
しかも、細部までしっかりと作り込まれていて、単に面白いだけでなく、実用性にも優れていると感じました。
繊細で多機能でありながら、構造はとても頑丈で、ハードな使用にも十分耐えられるタフさ、私たちの過酷なツアーも耐え抜いています。それでいて何よりデザインが素晴らしいです。
好みのセッティングを追い込むには多少のコツが必要ですが、それが自分のプレイへの問いかけにもなり、新しい体験につながっていきます。それは新しい音楽が生まれるという瞬間でもあります。
Atsuo (Boris)
音楽表現において、視覚情報の効果はとても重要で、同じ楽曲でも誰が演奏しているかでも聴こえる印象が変わる。Gamechanger Audio製品の筐体は様々な状況で使用される想定でありながら、頑丈でいて素晴らしいデザイン。Plus Pedalのダンパーペダル部、BIGSBYのトレモロアームをそのままペダルに組み込むアイデア、音楽やロックの伝統を踏襲しながらエフェクト効果を「操作」ではなくあくまで「演奏」行為を見せる仕様としてデザインされている。アーティストの身体性はそのまま音楽となる。音楽の本質を捉えながら現代のペダル市場に革新性を持って問題提起していくGamechanger Audioの姿勢は素晴らしい。
Duran
全機種使用中。最近はAuto SeriesのDelayとChorusもレコーディングやライブで使用。
見た目最高。
創造力を刺激するエフェクター。
その辺の焼き直しとは一線を画す、突き抜けた存在。「曲のはじまり」になるペダル。
インスピレーションが湧いて止まらない。最高。
【Q2、中でもAuto Seriesに関する使い勝手やご感想をお願いいたします。】
TAKESHI (Boris)
自分はAUTO DELAYが気に入っている。ダイナミクスやピッチを操ることによって、従来のディレイペダルではあり得なかった新しい効果や奏法を生み出すことができる。
ケーブルによるパッチングという、いわゆる普通の”ギター/ベース用エフェクター”の概念にはない新機能があり、複雑な設定まで追い込むための多くのコントロールつまみも並んでいるので、直感的な音作りに慣れるまでには少し時間がかかるけど、モジュラーシンセを触ったことがある人なら習熟も早いと思う。このシリーズのディレイ、リバーブ、コーラスはどれも奥深く、その機能の全てを引き出せるかどうかはプレイヤーのセンス次第。使い方を知れば知るほど未知のエフェクトが飛び出してくる。
もちろん通常のディレイとして使ってもその響きはとてもナチュラルで音楽的なので演奏にもよく馴染みます。
「これは一体なんなんだ?」とあれこれ触っているうちに気づいたら一曲出来上がっているような、そんな新しさ、楽しさのあるペダルです。
Wata (Boris)
実は最初、機能が複雑すぎてどうやって使ったらいいのかわからなかったんです(笑)。
しばらくの間はパッチングせず、普通のエフェクトペダルとして使っていたんですが、それでも十分に良い音が出てくれていました。
でも、使い方をしっかりレクチャーしてもらって、パッチングの方法や各機能の意味がわかってから、このペダルの本当の面白さに気づけました。
私はAUTO REVERB、AUTO CHORUSで、ピッチの基準を決めて、それより上のピッチを弾いた時に深いエフェクトをかけるという使い方がとても気に入っています。
演奏のニュアンスによってサウンドがダイナミックに変わるのが、演奏していて本当に楽しいです。
Atsuo (Boris)
Auto Seriesは自分達のようにエフェクトペダルを駆使するアーティストにも、音楽表現のスタイルを崩すことなくフィットさせるGamechangerの時代を革新していく理念が体現されている。
各ペダル、付属のSpliterを使用することで生音状態の音のコアを取り出し、別のレイヤーとして服やアクセサリーのように効果を着用する感覚。極端なFuzzの濁流の中から旋律を取り出し、煌めきで全体を包むこともできる。音の階層を超え音楽表現を更新していくペダルだと感じました。
Duran
むずい。でも実はシンプル。
理解さえすれば、あとは勝手に音楽が脈打つ。
まるでもう1人の演者がいるみたいに、思ってもみなかった音が飛び出してくる。
自分の中になかった景色を見せてくれる。
最高オブ最高。
1992年結成、96年にTakeshi、Wata、Atsuoという3ピース編成へ。
活動当初から一貫して独自の方法論、自らの想い描く”Heavy”を追求し続ける。
”重さ”は深度を深めつつ、固定化されたジャンルやスタイルに捉われない音楽性はリアル”Heavy Music”と言えよう。
文字通り世界先端のロック・シーンにおいてその影響力も計り知れない。トレードマークとなっている「轟音・爆音」はその言葉だけでは語りきれぬ領域へ突入している。
活動30周年の2022年には『W』『Heavy Rocks(2022)』『fade』と3枚のアルバムを発表。
パンデミック以降はドラマーに准メンバーとしてMuchioを迎え、海外ツアーも継続して勢力的に行っている。
2023年秋には43公演に及ぶMelvinsとのU.S.ダブルヘッドライナーツアーを完遂。2024年春には清春とのAUSツアー、秋には1stアルバムの25周年記念U.S.ツアーをツインドラム編成にて6週間行った。
30年の活動を超えて独自のスタンス、D.I.Y.スタイルをさらに活性・先鋭化させている。
日本生まれ、フィリピン育ち。
スペイン系フィリピン人の父と日本人の母の間に生まれる。3 歳でピアノを始め、14 歳でベーシストである父の影響からギターを手にする。
数々のバンド活動を経て、2018 年に「DURAN」名義でソロ活動を開始。
2025 年からは「DURAN」をバンドとして活動させ、自身は 1 人のギタリストとして「Duran」名義での活動も展開している。
現代ロック・シーンの奇才、日本の偉大なギタリストのひとりと称され、強烈なファズ・サウンドとブルースを軸にした、野生味あふれるエモーショナルかつ官能的なギター・プレイと歌は、国内問わず高く評価されており、海外メディアやラジオでも取り上げられ、ライブツアーも行うなど活動の幅を広げている。
また、バンド「DURAN」の活動に加えて、稲葉浩志、スガシカオ、藤井風、Vaundy といった数多くの著名アーティストのライブやレコーディングにもギタリストとして参加している。
クラシックなペダル・デザインとモジュラー・シンセシスの世界を融合するAUTOシリーズ
AUTOシリーズは、オーディオ・プロセッシングの進化という枠にとどまりません。
すべてのAUTOシリーズで、演奏のニュアンスが「サウンド・エフェクト」要素の一部となります。TOUCH, DYNAMICS, NOTEの選択がサウンドを左右し、演奏に反応しリアルタイムに変化するトーンとテクスチャーを作ります。
AUTOシリーズを通して行うサウンド・デザインは、あなたの音楽表現そのものを、発見と驚きの旅へと誘います。
音楽エレクトロニクスにおける未知の領域を探索し、ミュージシャンとエンジニアの想像力を伸ばし、真の価値をもたらすデバイスを創造することを共通の目標に掲げスタートしたラトビアの会社です。あらゆる楽器でサステイン/ソステヌートを可能にするPLUS Pedalを筆頭に、音楽制作の方法そのものを変えるような製品を送り出しています。