2019.07.02
MI
加納さんが主催をされているGO-GO KING RADIOの収録インターフェイスに、ApogeeのElement 88を使用いただいていると伺いました。どういった経緯でElement 88を採用するに至ったのでしょうか?
加納 尚樹(以下 加納)
僕のスタジオ、GO-GO KING RECORDERSというスタジオはレコーダーにはSTUDERやMCI、コンソールもAPIのものを使っていて、かなりアナログにこだわったスタジオなんですね。番組が始まったころはゲストを呼ぶこともあまりなかったので、ここにいるTOKIEちゃんやMOTOKATSUくんにスタジオに集まってもらって収録をしていたんです。
でも、スタジオの中だけじゃなくて街に出て収録したいなと思うようになって、最初はもう使わなくなった古いインターフェイスとかミキサーを持ち寄って繋げばなんとかなるんじゃないか、くらいに考えていたんですが、そうすると結構な荷物になってしまう。それから将来的にゲストのアコースティックライブもしてみたいとも思っていたので、そうなると音質にも妥協のないインターフェイスが必要だったんです。
MI
そこで、Element 88に行き着いたということですね。数あるインターフェイスの中でElementに決められた理由は?
加納
まずは音質。僕はレコーディングエンジニアなので、どうしてもここは妥協できない部分でした。Apogeeの製品は昔からスタジオでも使っていたし、信頼できる。その信頼あるApogee製品がケーブル1本でコンピュータと接続できて「持ち歩ける」というモバイル性にも惹かれましたね。
MI
Elementシリーズは本体にディスプレイやつまみの類を一切排除し、ハイクオリティな音質を得ることに特化した製品です。音質の部分で評価いただくのは嬉しいですね。実際に使い始めて音質の部分以外にも気に入ったポイントなどはありましたか?
加納
ゲインの設定などを気軽に保存できるスナップ機能ですね。マイクセッティングが変わっても、人ごとにスナップ保存してあるので、セッティングに時間がかからない。そういう意味では、あらゆるコントロールを行えるこのApogee Controlというアプリケーションが非常によくできている。
MI
シンプルな収録に対応するのはもちろんですが、複雑なルーティングにも対応できるように設計されています。ちなみに、iPhoneやiPadなどのiOSデバイスからも同時にコントロールができるiOS版Apogee Control(無償)もありますが、こちらはお使いいただいていますか?
加納
これは知らなかった、まだ使っていませんね。これがあれば、今後ゲストのアコースティックライブなどをするときにレベルチェックやモニターのバランスなどを離れたところからでも設定できるということですね?実は今後の収録のアイディアで、ラベリアマイクを個別のパーソナリティーにつけることなども視野に入れているんです。そうするとよりモバイルでの収録に自由度がでる。
TOKIE
車の中で収録とかもしてみたいですよね。走りながら...とか
加納
こういうアイディアって、スタジオの中にいると出てきませんよね。Elementがあることで「どこでも高品位な音」が得られるようになったからこそ、出てくるアイディアだと思います。ただモバイルにしたいだけなら他にも選択肢はたくさんあるのかもしれないけど、エンジニア目線で見たときに音質にも妥協なくいけるものとなると、やはりこれ(Element)に行き着きますね。
MI
モバイルできるという視点でもう1つポイントとしては、本体の軽さもありますね。
加納
そうなんです。持ち歩くことに抵抗がないです。8chのマイクプリを搭載していてこの重さは驚きますよね。
TOKIE
あ、本当だ!めっちゃ軽い!
MI
音質のために必要なパーツは妥協なく詰め込んでいますが、本体にはディスプレイもツマミもないので、必要な剛性をキープしつつ、この重さにすることができているそうです。
TOKIE
加納さん、踏んでも壊れないそうですよ(笑)
加納
だめだめ!壊れないかもしれないけど踏まないで!(笑)
MI
(笑)ツマミの類がない = 突起物がないので、多少ごちゃついている現場でもトラブルに巻き込まれる心配は少ないと思います。末長くご愛用いただければと思います。