2021.04.28
アレンジャーワークのみならず、楽曲制作、プロデュース、プレイヤー、自主レーベル[Studio Cubic Records]の運営とアーティストの育成にも力を注ぐ鈴木Daichi秀行さん。
地下から地上2階まで、まるまる1棟が「音楽の玉手箱」とも呼べる氏のホームスタジオ、Studio CubicにてAMS Neveのアウトボードを使用して頂いた。
数々のアウトボード 所持している氏に前回に引き続き、2264ALBの活用方法をお伺いした。
1974年に設計されたNeve 2264A mono Limiter/Compressorユニットは、瞬く間に伝説となりました。英国のNeve社のエンジニアによって製作された2264ALBは、同じアーキテクチャ、マッチングコンポーネント、オリジナルの手巻きトランスを使用することで、オリジナルの2264Aのユニークなサウンド特性を維持しながら、新たな機能を追加しています。
134,000円(税抜)
メディア・インテグレーション(以下、MI)
連載第5回目の今回はAMS Neveの500シリーズ最後になります。
2264ALBになります。これは1974年に設計されたNeve 2264Aを500シリーズに対応させたモデルになります。
オリジナルの音はご存知でしょうか?
MI
今回お試し頂いた2264ALBの印象はいかがでしたでしょうか?
そうですね。1073LBEQ同様、パラメーターが少なく、音決めを素早く行うことができます。
一番下の外側のメタルノブがレシオでグレーのノブがゲイン。
真ん中の外側のメタルノブがリカバリータイムでグレーのノブがスレッショルドです。
レシオは1.5:1から6:1で自然なかかり方がします。
一番上のノブはリミッターの設定で、外側のメタルノブがリカバリータイム、グレーのノブがスレッショルドと非常にシンプルなパラメーター構成です。
右下のスイッチをSAにすると従来の2264のアタックタイムよりスローアタックにすることができます。
グレーのノブを押すとそれぞれコンプレッサー/リミッターのON/OFFが切り替えられますので、両方かけることもできるし、片方だけかけるということもできます。
LEDのリダクションメーターもついているので、どれだけリダクションがかかっているかも確認できます。
大きな特徴の一つはやはりトランスではないでしょうか。
2264ALBには入力と出力にマリンエアのトランスが使用されています。
このトランスのおかげでNeveのキャラクターがつきますね。
MI
どんな録音で使用しますか?
ボーカルやベース、ドラム等リズム隊によいと思います。
ボーカルのコンプレッサーとして1176が有名ですが、1176とは全然方向性が違くて、1176は少し攻撃的になる印象で、2264ALBはNeveらしいどっしりとした音になる印象です。
ドラムはアタックが潰れずにちゃんと楽器を鳴らしてくれて、キャラクターが付く印象です。
深くかけてもぱっつんぱっつんにならず、ナチュラルにかかってくれるので、安心して使える、抑えのコンプレッサーになると思います。