eMotion STは、SoundGrid Studioシステムのミキサー部分です。StudioRackと組み合わせることで、低レイテンシーモニタリング用のSoundGridプラグインを実行でき、DAWでの録音中に複雑なモニターミキシングオプションを提供します。
eMotion STは、8つの多目的入力、64の追加のStudioRack入力チャンネル、2つのFXバス、6つのミックスバス、およびメインステレオミックスを備えた高品質のミキサーです。ミキサーはSoundGridネットワーク内で動作するため、ハードウェアであれドライバーベースであれ、使用できるSoundGrid互換のI/Oデバイスはすべて、ミキサーへの入出力が可能です。
eMotion STミキサーは、低レイテンシーで何百ものWavesおよびサードパーティのSoundGrid互換プラグインを実行でき、この点において、スタジオやヘッドフォン用のモニターミックスを作成するために従来使用されていた外部ミキサーを代替することができます。
 
特徴
- 8つの多目的モノ/ステレオ入力チャンネル
- 2つのステレオFX Auxバス/リターンおよび6つのステレオAuxバス/リターン
- StudioRackプラグインからの最大64のモノチャンネルフィード
- チャンネルごとにSoundGridプラグイン用インサートスロットが8つ
- 複数のSoundGrid互換デバイスおよびホストに接続
- SoundGrid互換のWavesおよびサードパーティのプラグインに準拠
- StudioRackと完全に統合可能
- SoundGridプラグインをスタンドアローンプロセッサーとしてあらゆる用途で使用可能
*少なくとも1つのSoundGrid I/OとDSPサーバーが必要です。
システムとの統合
 
 
主な機能
入出力
eMotion STは、SoundGridアプリケーションのミキサー部分で、SoundGrid Studioシステムのコアであり、DiGiGridハードウェアとSoundGridソフトウェアのI/OをDAWに接続する中心的な部分です。
eMotion STは、エンジンの実行とプラグイン処理をSoundGrid DSPサーバーに依存しており、システムのマスターI/Oサンプルレートに同期します。
DiGiGrid I/OまたはASIO / Core AudioドライバーからeMotion STにソースを送り、ニア・ゼロレイテンシーでSoundGrid互換プラグインを使ってミックスし、互換性のあるDAWまたはDiGiGrid I/Oに送り返すことができます。
 
ミキサーレイヤー
多目的入力チャンネル:
eMotion STのMixerレイヤーには8つのモノ/ステレオチャンネルがあり、各チャンネルはDiGiGrid、およびその他のSoundGrid互換のI/Oからオーディオを受信できます。各チャンネルは、選択に応じてマイク、楽器ライン、ソフトウェア出力を処理できます。各チャンネルは2つの異なるソースからオーディオシグナルを受信でき、eMotion STで2つのソースを切り替えることができます。
各チャンネルはメインバス、エフェクトバス、ミックスバスに送信でき、I/Oに直接割り当てることもできます。各ステレオチャンネルには、高度なステレオイメージング機能を備えたパンを備えています。
ミックスバス:
eMotion STには9つのミックスバスがあります。メインのステレオミックスバス、エフェクト用の2つのAuxミックスバス、エフェクト用またはマルチモニターミキシング用の6つのミックスバスです。各ミックスバスは、自動入力遅延補正で入力シグナルのレイテンシーを調整します。
 
チャネルコントロールモード
- プリアンプ – プリアンプのゲインおよびファンタム電源のコントロール(インターフェイスをマイクプリアンプと併用する場合)、デジタルトリミング、極性の切り替え
- ラック – チャンネルごとに最大8つのプラグインをインスタンス化するためのインサートスロットを8つ装備
- ルート – A / B入力の切り替え、および入力/出力とメインバスの割り当て
- センド – Auxミックスバスへのセンドレベルを制御します。以下のオプションとコントロールを備えたセンズ・オン・フェーダー・トグルスイッチ
- ソースオプション:入力/プリフェーダー/ポストフェーダー
- 高度なステレオイメージング機能を備えたパン
 
StudioRackレイヤー
StudioRackは、DAW(ホストコンピューターのCPU)をバイパスして、オーディオ信号をDiGiGrid I/OからeMotion STミキサーに直接送信することにより、リアルタイムでの低レイテンシーモニタリングを可能にしています。
独自のStudioRackレイヤーには64個のモノ/ステレオチャンネルが含まれており、各チャンネルはDAWにインサートされた個々のStudioRackプラグインから入力を受け取ります。各チャンネルをメイン、エフェクト、ミックスバスに送信でき、各ステレオチャンネルには高度なステレオイメージング機能を持つパンを装備しています。
センドモードは、Auxミックスバスへのセンドレベルをコントロールします。次のオプションとコントロールを備えたセンズ・オン・フェーダー・トグルスイッチを備えています。
- ソースオプション:入力/プリフェーダー/ポストフェーダー
- 高度なステレオイメージング機能を備えたパン
 
セットアップ例
DSPサーバーを備えた基本的なSoundGridシステム
SoundGrid Studioシステムは、大小や複雑さに関係なく、3つの基本要素で構成されます。
- Waves SoundGrid ASIO / Core Audioドライバー
- SoundGrid Studioアプリケーション
- 1つ以上のSoundGrid I/O
Waves SoundGrid ASIO / Core Audioドライバーを使用すると、DAWをSoundGrid Studioシステムに接続できます。これにより、ワークステーションがSoundGridネットワーク上のデバイスと通信できるようになります。I/Oは、ネットワークへのサウンドの入出力を行います。SoundGrid Studioアプリケーションは、これらすべてのデバイスを管理します。
SoundGridネットワークは完全にスケーラブルであるため、この基本構成は拡大できます。SoundGridは、ほとんどの一般的なDAWおよびさまざまなDAWの組み合わせ、Pro Tools HD / HDXおよびHD Nativeシステムと互換性があります。
DSPサーバーを追加することで、DAWからプラグイン処理をオフロードできます。これにより、eMotion STミキサーおよびStudioRackプラグイン、そして追加のプラグインを使用し非常に低いレイテンシーで録音やモニタリングができます。
- SoundGrid DSPサーバー
- eMotion STミキサー
- StudioRack
DiGiGrid IOSを使用したネイティブDAW
このセットアップは、マイク、楽器、ヘッドフォン、モニターが接続されているI/OインターフェイスとネイティブDAWを備えたホストコンピューターを含む、典型的なスタジオセットアップです。
- DiGiGrid IOS
- ネイティブDAWを搭載したホストコンピューター
DiGiGrid IOSとビルトインSoundGrid DSPサーバーを使用することにより、DAWからオーディオ処理をオフロードできます。これにより、処理能力が大幅に向上します(StudioRackのインサートごとに最大8つのプラグインを使用可能)。さらに、StudioRackをeMotion STミキサーと組み合わせて使用できます。これにより、非常に低いレイテンシーで録音とモニタリングを行うことができ、同時に使用できるプラグインの数も増やすことができます。StudioRackを使用せずにeMotion STミキサーを使用し、プラグイン(eMotion STに直接インサート)で処理されたソースをDAWに記録することもできます。
eMotion STミキサーを使用すると、DAWの入力とモニタリング、およびSoundGridシステムに接続されているメディアプレーヤーやスマートフォンなどの外部デバイスの入力とモニタリングをコントロールできます。
スタジオ:コンピューター一台、DSPサーバー、Pro Tools HDX
Pro Tools HDXシステムをお持ちで、リアルタイムのプラグイン処理とネットワーク上の複数のI/Oデバイスへのアクセスなど、SoundGridネットワークのパワーを使いたい場合があるかもしれません。
このセットアップでは、プラグインは各StudioRackインサートごとに最大8つ、StudioRackモノインスタンスは最大48個使用できます。ローカルCPUを使用するStudioRackインスタンスも使用できます。
- Pro Tools HDXシステム
- Avid I/Oハードウェア(96、192、OMNIなど)
- 1つ以上のネイティブDAWを備えたSoundGridネットワーク
- DiGiGrid DLS(またはDiGiGrid DLI + SoundGridサーバー)
*一部のDigiLink互換I/Oは、セカンダリDigiLinkポートを介してDLI / DLSに接続できません。
DiGiGrid IOSを一台使用し、さまざまなDAWを同時に実行する
この構成は、複数のDAWから同時にオーディオを再生し、リアルタイムでミキシングするためのものです。
これは、eMotion STミキサーが役立つ典型的なケースです。すべてのDAWからの出力はeMotion STミキサーにルーティングされ、それがスタジオであれステージであれ、eMotion STミキサーがオーディオの処理、ルーティング、モニターへのフィードなどをグローバルにコントロールします。
- DiGiGrid IOS
- ネイティブDAWを備えたホストコンピューター
- コンピューター2-ネイティブDAW
- コンピューター3-ネイティブDAW
- コンピューター4-ネイティブDAW
- 1 GBネットワークスイッチ
4台のコンピューターはそれぞれ、Cat 5eまたはCat 6イーサネットケーブル一本を介してDiGiGrid IOSイーサネットスイッチに接続されています。
SoundGridネットワーク内のすべてのコンピューターは、SoundGridドライバーを使用してオーディオをSoundGridネットワークにストリーミングします。このセットアップでは、SoundGrid Studio Applicationを実行しているメインのホストコンピューターが,ネットワーク内の全てのホストコンピューター間のパッチングを行い、ASIO / Core Audioドライバーの入出力の設定を行います。
HDコントロールルームと複数の小規模な録音/編集ルーム
Sound GridでPro Toolsをブリッジ – I/OモードでのDiGiGrid DLI – 複数のスタジオ
コントロールルームとライブルームの間に多くのオーディオチャンネルが必要だとしましょう。また、柔軟性も必要だとします。大規模なHDXシステムで録音およびミキシングを行い、現在のワークフローに満足しています。
- 構成を大幅に変更することなく、I/Oデバイスを簡単に追加できるようにしたい。
- スタジオは大規模な施設の一部であり、マルチルーム全体で、利用可能なI/Oデバイスにアクセスしたい。
- プラグインの数を増やすために、ローカル処理をPro ToolsからDSPサーバーに移動したい。
DLSは、SoundGridネットワークとコントロールルームのPro Tools HDの間のブリッジとして機能します。一度このリンクが確立されると、Pro Toolsはネットワーク上のあらゆるデバイスにアクセスできるようになります。
- Pro Tools HD / HDXまたはHD Nativeシステム
- Avid HD I/O(96、192、Omniなど)
- 2つのDiGiGrid IOXまたはIOC I/Oデバイス
- DiGiGrid IOCが備えられている3つのネイティブステーション
- 1 GBネットワークスイッチ
- SoundGridネットワーク上のその他のネイティブデバイス
ここでは、eMotion STミキサーは、サーバーの使用要求がどこからされたかに応じてさまざまな方法で使用できます。HDシステムがeMotion STミキサーを使って、プリレコーディングまたはポストレコーディングのプラグインの処理をすることもできますし、処理がされているかどうかには関係なく、ネットワーク上のどこからでも入出力レベルとフィードをコントロールすることもできます。
小規模なスタジオの1つがサーバーを要求した場合、StudioRackを使った低レイテンシーのモニタリングにeMotion STミキサーを使用できます。
*一部のDigiLink互換I/Oは、セカンダリDigiLinkポートを介してDLI / DLSに接続できません。