先進のシミュレーションとモデリング技術を凝縮。真空管の振る舞いやアナログ回路のニュアンスを再現する、アンプ・プラグイン。
Tube Saturatorは、WaveArtsのアナログ回路再現技術によって開発された、真空管アンプ・プラグインです。アナログ機器を再現したと称しながら、実際は入力、出力波形のテーブルを参照してサウンドを生成しているものが多いなか、Tube Saturatorでは本物のサーキット・シミュレーション技術を採用しました。
このサーキット・シミュレーションという技術そのものは、新しいものではありません。1970年代にカリフォルニア大学バークリー校(UC Berkeley)にて開発された「SPICE」というプログラムをご存知の方もいるでしょう。このSPICEは、回路図の内容に基づいた、とても正確なサーキット・シミュレーション・プログラムですが、リアルタイム処理を念頭に置いて開発されたものではなく、そのままオーディオ処理プログラムに採用できるものではありませんでした。そこで、Wave Artsでは、入力音をリアルタイムに処理して出力するプラグインに最適化されたサーキット・シミュレーション・モデルの開発に挑みました。その結果が適用された製品が、Tube Saturatorです。
Wave Artsのモデリングでは、まず回路を構成する部品、値、接続といった情報を「ネットリスト」という形でまとめます。現時点でシミュレーターがサポートしている部品は、電圧/電流源、抵抗、コンデンサー、誘電子、オペアンプなどです。ダイオード、真空管、トランジスターなどには、ノン・リニアな特性が適用されます。シミュレーターでは、回路のネット・リストが、ノン・リニアな微分方程式によってコンバートされます。
Tube Saturatorは、各サンプルが入力されるたびに、入力値のボルテージ値を算出します。次に、各部品に定義された方程式によってデータが処理され、各接点のボルテージ値が算出され、その値がアウトプット・サンプル値を決定します。こういった処理がサンプル単位で繰り返されるため、アナログ回路のふるまいがそのまま再現可能となるのです。
この方式の利点は、「アナログ回路そのまま」のサウンドが再現できることですが、その膨大な計算量は高いCPU負荷という弱点にもなります。そこで、Tube Saturatorではその機能をBaxandallタイプの3バンドEQと、三極真空管「12AX7」を2段で使ったプリアンプに絞りました。
機能はシンプルですが、その結果にはご満足いただけることでしょう。レコーディング時や、各トラックにアナログ機器の暖かみが欲しい時。ギターなどに真空管アンプならではの歪みを加えたい時。マスターで、適度なサチュレーションをもたらすソフト・ピーク・リミッターとして。Drive、FATツマミの組み合わせによって、繊細な処理から大胆なディストーションまで、幅広い場面で「本物のアナログ機器」同様に、お使いいただけます。
デモ・ムービー(英語版)
- Wave Arts独自の、サーキット・シミュレーション技術を採用。
- 64ビット内部処理による、正確なシミュレーション。
- Baxandallタイプの3バンドEQ。
- 三極真空管「12AX7」を2段で使ったプリアンプ。
- 1段目真空管のゲインをあげて、パンチを追加する「FAT」ツマミ付き。
- ディストーション量を調整する「Drive」ツマミ付き。
- EQステージは、バイパス可能。
- アナログ・スタイルの、大きなVUメーター。
- ステレオ/モノ対応
- 最大サンプリング・レート:192kHz
- PDFマニュアル(日本語版、英語版)付属
*Tube Saturator 2のご利用には、iLok License Manaegrが必要となります。ライセンスはコンピューターまたはiLok USB Smart Keyへダウンロードできるため、iLokキーをお持ちでない場合もご利用いただけます。
iLok License ManaegrはiLok.comよりダウンロード可能です。