最大6半音に渡るグリッサンドを演奏可能
エクスプレッション・ペダルなど、連続的なCCに追従して、息の強さを変えた時のように反応する音色。1音を押さえたまま他の音程を弾いたり離すだけで自然な演奏になるトリルやシェイク。キースイッチを押すだけでフレーズのエンディングに付加できるビブラート、フォールなど、さまざまな音の消え方。パズルのようにサンプルを組み合わせるのではなく、鍵盤、ペダルやブレス・コントローラーで「演奏」する「楽器」。それが、The Tromboneです。
The Tromboneでは、新しいスライド再現技術が導入されました。トロンボーンは、最大6半音に渡るグリッサンドを演奏可能ですが、サンプル・ベースの音源で自然なグリッサンドを実現することは困難でした。The Tromboneでは、新しい「ハーモニック・アラインメント」技術を開発することで、自然なスライドの再現を実現しました。ピッチベンドを上手く操作すれば、超リアルなスライド効果を生み出すことができるでしょう。ピッチベンド操作は苦手、という方も安心してください。高度なMIDIプロセシング・エンジンにより、音が重なるように+/-3半音以内の音程間隔でレガート演奏すると、自動的に連続的なグリッサンド音が挿入されます。
ライブラリーではありません。「楽器」です。
The Tromboneには、NI Kontakt Player のライセンスが含まれているので、サンプラーなどを別途購入する必要はありません。(The Tromboneのご使用には、NI Service Centerによるオンライン・アクティベーションが必要です。)
Trombone 3の新機能
新しい初期反射のアルゴリズム
新しいER(Early Reflections)アルゴリズムは、無響室に設置された複数のマイクロフォンから得られる情報を解析して作られました。放射のパターン、仮想空間の実現、豊かな音質の再現に成功しています。
バーチャル・サウンドステージ
この新しい機能により、寸法の決まっていない仮想空間に楽器を配置、初期反射、プリ・ディレイ、定位、認知距離アルゴリズムをリアルタイムで変更することで楽器のポジションを変更できるようになりました。実際の空間で演奏した場合に問題となる残響音はなく、最適な仮想の音響空間を再現することができます。これらの作業は、高品質なコンボリューション・リバーブを提供するKontakt Player 5上で行うことができます。
リアルタイムの音色調整
この革新的な新機能は、個々の倍音成分または倍音成分全体の強さにリアルタイムに作用することで、事実上無制限の音色のバラエティーをサンプル・ベースの楽器に加えます。これはグラフィック・イコライザーとは異なり、調整バーは固定の周波数にアサインされているのではなく、演奏された音の最初の10個の倍音に作用します。その結果、影響を受ける周波数は、ノートのピッチによって代わります。つまり例えば、バー#1を上げると、演奏された基音の周波数をブーストし(最初のハーモニクス)柔らかい丸みのある音になります。バー#3から#5を上げると、対応する倍音成分の密度を上げ、より「鼻にかかった」音になります。
マイクロ・チューニング
もう一つの新しい機能はマイクロチューニングです。個々のキーにリアルタイムで適用可能で、中東の音楽やアジアの音楽には不可欠な、西洋音階ではないスケールの演奏に便利です。
エクスプレッション・マッピング
ユーザーがGUI上に線を引いて調整することができるエクスプレッションCCコントロール機能の追加で、ダイナミクスのコントロールを微妙に変化させることが可能になりました。特にブレス/ウインド・コントローラーのようなデバイスを使っているときに有効な機能です。
息のアタック
とても小音量で最も低いと最も低いベロシティーで演奏すると、トロンボーンの音の前に、とてもリアルなブレス・ノイズが入ります。
ユニゾン・アンサンブルのIR
インパルス・レスポンスを楽器ごとに収録、複数の楽器が同時に演奏されたときに起こる不自然な位相変化の問題を減らし、ユニゾンを同じMIDIトラックで演奏させることができます。
ユニゾン・アンサンブル・マルチ
リアルなアンサンブルを単一のバーチャル・インストゥルメントから作るには、MIDIトラックを別々にしたとしてもユニゾンでプレイしたとしても。特別な配慮が必要です。新開発の「アンサンブル・メーカー」は、時間軸に作用し、ピッチ、フェーズ、ピッチベント、ベロシティー、ポルタメント・タイムを楽器毎に変化させ、一つのMIDIトラックからトリガーされたとしても、各インストゥルメントが別々のミュージシャンが演奏したように聞こえる工夫が施されています。プリセットで保存されている、3つの新しいトロンボーンを含む、アンサンブル・メーカーと、コンボリューション・リバーブのおかげて、Trombone 3を購入してすぐにリアルなユニゾン演奏を楽しむことができます。
その他の仕様
- ベロシティ・リマッピング:皆が完璧なMIDIキーボードを使用していれば良いのですが、現実はそうではありません。The Tromboneには、ベロシティにばらつきのあるMIDIキーボードの入力を自動的に認識して補正する機能が導入されています。
- パフォーマンス・キースイッチ:The Tromboneは、エクスプレッション・ペダル、ピッチベンド、モジュレーション・ホイールの組み合わせで様々な表現が可能ですが、それでもアーティキュレーション、フレーズによっては、リアルタイム表現が困難な場合があります。そんな時は、鍵盤の低音域にアサインされた、キースイッチを活用してください。スフォルツァート、クレッシェンド、スライド、ヴィブラート・エンディング、いろいろなリリースなど、様々な表現が可能になります。それぞれ、単なるサンプル切り替えではなく、サンプル・モデリング技術で音色を変化させるので、同音を連打しても同じ音が続けて鳴ることはありません。
- 様々なレガート奏法:トロンボーンにはスライドの有無によって異なるレガート/ポルタメント奏法があります。それぞれ異なる倍音共鳴が発生するため、音色は異なります。The Tromboneでは、それぞれを独自のアダプティブ・モデルで再現可能です。まず、音程移動時に2つの鍵盤を重なるように演奏すると、自動で連続的なポルタメント音が挿入されます。非連続的な音を入れたいといは、1音1音レガートですばやく演奏することもできますが、キースイッチを併用すれば、自動で非連続的なグリッサンド音が挿入されるだけでなく、自 然な倍音共鳴も再現されます。
- ミュート & ワウ:The Trumpet同様、The Tromboneも様々なミュートのサウンドを再現可能です。ストレート、カップ、バケット、ハーマン、ハーマン+ステムから弱音器の種類を選んでください。各弱音器の特性をとらえたインパルス・レスポンスにより、真実味のあるミュート演奏が可能です。キースイッチ(A#0)を押すとCC11で弱音器の位置を動かせるプランジャー・ミュート・モードとなり、ワウワウ演奏を行うことができます。
- ブレス/ウインド・コントローラーに対応:The Tromboneのご使用には、ペダルなど連続的なCCを出力するデバイスが必須となっていますが、ブレス・コントローラー、ウインド・コントローラー(Akai/Yamaha)をお持ちの方はさらに自然な演奏が可能となります。ウインド・コントローラー・モードを選ぶと、息によるノートOn/Offや音色の変化、バイトによるピッチの変化など、CC設定が最適化されます。