デジタル放送の普及にともない大きな問題となってきたチャンネル、番組、CM、放送素材間による音量差。そこで問題となるのは、デジタル信号のピーク値ではなく、人が「うるさい」と感じる音量に近いラウドネス値です。そんな問題に対応するため、デジタル放送で許容されるラウドネス値を標準化し、放送時の音量感を統一しているのが、いわゆるラウドネス基準です。
VisLM-H 2 Loudness Meter は、日本のARIB TR-B32、NAB T032の準拠するITU-R BS.1770-2の他、EBU R128、ATSCなど様々な規準に準拠、世界中の放送局、ポストプロダクションを中心に導入されているDAW用のラウドネス・メーターです。
Vis-LM-H2の新機能
メーター表示の自由なカスタマイズ
VisLM-H 2では、表示のカスタマイズとサイズ変更機能が強化され、ユーザーのニーズにあった表示をカスタムで設定することが可能になりました。
- プログラム・ラウドネス、ショートターム、モーメンタリー、LRAを一つの画面で表示。
- ラウドネスの推移とトゥルー・ピークのクリップ履歴を確認するヒストリー表示。
- タイムコードにそってヒストリーをズーム/スクロール可能に。
ラウドネス「マクロ」オーバービュー。簡単にサマリーを表示するウィンドウ。 - ラウドネス値の数値またはグラフ表示。
- モーメンタリーとショートタームのメーターのバーを入替可能に。
このReMEMモードは、プログラム全体のラウドネスの推移を、最大12時間まで、タイムコードとともにプラグイン内に保存するので、部分的に編集した部分だけを再計測すれば、プログラム全体のラウドネス値を瞬時に再表示します。今までは編集を加えるたびにプログラム全体を再計測する必要がありましたが、このReMEM機能の追加により、ラウドネス計測にかかる時間を驚異的に短縮することが可能になりました。
このビデオ(英語)では、ReMEMモードでラウドネス値をオーバーダブ計測する方法を解説しています。
400ms 平均値を示すモーメンタリー・ラウドネス、3 秒間の平均値を示すショートターム・ラウドネス、無音部分による平均値の誤認識をゲートで回避したうえで、測定期間全体の平均値を示すインテグレーテッド・ラウドネス、プログラム全体の主な振れ幅を示すラウドネス・レンジを表示します。また、サンプル間のピークまで表示するトゥルー・ピーク・メーター、ヒストリーの表示、ログの書き出しにも対応しています。
VisLM Loudness MeterはMac/WindowsのAU/VST/RTAS/AudioSuiteプラグインとしても、WindowsまたはMac OS Xでスタンドアローンのアプリケーションとしても動作する(IntelMac、VisLM-Hのみ)ので、DAWで作業するポスト・プロダクションの現場、放映時に規準をクリアするために行われるレベル操作を避けたいコンテンツ・クリエイターまで、広範囲な制作プロセスの標準化に欠かせないツールとなるでしょう。
7.1サラウンドの計測に対応
ゲーム業界のラウドネス管理の要望に応えるべく、VisLMラウドネスメーターが7.1サラウンドのラウドネス計測に対応、Xbox® One consoleとPlayStation向けコンテンツのリファレンスとなっているAudio Standards Working Group (ASWG)の基準を満たしています。この新バージョン1.7では、7.1chのサポートに加えて、最新のVisLMはVST3プラグインにも対応、スタンドアローン・モードでのルーティングが改善されています。