MOTOR SYNTH(モーターシンセ)は、ユニークなモーターオシレーターエンジンを基本の音源としています。これは、8つのエレクトロモーターからなるシステムで、瞬時に正確に回転速度を変化させ、楽音を奏でることができます。
MOTOR SYNTHのサウンドは、モーターによる波形の作り方が独特であるため、もちろんアナログでもデジタルでもない、唯一無二のサウンドを持っています。けれども、Gamechanger Audioのエンジニアが開発したサウンドシェイピング機能により、クラシックなシンセサウンドやリアルな楽器に近い音まで幅広いサウンドを生成することができます。
MOTOR SYNTH MKIIの概要
- 特注のブラシレスDCモーターによる8個のエレクトロモーターオシレーターシステム
- ボイス毎に独立したアンプエンベロープ、ピッチエンベロープ、アナログマルチモードフィルターを備えた2つのモーターオシレーター
- モーターオシレーターに加えて、デジタルボイスオシレーター(DCO)を搭載
- パワフルなMODセクションと柔軟なMODアサイン機能
- ARP、SEQUENCER、MOTION RECエンジンのパフォーマンス・インターフェイスを内蔵
- MIDIとCVでのコントロール機能
- 入力信号を使用したボコーダー、ゲート、サイドチェイン、フィルタリング
MOTOR SYNTH MKIIの登場を記念して、MOTOR SYNTHのデザイナーFricis Kalvelisが制作した壮大なシンセサイザースペースジャーニーを公開しました。Gamechanger Audioのリード開発エンジニアでMOTOR SYNTHの開発者の一人であるMartins Melkisによる素晴らしい楽曲 "SEE YOU SOON MY STARDUST FRIEND" を収録しています。
この曲の全てのサウンドはMOTOR SYNTHで作られています。
そしてこれがOil & Gasです。彼らがMOTOR SYNTH MKIIとドラムのために書いたトラックで、LAのEvil Joe Barresiスタジオで録音しました。キックドラムがMOTOR SYNTHのボイスの1つをトリガーすることで、ドラムビートのタイミングを合わせた完璧なベースラインを作り出しています。
MOTOR SYNTH MKIIの特徴
ボイス
・オシレーター
MOTOR SYNTH MKIIは、3種類の光学式波形(Sine、Saw、Square)、電磁誘導波形(M)から選択できる、4音ポリフォニーを持つオシレーターを2ボイス備えています。
・パラメーター
各ボイスはそれぞれ、VOLUME、SCALE、WAVE、AMP ENVELOPE、PITCH ENVELOPEのコントロールを備えています。 AMP ENVELOPEは、カーブを調整できる複数のモード(ADSR、AD、AR、DADSR、ADSHR)を選択できるため、幅広いサウンドメイクができます。
・ピッチエンベロープ
モーターオシレーターは、革新的なピッチエンベロープシステムを最大限に活用し、ACCELERATIONとBRAKE機能を詳細にコントロールすることができます。
発音の仕組み
図はシンセの8つのモーターオシレーターの1つです。赤外線センサーで反射した波を読み取り、光学ディスクでSine Wave、Saw Wave、Square Waveを作り、各モーターの根元の電磁ピックアップで磁気誘導の「M」波形を作り出します。
Sine Wave、Saw Wave、Square Waveは、各モーターのシャフトに取り付けられた特別に設計された光ディスクによって生成されます。それぞれのディスクの反射面には、Sine Wave、Saw Wave、Square Waveを円形で表現した3つの "トラック "が刻まれています。
それぞれの "トラック "には、赤外線レーザーとセンサーが取り付けられており、ディスクに反射したビームを拾っています。ディスクが回転し、異なる陰影の部分が円運動をすると、赤外線反射率センサーがいわゆる「光波形」を出力し始めますが、これは当社がMOTOR Synthのために開発した技術です。
この波形は、各モーターの回転する内部コイルに隣接して配置された電磁ピックアップによって生成されます。これにより、電磁波の揺らぎを増幅し、独自のモーター波形を作り出します。
デジタルオシレーターと自在なボイスルーティング
オリジナルのMOTOR SYNTHに比べ、MKIIではすべてのパラメーターを完全に独立してコントロールできる第3のDIGITAL VOICE(DCO)や、調整可能な4音ポリフォニーなどを追加しています。
- 独自のバーチャルアナログオシレーターとウェーブシェーピング付きのノイズエンジン
- 豊富な機能を持つ専用マルチモードデジタルフィルタ
- フィルタとアウトプットの複数のルーティングオプション
MOTOR SYNTH MKII live at Synthplex 2022
Synthplex 2022でのMOTOR SYNTHを使用したライブの様子です。
アナログフィルター
各モーターボイスは、すべてのパラメーターをコントロールできる、完全に独立したアナログフィルターを備えています。
- 4つのフィルターモード:24dBローパス、12dBバンドパス、12dBハイパス、24dBオールパス(自己発振のレゾナンス付き)
- アナログドライブ回路
- 複数から選択可能なフィルターエンベロープ(ADSR、AD、AR、DADSR、ADSHR)、調整可能なCURVEパラメーター
- Amount、Direction、Grideを段階的にコントロールできるキートラックエンジン
モジュレーション
MOTOR SYNTHは、フレキシブルなモジュレーション・セクションを備えています。
- 2つのデスティネーション・スロット(A、B)を任意のパラメータにアサイン可能
- MODのシェイプセレクターとシェイプの細かな編集機能で、各LFOに広範囲なウェーブシェイプオプションを設定可能
- モジュレーションごとに独自に調整可能なクロックソースとサブディビジョン
- 複数から選択可能なモジュレーションエンベロープ(ADSR、AD、AR、DADSR、ADSHR)、CURVEパラメーター調整可
パフォーマンス・インターフェイス
- 8つのキーパッド(ノート入力、シーケンス入力、パターン入力)
- 音の長さの編集やピッチの調整に便利な4つのロータリーピッチエンコーダー
- 斬新なCLUTCH機能(押下中のみパラメータ操作を一時的に無効化、離すと共に操作を反映する機能)
アルペジエーター
ノートリピート、パターンリピート、パターンシフト、アクセント機能を備えたARP ENGINE。
シーケンサー
保存可能なパターン、パターンチェイン、ラチェット、マイクロタイミング、発音確率、ステップリピート機能を備えた内部ノートSEQUENCER ENGINE。
モーションREC
8つの編集レーン(再生速度、再生方向、時間、クオンタイズ)を持つ強力なMOTION RECORD ENGINE。
背面パネル
MIDI&CVコントロール
- ノートとクロックの情報を送受信するMIDI IN & MIDI OUTコネクター
- 複数のMODホイールとチャンネルプレッシャー(MIDIアフタータッチ)スロットは、デプスコントロールで任意のパラメーターに割り当て可能
- 3系統のCV入力(3.5mm)をアサイン可能
- トリガー入力(3.5mm)3系統を割り当て可能
- MIDI入出力およびMICRO SDカードへのファイル転送にUSBを使用
入出力
- シングルTRS 1/4'OUTPUTジャック(スプリットボイスルーティング調整可能)(MONOアウトとしても使用可
- 2系統のSEND/RETURNループ端子(3.5 mm TRS)(各MOTORボイスのプリVCF、ポストVCA用)
- ヘッドホン出力
- 入力信号処理用MONO 1/4'INPUTジャック×1系統