SM9の大きな特長は、3ウェイモニター (ベリリウム・ツィーター+ 6.5″ “W” ウーファー + 8″ “W” サブウーファー + 11″ パッシブラジエーター)と、2ウェイモニター(ベリリウム・ツィーター+ 6.5″ “W” ウーファー)が合体し、完璧にひとつのエンクロージャーに融合している点にあります。
3ウェイシステム・モードは再生周波数帯域30Hz~40kHzにおいて非常に高い解像度を実現すると同時に多様なアナログ信号制御機能を装備。レコーディング、マスタリングのほとんどの作業がストレスなく行えます。
また、2ウェイシステム・モードは周波数特性90Hz~20kHzというスペックで、TV、マルチメディアシステムなどを想定したミックスのモニタリング用に最適で、スモールモニターとしてご活用いただけます。特にEQやバランス調整の難しいミッドレンジの微妙なコントロールに威力を発揮します。
これら二つのモードの切替えは、サイドパネルにあるスイッチで簡単に操作できます。
SM9に投入されたFocal独自のテクノロジー
ピュアベリリウム・リバースドームツィーター [TB872]
Focalのリバースドームツィーターは20年以上前よりFocalが一貫して採用してきた独自開発のツィーターデザインです。
ボイスコイルとドームの間のメカニカル結合の最適化によりコーンの表面全体を安定的かつ均一に駆動する結果、放射されるエネルギーはストレスも歪もなく均一に空気に変換されます。
カバーする帯域は5オクターブ(1,000~40,000Hz)にも亘り、最新のHDオーディオフォーマット環境においても、シームレスなモニタリングを可能とします。
SM9に搭載されている新開発のTB872ツィータードライバーは驚異的な磁気回路(2.1tesla)と新設計のボイスコイルを採用し、トランジアント、インパルス特性、ダイナミクスすべての面で歴代ベストのパフォーマンスを実現しています。
“W”コンポジット・サンドイッチ・コーン ウーファー・ドライバー
超軽量の構造材コアをガラス繊維シートでサンドイッチしたもので、ガラス組織の非常に長い繊維を驚く程精密に織り上げたことによる軽量でありながら、強度、剛性は抜群という利点を有しています。
同 サイズのアラミド繊維やケブラー織物に比較すると、より軽量に仕上がり、しかも高い剛性(約20倍以上)を実現することができます。また、樹脂とガラス の間の分子結合がアラミド繊維よりも大きいことに注目すべきで、それによってコーンの構造はより強固で均質なものとなるのです。
Focalがこのウーファーを開発して既に15年以上が経ちますが、質量、剛性、ダンピング性能というウーファードライバーにとって3つの重要な要素のパラメーターバランスが最も理想に近いものとして、現在も右に出るものがありません。
パッシブラジエーター
コンパクトなエンクロージャーで低域再生能力を向上させるために、パッシブラジエーターというソリューションがあります。SM9では、妥協を一切排除した”W”コーン採用のカスタムメイド・ラジエーターを搭載。エアフローノイズとは無縁のパワフルな低域再生を実現しています。
ハイパフォーマンス・テイラーメイド増幅回路
SM9では、低歪率のAB級パワーステージによりロー(400W)、ミッド(100W)、ハイ(100W)それぞれのチャンネル別にドライブしています。これにより、低レベルの音声信号のダイナミクスを損なわず、全帯域にわたりクリアかつ精細な再現力を実現します。
6つのアナログフィルター・パラメーター設定機能
- ハイパス・クロスオーバー
- 低域シェルビング
- 高域シェルビング
- 低域EQ
- 中低域EQ
- 中域EQ