フィジカル・モデリングについて
フィジカル・モデリングは、物理学の法則に基づいて、各物質のふるまい方とその共振現象を解析・再現していきく手法ですが、Lounge Lizardもモデルになった楽器の各パーツのふるまい方をリアルタイムに数学的に計算することでサウンドを生み出しています。
つまり、サンプリングされた波形は一切使わずに、各パラメターが受け取る情報をCPU上でリアルタイムに演算することで音を生成しているのです。この方式により、Lounge Lizardでは元のエレクトリック・ピアノを構成しているパーツの状態を調整することが可能になり、サンプル波形を減算方式でフィルターしていくインストゥルメントとは別次元の自由度と表現力を実現しています。

モデリングならではの心地よい表現力
マレット、フォーク(Tine + Tone Bar)、ピックアップ。そして、ワウ、フェイザー、トレモロ、ディレイ。実際にエレクトリック・ピアノを触った事のある人(もしくは、分解したことのある人!)なら、こうしたパラメターを自由に調整できるというだけで、わくわくすることでしょう。
リリースというシンセサイザーのようなパラメターでさえ、アタック時に離れたダンパーがミュート時に弦に触れるタイミングを調整している、と言えば、その表現力の豊かさが想像できるでしょうか?

Lounge Lizardのモデルとなったエレクトリック・ピアノは、1940年代にハロルド・ローズ氏(1910-2000)が軍隊に所属していた時に発明されました。最初の楽器は、航空機用の部品を使って隊員の娯楽用に制作されたものです。その後、エレクトリック・ピアノはジャズ、ロックの世界で欠かせないほど人気のある楽器となり、今日でもヒップホップ、R&B、ハウスなどダンスミュージック全般で広く使われています。

エレクトリック・ピアノの構造そのものは、とてもシンプルです。まず鍵盤を弾くとハンマーがあがりフォーク部にあたります。フォークはハンマーによって叩かれるTineと、共鳴するTone Barによって構成されています。次に、そのフォークの振動がマグネティック・コイル・ピックアップで拾われ、アンプで増幅されたものがアウトプットから出力されます。
Lounge Lizardでは、エレピを構成する各部位のふるまい方をモデリングすることで、ハンマー(Mallet)の固さ、フォーク(Tine + Tone Bar)のディケイやバランス、ピックアップの位置まで調整できる仕様になっています。

トーンを自由に大胆にエディット
エレクトリック・ピアノはそのクリーンで甘いトーンがよく知られていますが、そのトーンにエフェクトをかけることで、まるでエレクトリック・ギターのように、大胆に変化させることができます。
Lounge Lizard EP-4には、コーラス、フェーザー、フランジャー、ディストーション、ノッチフィルター、ワウ、オートワウ、リバーブを内蔵したマルチエフェクト・プロセッサーを備えています。さらにイコライザーとコンプレッサーで音作りが可能です。ファクトリー・ライブラリーをブラウズすれば、エフェクトの効果的な使い方のヒントがきっと見つかります。
仕様
- ローズ、ウーリッツァーなど70年代の名機を再現した、ソフトウェア・エレクトリック・ピアノ。
- マレット、フォーク (Tine + Tone Bar)、ピックアップ、ワウ、フェイザー、トレモロ、ディレイなど、構成部位ごとに再現、調整可能なフィジカルモデリング仕様。
- 最大24bit/192kHzまで対応。
新機能
- 新しいファクトリー・ライブラリーRhodesやWurlitzerのサウンドを含め、コンプレッサー、イコライザー、マルチエフェクト・プロセッサーを設定済みの、ライブやミックスにすぐ使える200以上のライブラリを収録。
- キャラクター・コントロール4種類のクラシックなスタジオやステージの信号経路のエミュレーションをする、新しいCharacter control機能。ピアノの出力をキャビネット、プリアンプ、マイクロフォン、レコーダーを経由させ、他のトラックの音質に合わせることが可能。
- リミッターディストーションを発生させることなく音圧を上げる、出力リミッターを装備。フィジカルモデリングのパラメーターの変更中の突発的なピークから、耳とモニタースピーカーを保護。
- 新しいインターフェースゼロから設計し直された新しいLounge Lizard EP-4のインターフェースは、ピアノ音源部とエフェクトの設定が記憶されたプリセットに瞬時にアクセスできるPLAYモード、ピアノの音色自体を編集するエディットEDITモード、コンプレッサー、イコライザー、マルチエフェクト・プロセッサーを設定するFXモードの3つのモードから構成され、シンプルでスピーディーな編集を可能に。
- バンクとプログラム・マネージャーサウンドのバックアップや共有がより簡単になったEP-4の新しいバンクとプログラム・マネージャー。
- 豊富なエフェクトエレクトリック・ピアノ専用にチューニングされた、コーラス、フェーザー、フランジャー、ディストーション、ノッチフィルター、ワウ、オートワウ、リバーブを内蔵したマルチエフェクト・プロセッサー。
- 64-bit対応のAudio Unit (AU)とVSTプラグインLounge Lizard EP-4へのバージョンアップで、Mac OS XとWindowsの最新のDAWでも快適に使えるネイティブ64bitに対応。