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「コンプ過剰」の救世主!自然なダイナミクスがよみがえる FLUX:: Pure DCompressor

2025.07.17

しまった!コンプをかけすぎた!という経験はありますか?コンプのかけ録りやアウトボードのコンプを使う時だけでなく、ミキシングエンジニアがトラックの書き出し波形を受け取った際に、「コンプやマキシマイザーで音が過剰に潰れていた」というケースもよく聞かれます。

過剰なコンプレッションで失われたダイナミクスは、二度と元に戻らないのが常識。しかし今回はそんな常識を覆す、失われたダイナミクスをよみがえらせる驚きのプラグイン FLUX:: Pure DCompressor をご紹介します。

圧縮されすぎた音に、自然なダイナミクスを

oxford Reverb

コンプレッサーは音量のばらつきを抑え、音を聞きやすく整えるために使用されますが、過剰にコンプレッションしてしまうとダイナミックレンジが極端に狭くなり、演奏の強弱やニュアンスが失われてしまいます。たとえば、強く叩いたスネアと弱く叩いたスネアの音量差がなくなって、演奏全体が平坦で単調な印象になってしまうのです。

FLUX:: Pure DCompressor は、こうした状態から自然なダイナミクスを復元することが可能です。小さな音はそのままに、大きな音だけを自然に強調することで、演奏本来の抑揚やアタック感、タッチのニュアンスを取り戻します。

使用例

  • ギター → 演奏の強弱やリズムのニュアンス、タッチ感を再現
  • ボーカル → 抑揚やブレス感、声の遠近感をナチュラルに復元
  • ドラム → 失われたアタック感を取り戻し、演奏の迫力を回復

使い方はシンプル

Pure DCompressorは、従来のコンプレッサーとは逆の発想で動作します。設定したスレッショルド・レベルを超えた音だけをブーストし、大きな音をさらに持ち上げることでダイナミクスを強調します。

  • Threshold → レベルを上げるスレッショルド・ポイントを設定します。
  • Ratio → スレッショルドを超えた信号に対するレベル上昇の比率を設定します。
  • Range → 最大のレベル変化量を設定します。
  • Knee → 伝達曲線のカーブを滑らかにし、スレッショルド付近の処理をより自然にします。

8種類のRMS検出モードでさらに細かく調整

oxford Reverb

エクスパンションが発動するタイミングを 8種類の RMS 検出モードから用途に応じて選び、最適な動作が得られます。Feed Backward(Fb)モードでは、処理後の出力信号を基準に検出することで反応が過剰にならず、太く自然なサウンドを生み出します。

    使用例
  • ボーカル → 「Classic Medium」で繊細な復元
  • キック → 「Classic Feed Backward Medium」で太さや重みを加える
    モード選びの基準
  • 信号検出基準:入力 or 処理後出力(Feed Backward)
  • レスポンス速度:Fast / Medium / Slow

  • タイトでパンチ感がほしい → Fast
  • 滑らかで自然にしたい → Slow


制作工程ごとの活用方法

    レコーディング後〜ミックス前半
  • ボーカル、スネア、ギターなど、録音時や事前処理で潰れた抑揚やタッチ感を復元
  • トラック単位で使用し、楽器ごとの存在感を調整
    ミックス後半
  • ドラムバス、ボーカルバスなどバストラックでまとめて処理
  • 過度に平坦になったグループ全体に、わずかな立体感や抑揚を付加
    マスタリング
  • 2ミックスに対してごく控えめに使用
  • 潰れたニュアンスやトランジェントを少しだけ戻し、透明感や奥行きを復元

まとめ

FLUX:: Pure DCompressorは、コンプレッサーのかけすぎで失われた音楽の魅力を取り戻す、いわば最後の切り札。楽曲本来のダイナミクスを自然に、音楽的に復元するためのプラグインとして、制作のあらゆる場面で活躍します。

特に、楽曲の書き出しデータを元にミックスやマスタリングを始めるサウンドエンジニアにとって、心強いツールになることでしょう。

Pure DCompressor
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