リアル・アナログ・サチュレーション
KD1 Kinetic Drive APBプラグインは、APBハードウェアに備わる多くのアナログ・サチュレーション特性を直接制御することを可能にし、繊細な倍音の付加から完全な音響的カオスに至るまで、幅広いサウンドを実現します。
KD1のサチュレーションは、任意の周波数帯域に集中させることができ、さらに”Kinetics”により、電源応答やレベル圧縮等も調整可能です。
各ドライブタイプ(FWD / RWD / AWD)は、APBハードウェア内の異なるサチュレーション回路を用いており、より多様な音色表現に対応します。
原音と処理音のレベルは個別に調整可能であり、他のAPBプラグインと同様に、すべてのコントロールはオートメーション可能で、プリセットとして保存し即時呼び出すこともできます。
特徴
- アナログ・サチュレーションの直接制御
- 3種類のサチュレーション回路(FWD / RWD / AWD)
- 特定周波数帯のみを狙ったサチュレーション
- サチュレーションの動き(Kinetics)の調整
- Wet/Dryレベル調整
- APBハードウェア購入時に同梱
プラグインフォーマット(コントロールUI)

Kinetics(キネティクス)
Kineticsは、信号の圧縮や電源の応答といったアナログ回路の挙動に影響を与えます。Kineticsの値を最小にするとこれらの効果は取り除かれ、より動きの少ない静的なサウンドになります。一方、最大にするとより動的なサウンドになります。KD1の電圧メーターは、Kineticsによる処理がどの程度行われているかを示します。

Drive(ドライブ)
Driveは、サチュレーション回路の前段で適用されるアナログゲイン量を決定します。Driveの値を上げると、Kineticsの反応も強まります。
Drive Typeは3種類あり、FWDは高域寄りの特性、RWDは低域寄りの特性、AWDは全帯域に対応する特性を持ちます。それぞれのDrive Typeは、異なるアナログ歪み回路を選択します。

Focus(フォーカス)
Focusは、追加のサチュレーションを適用する周波数を設定します。Focus Amountは、その設定した周波数に対してどれだけ強くサチュレーションをかけるかを決定します。
APBシリーズ共通の特徴
APBのプラグインUIはコントローラーとして動作し、実際の処理はアナログ回路で行われます。APBプラグインは、入力されたオーディオ信号と制御信号の両方をThunderbolt経由でAPBユニットに送り、処理します。プラグインUIの設定は制御信号を介して、アルゴリズムを実行するためにアナログコンポーネントに反映されます。またオーディオ信号は一度D/A変換され、アナログ領域で処理された後、A/D変換されコンピュータに戻されます。
このようにAPBのプラグインUIからAPBハードウェアを操作することで、ユーザーが制御可能なすべてのパラメータをコントロールし、プリセットとして保存することが可能です。さらに、制御信号は入力オーディオ信号と結びついているため、再生中にパラメータを更新することができ、サンプルアキュレートなオートメーションが可能です。